エピローグ

文字数 664文字

「カチ!お前はまたミツを泣かせたんか?ミツが落ち込んで、東で川が氾濫してるそうじゃないか。フーナも怒っておったわ。」

畑を耕していたガイダルは、見えない何かに向かって叱りつけた。

「フォ、フォ、フォ。相変わらずじゃのう。オングが笑っておるわ。」

グイダルは小川で芋を洗っていた。

マグノは全ての人間が消えたわけではなかった。数は減っていたが、力強く生き残った者達が、お互いに助け合い、新たな生活を始めている。しかし、かつての選ばれし者達を知っているのは、ここにいるガイダルとグイダルだけだった。二人はセンゴクから離れて生活していたが、その力を使って何かをしようとはしなかった。力を使って生き残った者達を助ける事すらしなかったのは、それが人間の為だと思ったからだ。だが、人の世は何が起きるか分からない。世界はまた同じことを繰り返すかもしれない…。ガイダルとグイダルはそんな事を思いながらも、新しい神々と割と楽しく生活していた。

「おお、そうじゃな。オング、お前の言う通りじゃ。」

グイダルが

ツチノイシと何やら話していた。

「オングは何か言っておるのか?」

ガイダルが尋ねると、グイダルは楽し気に答えた。

「西の地で、子供が増えているそうじゃ。学問所を作ってはどうかと提案してきおったわ。」
「全く…お前さん達が神様になってから、やる事が増えて敵わん。年寄りをこき使ってからに…。」

ガイダルはそう言いながらも、笑顔だった。

マグノは新たな神々のデザイア(願望)を叶えようとしていた…。



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登場人物紹介

アマノイシ(創造の神)

ヒノイシ(火の神)

カチの目を持つ

ミズノイシ(水の神)

ミツの目を持つ

カゼノイシ(風の神)

フーナの目を持つ

ツチノイシ(土の神)

オングの目を持つ

カチ(ナッカ国のカチ)

・鍛冶職人。右目に眼帯をしている。

・左手の指を二本失う(第1章第3話)

・仕事仲間のヌイトをクイに殺される。(第1章第3話)

・ヒノイシと共にある。

ミツ(トステ国のミツ)

・着物の染め師

・トヌマ(クイ)に好意を持つ(第1章第5話)

・幼馴染のカイヤの夫ロトが戦で死亡(第1章第6話)

・妃マルナのお気に入り

・ミズノイシと共にある。

フーナ(ナッカ国のフーナ)

・旅芸人一座の担い手

・同じ舞い手のチルミがタズ将軍(ドガ)に殺される。(第1章第8話)

・クイを装い逃亡中

・カゼノイシと共にある

オング(トステ国のオング)

・クイであるが普段は炭鉱夫。

・トヌマとは知り合い。

・鍛冶職人虐殺に加担。ヌイトを殺害する。

・養子ノアを失う(第1章第12話)

・ツチノイシと共にある。

ゴンガ(ナッカ国)

カチの友人。大将に就任する。

クナル(ナッカ国)

ナッカ国元帥。

ムタイ(ナッカ国)

元大将

ネスロ(ナッカ)

中将でムタイの腹心の部下

デング(ナッカ国)

フーナのいる一座の座長。娘チルミをタズ将軍(ドガ)に殺される

トヌマ(トステ)

・クイでオングの知り合い。

・マルナの護衛。

マルナ(トステ)

天子スミナルの妃

カイヤ(トステ国)

ミツの幼馴染。夫(ロト)を戦で失う。

ガイダル(センゴク村)

センゴクに住む老婆。

グイダル(センゴク)

センゴクに住む老夫

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