エピローグ
文字数 664文字
畑を耕していたガイダルは、見えない何かに向かって叱りつけた。
「フォ、フォ、フォ。相変わらずじゃのう。オングが笑っておるわ。」
グイダルは小川で芋を洗っていた。
マグノは全ての人間が消えたわけではなかった。数は減っていたが、力強く生き残った者達が、お互いに助け合い、新たな生活を始めている。しかし、かつての選ばれし者達を知っているのは、ここにいるガイダルとグイダルだけだった。二人はセンゴクから離れて生活していたが、その力を使って何かをしようとはしなかった。力を使って生き残った者達を助ける事すらしなかったのは、それが人間の為だと思ったからだ。だが、人の世は何が起きるか分からない。世界はまた同じことを繰り返すかもしれない…。ガイダルとグイダルはそんな事を思いながらも、新しい神々と割と楽しく生活していた。
「おお、そうじゃな。オング、お前の言う通りじゃ。」
グイダルが
新たな
ツチノイシと何やら話していた。「オングは何か言っておるのか?」
ガイダルが尋ねると、グイダルは楽し気に答えた。
「西の地で、子供が増えているそうじゃ。学問所を作ってはどうかと提案してきおったわ。」
「全く…お前さん達が神様になってから、やる事が増えて敵わん。年寄りをこき使ってからに…。」
ガイダルはそう言いながらも、笑顔だった。
マグノは新たな神々のデザイア(願望)を叶えようとしていた…。
完