第11話 ヒンドスタン童話 ①

文字数 2,383文字

Re: Descent of Indra version 1

あるとき神々の王であるインドラ神は、その最高位の神格から引き降ろされて、豚の身体を
取ることを余儀なくされる。豚というのは知ってのとおり、ぬかるみの中に住んでいる。
だからインドラ神も、ぬかるみの中で転げ回って生活をしていて、とうとう”つがい”になる
雌豚までを見つけてしまう。そして彼らの愛の結果として、たくさんの子豚が生まれた。

天の神々は、自分たちの王様がその様な有様でいることに怖気をふるった。
そして、もう我慢できないということで、天から降りてきて彼にこう言った、

「あなたはインドラ神なのですよ。我々の王様なのです。
 それがこんなところで一体何をしておられるのですか? 
 あなたのそんな姿を見てると、私たちは恥ずかしい。」

インドラ神は答えた、
『ここでこうしていることが私にとって不幸だって? 
 高いところに住んでいるお前たちからは、ここでこうして生きている私は不幸せだと? 
 なんという馬鹿どもだ! お前たちも豚になってみろ。そうすればその楽しさがわかる。
 さあ早く。時間を無駄にするな。豚の身体になれ。
 そうすればお前達にも(豚の境涯)その素晴らしさがわかるーーー』 

ディーヴァ達は言った、
「あなた様をこのままにしておくわけにはいきません。
 どうしてもそこから抜け出していただかなくては……」

インドラは答えた、
『邪魔をしないでくれ。私はこぶた達の面倒を見なきゃならないんだ。
 彼らは私と遊ぶのを待っているんだーーー』 

ディーヴァ達は強硬策をとることにした。

「よし、彼は子供達に愛着を持っているから、それを取り上げてしまおう」。

そして彼らは子供を一匹づつ殺していった。

インドラは嘆き悲しんだ、その嘆きが収まると、彼は雌豚にすがりついてこう言った、

『ねえお前、もっと子供を作ろうよ…』 

しかしディーヴァ達の意志は固かった。
彼らはインドラからその雌豚を引き離し、これをも殺してしまう。
インドラの呻吟は尽きることなく続いた。

デーヴァたちは、彼の身体も取り上げてしまうことにした。

彼らが豚の身体を刺し貫いて、それを開くやいなや、

インドラの魂はそこから抜け出し、地上の骸を見下ろしたーーー。

「あなたはあの身体の中におられたばかりか、
 そこに留まりたいとさえ思っておられたのです」。

インドラは答えた、

『もうあそこはたくさんだ...。さあ帰ろうーーー』。


Re: Descent of Indra version 2

ブタになったインドラ

かつて、すべての天界の王であるインドラは喜びを知ることを求めて
地上に転生してみました。彼が豚の肉体を選んだのは、一般的に、
肉体的な喜びの観点からは、豚となるのが一番良いと思われたからです。

彼は自分の伴侶としての美しい雌豚を見つけ、それと結婚し、彼女と一緒に
数十匹の子豚を作りました。時間の経過とともに、彼は、生まれた子らを
非常に深く愛するようになります。そして彼らに強く執着するようになって
いったのです。

他の神々は短い旅行だと思って彼の帰還を天界で辛抱強く待っていましたが、
インドラがいつまで経っても戻らないので、様子を窺いに彼らは地上に降りてきました。
そして、この豚ビジネスの全容、その進行の具合をつぶさに確認したのでありました。

彼らは、豚の命などさっさと捨てて、天国にお戻りになるよう彼に説得しました。
しかし、インドラは、ここ地上に、たいへん深く関わって巻き込まれており、
またすべてに執着していたので、彼はただうなり声を上げて去ったのです!。

神々はその後、彼のそれらの身内に悲劇が起これば、彼は本当のステータスを思い出し、
天へと帰還されるであろうと期待して、一匹の彼の子豚を殺すことにしました。
殺された子豚への悲しみは、インドラを残りの子豚にもっと執着させるよう働きました。

最終的に、神々は彼のすべての子豚を殺してしまいました。

しかし、インドラは、失った心の隙間を埋めるべく、
より多くの子供を産むことに専念するようになりました。

神々は、インドラの妻こそが愛着の中心にいる者なのだなのだと理解したので、
それならばということで、彼女を殺してしまいました。

この出来事によって、彼は非常に悲しみ、絶望して、やつれ果ててしまいました。

すぐに、彼のブタ友達と彼の親、親戚連中は、
彼が新たな別の妻を見つけることを提案してきました。
そして、インドラのブタビジネスは再び始まってしまったのです!。

神々はこの顛末には、愕然とし、完全に途方に暮れてしまいました。

そこに現れ、偶然通り過ぎていったのは、賢人ナラダ。
神々の愕然と打ちひしがれた有様を見たナラダは、

「なぜあなたは彼の妻と子供たちを殺したのですか?
 彼の愛着の核心は彼の肉体にあります。
 彼の体を破壊してしまうのです」とアドバイスをした。

それで、神々は彼の体を半分に切り裂いて殺してしまいました。

すると中からインドラが現れて宣ったのは、

「ここで我は一体何をしていてたのだ?」

と呆れ顔で言ったのです。

そして皆に伴われながら、彼は、急ぎ天界へと戻りましたとさ。』




コメント:

私はこの肉体ではない。

これは理屈だけでは何の意味もない。
「そうだ」「そうなんだ」が確実に、実感としてもたれないと何の意味もない。

今日日は座る必要はないなんてアドバイスする方もおられますね。(ネットのカリスマ)
残念ながら不可避、不可欠の行です。練りが分離を成さしめるのだから。
それだけってのもダメなんですがね...。

プラス、人生における苦難悲惨苦汁。そして本当の意味での絶望。
失ったもの、奪い去られたものを、取り返さないで放下できるようにあれるか?。
それでもなを生きてあることに感謝できるか…。

あなたは、

自分だけは、絶対に、救わなければならない。
その彼しか救えないのだ…。

















ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み