第15話 伊賀者、互いの胸の内は共鳴し合っている
文字数 336文字
正成が問う。
「どういうことじゃ?」
孫太夫は屋敷内を一旦ぐるりと見てから声を潜めた。
「先の使者もそうでありますが、光秀は信長に酷使されております」
「信長の家臣は皆そうであろう?」
「いえ、光秀は家臣の中でも特に粗い扱いを受けております。元が外様、しかも聡く医術にすぐれ足利将軍との渡りもよく存じておりました。信長にとって利用価値は大きかったはずでござります。されど、いざとなれば使い捨てるにはもってこいかと」
「そうであったか」
「ここでさらに娘を殺されれば、光秀はいかがいたしましょうな」
丹波が眉を潜める。
「小猿はそこまで謀っておったというのか?」
「わかりませぬ。ですが、小猿ならそれくらいはおそらく・・・」
本心は明かさぬ、されど伊賀者、互いの胸の内は共鳴し合っている。
「どういうことじゃ?」
孫太夫は屋敷内を一旦ぐるりと見てから声を潜めた。
「先の使者もそうでありますが、光秀は信長に酷使されております」
「信長の家臣は皆そうであろう?」
「いえ、光秀は家臣の中でも特に粗い扱いを受けております。元が外様、しかも聡く医術にすぐれ足利将軍との渡りもよく存じておりました。信長にとって利用価値は大きかったはずでござります。されど、いざとなれば使い捨てるにはもってこいかと」
「そうであったか」
「ここでさらに娘を殺されれば、光秀はいかがいたしましょうな」
丹波が眉を潜める。
「小猿はそこまで謀っておったというのか?」
「わかりませぬ。ですが、小猿ならそれくらいはおそらく・・・」
本心は明かさぬ、されど伊賀者、互いの胸の内は共鳴し合っている。