第25話 同盟ではなかったのか!
文字数 647文字
小寺孝高を監禁したまま籠城は続けられた。村重軍はよく戦った。が、有岡城の落城を決定づけたのは頼りにしていた茨木城主中川清秀と高槻城主高山右近の寝返りであった。二人はある者らから唆され信長方に走った。
中川清秀の場合は、信長に城を包囲され劣勢に陥るがそれでも抗戦続ける意志ありながら、突如降伏。織田家宿老、丹羽長秀の軍門に下り、村重に刃を向けた。
高山右近の場合は、一度は村重の謀反を諫めたが失敗に終わり、それでも村重に忠義を立て、妹と息子を有岡城に人質として村重に送ったが、やはり突如として、織田軍門に下った。
村重は中川清秀ではなく、高山右近でもなく、目の前の忍びたちに対して怒りをぶつけた。
「ふざけておるのか!」
小猿は呟く。
「ふざけてなど・・・」
「ふざけておるだろう! 儂を誑かすとはいい度胸だ」
小猿は困ってしまった。
「殿、ご乱心召されるな」
しかし、村重の怒りは治らない。
「乱心などしておらぬわ! おのれらの報が紊(みだ)れておるのだ!」
小猿の背後には小太郎と衣茅も控えている。おのれらと言われ小猿は代表して言った。
「我ら、この折、嘘を申しても仕方がありませぬ」
村重は信じようとしない。
「あやつらとは密約交わしておるのだ! 共に信長を倒さんと。同盟ではなかったのか!」
「左様でござりましたな」
言うだけ言わせた方がよかろうと小猿は思った。
「策略であろう、信長の。偽りの報をおのれらに掴ませ、我らに開城させようとしておるのだ、そうに決まっておる。清秀と右近が儂を裏切るはずがない」
中川清秀の場合は、信長に城を包囲され劣勢に陥るがそれでも抗戦続ける意志ありながら、突如降伏。織田家宿老、丹羽長秀の軍門に下り、村重に刃を向けた。
高山右近の場合は、一度は村重の謀反を諫めたが失敗に終わり、それでも村重に忠義を立て、妹と息子を有岡城に人質として村重に送ったが、やはり突如として、織田軍門に下った。
村重は中川清秀ではなく、高山右近でもなく、目の前の忍びたちに対して怒りをぶつけた。
「ふざけておるのか!」
小猿は呟く。
「ふざけてなど・・・」
「ふざけておるだろう! 儂を誑かすとはいい度胸だ」
小猿は困ってしまった。
「殿、ご乱心召されるな」
しかし、村重の怒りは治らない。
「乱心などしておらぬわ! おのれらの報が紊(みだ)れておるのだ!」
小猿の背後には小太郎と衣茅も控えている。おのれらと言われ小猿は代表して言った。
「我ら、この折、嘘を申しても仕方がありませぬ」
村重は信じようとしない。
「あやつらとは密約交わしておるのだ! 共に信長を倒さんと。同盟ではなかったのか!」
「左様でござりましたな」
言うだけ言わせた方がよかろうと小猿は思った。
「策略であろう、信長の。偽りの報をおのれらに掴ませ、我らに開城させようとしておるのだ、そうに決まっておる。清秀と右近が儂を裏切るはずがない」