第17話 承-11
文字数 680文字
文のアキオに対するアルバイトの誘いから数週間が経過し、とある日の昼下がりのこと。彼の制服が彼女の家に届いた。当の本人はまだ学校に登校しているため不在だが、彼女は少し、いや、かなり興奮していた。なんせ彼の顔立ちは綺麗だ。彼に似合わないオーダーメイドの制服なんてこの世にあってはならないくらいの心意気だった。
彼女は届いた制服を胸に抱いては彼の制服姿を想像してニヤついていた。
夕方五時、童謡のメロディーとほぼ同時位に彼が学校から帰宅した。彼女は彼の制服姿が待ちきれないのか玄関先で昼に届いた制服を彼に渡し、着替えの指示を出した。
「制服届いたし早速着て。サイズ違っていたら困るでしょう」
「え?あ、はいっ……」
彼は何が何だかよく分からないまま自分の荷物を部屋の片隅にまとめて、彼女から渡された制服に身を包んだ。
彼が着替え終わると彼女は自信満々そうに頷いていた。大金を叩いてオーダーメイドの制服を作った甲斐があると、彼女は感服した。
「サイズはどうだ?」
「ちょうどいい、けど……高いんじゃない?この制服」
「私の目の保養……じゃなくてだな、バーテンダーは身なりも所作も格好良くなくちゃいけないんだ。この仕事は自分自身が商品だと考えた方がいい。だからそこ良いものを身につけておくんだよ」
「そんな……僕まだ仕事内容知らない……」
「なぁに、心配するな。最初は雑用からだよ」
雑用から始めるということを知り、彼はほっと胸をなでおろした。彼女のことだから最初からお酒を作れとか無茶振りを言い出すのではないかと、かなり心配していたのだった。
彼女は届いた制服を胸に抱いては彼の制服姿を想像してニヤついていた。
夕方五時、童謡のメロディーとほぼ同時位に彼が学校から帰宅した。彼女は彼の制服姿が待ちきれないのか玄関先で昼に届いた制服を彼に渡し、着替えの指示を出した。
「制服届いたし早速着て。サイズ違っていたら困るでしょう」
「え?あ、はいっ……」
彼は何が何だかよく分からないまま自分の荷物を部屋の片隅にまとめて、彼女から渡された制服に身を包んだ。
彼が着替え終わると彼女は自信満々そうに頷いていた。大金を叩いてオーダーメイドの制服を作った甲斐があると、彼女は感服した。
「サイズはどうだ?」
「ちょうどいい、けど……高いんじゃない?この制服」
「私の目の保養……じゃなくてだな、バーテンダーは身なりも所作も格好良くなくちゃいけないんだ。この仕事は自分自身が商品だと考えた方がいい。だからそこ良いものを身につけておくんだよ」
「そんな……僕まだ仕事内容知らない……」
「なぁに、心配するな。最初は雑用からだよ」
雑用から始めるということを知り、彼はほっと胸をなでおろした。彼女のことだから最初からお酒を作れとか無茶振りを言い出すのではないかと、かなり心配していたのだった。