第11話 承-5
文字数 397文字
彼は彼でもやもやしていたが、彼女も彼女でもやもやしていた。それは彼の心のガードの硬さである。カブトムシかと思わず突っ込みたくなるようなガードの硬さに彼女は少しイライラしていた。
彼は気づいていないようだが、何もかもが丁寧で弱みを見せようとしない。以前よりは笑うようになって、心を開いてきてはいるが、彼女にはとにかく一点、許容できない点があった。彼の敬語である。彼女の男前で姉さん気質な性格もあって、気心知れてきた人に敬語で話されると鳥肌が立つのだ。
彼と出会って数ヶ月も経ち、もう年末がやってくる。年明けまでには敬語を直してもらいたいと彼女は切に願っていた。そのためにも彼女は、いつもは寝ている午前帯に目を覚まし、彼の敬語を止めさせるプランを練っていた。彼はとても気を使ってくれていることを彼女はよく知っている。だからこそ、彼女はストレートに敬語が気持ち悪いとは言いだせなかったのである。
彼は気づいていないようだが、何もかもが丁寧で弱みを見せようとしない。以前よりは笑うようになって、心を開いてきてはいるが、彼女にはとにかく一点、許容できない点があった。彼の敬語である。彼女の男前で姉さん気質な性格もあって、気心知れてきた人に敬語で話されると鳥肌が立つのだ。
彼と出会って数ヶ月も経ち、もう年末がやってくる。年明けまでには敬語を直してもらいたいと彼女は切に願っていた。そのためにも彼女は、いつもは寝ている午前帯に目を覚まし、彼の敬語を止めさせるプランを練っていた。彼はとても気を使ってくれていることを彼女はよく知っている。だからこそ、彼女はストレートに敬語が気持ち悪いとは言いだせなかったのである。