第42話 転-12
文字数 526文字
すっかり日も暮れ、タクミも深い眠りについた頃。アトリエkakuregaに、ユウタが仕事から戻った。彼は、以前とは違うフォーマルなスーツを着て、大きなアタッシュケースを片手に持っていた。彼はタクミが深く寝入っているのを確認すると、タクミのいる教室は明かりを点けず、彼はその奥の物置部屋に入った。そこには先生が電気ストーブで暖を取りながら待っていた。
「どうでした?新入りのアキオ君は」
「うーん、彼の才能は確かなものです……」
「と、言いますと?」
「ただ、彼を扱うのは危険すぎる。彼をここで預かるのは博打を打つみたいなものです」
「ははは、先生は面白いことを言う。僕は、どうにも賭け事が好きな性でしてね。先生が彼の才能を保証してくださるのならば、僕が、彼を預かりましょう」
「あなたがそこまで仰るのならば、私はただ貴方についていくだけです」
彼は顔に乾いた薄笑いを浮かべて、その場を後にした。
タクミはもともと眠りが浅く、ユウタが彼の傍を通った時、目を覚ました。それから彼はこっそり、二人の会話を盗み聞きしていた。そして、アキオのアトリエ残留が決定したことが分かると、これから始まる新たな共依存の生活を想像して、彼は少し興奮していた。
「どうでした?新入りのアキオ君は」
「うーん、彼の才能は確かなものです……」
「と、言いますと?」
「ただ、彼を扱うのは危険すぎる。彼をここで預かるのは博打を打つみたいなものです」
「ははは、先生は面白いことを言う。僕は、どうにも賭け事が好きな性でしてね。先生が彼の才能を保証してくださるのならば、僕が、彼を預かりましょう」
「あなたがそこまで仰るのならば、私はただ貴方についていくだけです」
彼は顔に乾いた薄笑いを浮かべて、その場を後にした。
タクミはもともと眠りが浅く、ユウタが彼の傍を通った時、目を覚ました。それから彼はこっそり、二人の会話を盗み聞きしていた。そして、アキオのアトリエ残留が決定したことが分かると、これから始まる新たな共依存の生活を想像して、彼は少し興奮していた。