第35話 転-5
文字数 360文字
アキオは、文から誕生日プレゼントを貰ってから毎週末にはデッサンに出かけることにしていた。鉛筆とスケッチブックを、これまで大学の通学用として使っていたカバンに、詰め込んで様々な場所に足を運んだ。この日は彼女のバーの近くの風景をデッサンしに行くところだった。その行き道で偶然にも、彼女が見知らぬおばさんと、彼女の店の入り口で何か話し込んでいるのを見かけた。彼は、彼女がこんな朝早くに(とはいうものの午前9時はとうに過ぎている)目を覚まして店にいることは珍しく、彼は裏口から店に入って様子を窺うことにした。
彼女とそのおばさんは、彼が様子を覗いてから小一時間ほどしても話がまとまらない様子で、彼女たちは、彼女のバーの中で話し込むようにした。彼は彼女たちに見つからないようにテーブルの影に身を潜め、そっと聞き耳を立てていた。
彼女とそのおばさんは、彼が様子を覗いてから小一時間ほどしても話がまとまらない様子で、彼女たちは、彼女のバーの中で話し込むようにした。彼は彼女たちに見つからないようにテーブルの影に身を潜め、そっと聞き耳を立てていた。