第32話 滅亡平気(兵器)

文字数 2,793文字


人を切ったナイフで料理をしない。
人の持つ細菌は人に感染する。 細菌の殆どは血液中にいる。
もし他にナイフがない場合、石鹸で全て洗い流すか、高温で死滅させるかして使う。

「基本でしょっ!!!」
沖田に叱られているのは山梨さん。
山賊から奪ってその持ち主山賊を刺したナイフを、「良いナイフだな」と自分のものにして、その夕方の炊事のときにこともあろうか肉を切るのに使ったのだ。
小田も沖田も怒った怒った。

動物の場合、ひとには感染しないもののほうが多い。ただ寄生虫が怖いが。
なので、対人戦に使う刃物は調理に使ってはいけない。使うなら煮込んでから。こっちには強力な洗剤ないからなー。

「これ、多分ギルマスとかも知らねーんじゃないか?今度言っておくのがいいな」
と、神田と。



今日は千葉道場に来ています。
子供が産まれたのでお祝いに。
たまたま、山梨さんも「行ってみたい」と、同行。
戦闘民族どうしを引き合わせるのも一興だろうと。

お祝い品(乳児ー幼児服から子供服まで大量に)渡し、湯治場に来ています。
晩飯の素材を取りに山に行って帰ってきて、調理を始め、今ココ。
猫2匹と狐は森に放置。なんか奥地に強い魔獣がいるようなので狩ってくる、と行ってしまった。

たまたま不審な集落発見したら、山賊の拠点だったんで主に山梨さんがデストロイ。20人ほどを全滅に。
「採取のついでに丁度よかった。」
なんか、食用獣つかまえるだけだと「しょぼすぎて満足できない」とのこと。戦闘狂だなー。
まぁ、鬱憤晴らせてよかったっすね♪

だがしかし、そのあとで冒頭のことになった。

山梨さんは元現代人だ。衛生観念というか、向こうでの常識的知識ははジモティよりかなりあるはずなのだが、
それでもこんなものだ。
ただ、今迄感染症が広まっていないということを考えると、そのようなものは「無い」のか「まだ無い」のか「まだ人の世界には出ていない」のだろう。
だけど、「誰が最初の一人」になるかわからないのだ。用心を身に着けているに越したことはない。

あ、
「なんかさー、、こっちって狂犬病とか日本脳炎みたいのとか、超危険な病気って聞かないよね?」
・・・
「そういうのが存在するしないって、その世界を作っている神様の質なんじゃないかなー。
ほら、うちの神様、高性能ポンコツっぽいけど、俺ら皆あの神様好きだろ?」
誰かが照れている気配がするがスルー

「んじゃ、元の世界の神様は、、」沖田
「そう、多分俺は嫌いなタイプだと思う」俺
・・・・
「・・山田くんがいたのに・・・」小田よく気がついた
「そうだよな、よく滅んでなかったよな」
「その手のとは違うってこと?」沖田、言い方、、、
「まぁ、、ぶっちゃけちゃえば、そうかな?」

いつの間にか山梨さん達も集まっていた。
「俺らはその神様しらんけど、、でも俺ら外来は、こっち来てよかったな!」山梨
「「「「そうだねー♪」」」」
「いや、、、」
「神山くん?」
「こっちには山田が居る、、、」
「「「「・・・・・・・」」」」
そう、大量破壊兵器がゴミに見えるほどの滅亡平気(兵器)山田。
山田の祖先だか前世だか、絶対関係者だろう者は、過去、アトランティスを滅亡させる一言を放ち、滅亡させた。
「たった一言で、文明・人類を滅亡させた係累山田、今回も未遂を起こしている」
「大丈夫だよ、安全装置神山がいるだろう?」山田
両のこぶしでおもいっきり眉間をぐりぐりしてやった、白目むくまで。


無言で皆調理を再開した。


食事中
「いやー、いいなーここ、住みてぇくらいだわ」
と、飯食いながらエール飲みながら、山梨さん

獲物取って温泉はいって飯作って温泉はいって飯食って酒のんで寝て起きて温泉入って、獲物取りに行って、
繰り返し。
ふやけそうだがふやけないw

”温泉がある”というだけで、こんなにも違うのか?

うちんちの方じゃ、聞かないから出ないんだろうなぁ、、つーか、温泉は山とセットでなんぼなもんじゃい!みたいのあるからなー、平地で温泉は、、さほどそそらないよなー
ああ、だから「いいなーここ」になるのか、、


周子母にお願いして、千葉家の敷地の片隅に別荘を建てさせてもらうことになった。
周子母は「私が建てます!!」と言い張ったが、「山田神殿」になるのは目に見えているのできっちり断った。
多分、別荘できたらその前に祠でもつくられちゃうんだろうな、、とかうちらで言い合ったとき
「うちの神様の祠にしちゃえばいいじゃない?ほら、山田くんはうちの神様の口伝者みたいなものだから!!」
おお!沖田、最近ポンコツになったと思ったが、昔に復活?
睨むなよー、口に出してないじゃん、、、
「あと、一応、、こっちの世界に来てポンコツになってきているのは、皆一緒だからね?」
「えっ!!あたしも?」 ”も”、、おだっち、よっくわかったよ、おれらをポンコツ視してたんだね?
「え!ごめん!おだっちは度合いが少ないから大丈夫だからっ!!」沖田、フォローのつもりらしい

「いや、祠の件だろ?」 強引に引き戻さないと荒れちゃう!!

結局、周子母が祠を作り終わったら(俺らの中では、周子母は必ずつくることになっている)、山田が神の口伝者(玩具)なので、祀るならうちの神様を祀ったほうが良いですよ?と説明することにした。

夜髏死苦がうちらと一緒に別荘を使うことを、周子母と周子夫妻はよろこんだ。
「チーム千葉道場に匹敵するほどの戦闘狂チームが頻繁に来てくれると嬉しい」と。
今はタマ頼みだが、山梨さんは魔法使いの先生のところに通い、魔法のポンコツ具合が低下してきている。自分のみで指定場所に瞬間移動(転移)できるようになるのはそう遠くないだろう。

千葉家に関して唯一のネック巨大地雷がある。「ダゲーだけには近づかないこと」と釘を差しておいた。




山梨さんが温泉地の周辺で「わさびっぽい葉っぱ」を見つけた。「なんか臭いでなー」
すりつぶすと、、
「うん、わさびだ、、」
武は「結構自生していますよ」と。雑草扱いの様子。
もったいないので大量に確保し、山田に自宅の冷蔵庫に保管してきてもらった。転移できるからね♪
帰ったら神田にそばでも打ってもらおう。名前からして得意なハズ!!

「はっぱわさびなら、天ぷらにしたらうまいだろーなー」
と何気に言うと、その日はわさび記念日、晩飯、天ぷらに決まった。

どうせなら、と千葉道場で盛大に。
今迄雑草扱いだったものが、一気に注目を集めた瞬間であったww
「山田くんみたいだねー」と沖田。失礼なのか、どっちに失礼なのか?違うのか、は、なかなか深い人類の命題であろう。
が、周子母は聞き逃さず、「山田葉」と名付けた。なんか悪酔いしそうな、、腹壊しそうな、、気が、しないでもないかな、、と密かに小田。



数日後、帰宅した。
蕎麦を打って、わさびをつくって、天ぷらつくって、天ざるを祠に供えた。
ちょっと目を離し、再度見たら、綺麗サッパリ無くなっていた。
うまかったようだ。流石神田蕎麦。
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