第64話 出すものだしな!!

文字数 2,745文字


また馬車に揺られて次の町に。
標高が上がっているようで、ここは秋の入り口っぽい。
うちのマルネラは常初夏なので寒さにはあまり強くない、、
これ以上寒くなったら帰りたいかなー

「さむいね?」おお、やっぱ山田でさえ寒いのか?
「心が」・・・・・・山田が?ねーよ、、、


「秋っぽいんで、きのことか多そうだなぁ、、」
きらりんっ!!山田の目が輝く。
ないんじゃね?山田きのこ、、、あ、、毒キノコとかあるか、、危険極まりないな山田には、、昨日のアロマとかあるし、、
ぜってー混ぜるよなー
でもミケがいる邸に帰ってからしか実験できないわな危険すぎて。あ、だとしたらモルは俺か神田しかいない、、まぁ知らない神田を引っ掛けるしかないわなw

などとろくでもないことを考えていると、、
馬車が止まった。

「出すものだしな!!」山賊1
「えー、最近便秘気味だしぃ、、」客A嬢
「どーしてそっちだと思ったっ!!変態だろ!!金目のものだよ!!」
ごそごそと鍋釜を出す客Bおばさん
「っちっげーよっ!!金銭、宝石、貴金属だっつーのっ!!」
「そうなら最初からそういいな!!」叱るおばさん

御者を見ると鼻くそほじっている。さほど金銭など持っていないから気にしないんだろーよ。


「んじゃ、、」とおれはちいさいコインみたいなものを出し、1の手のひらに載せる。
どすん、、1は手のひらを上に向けたままそれを地面にめり込ませている。
「うわーっちっちっちー!!折れたっ!!骨折れたっつ!!!なんじゃこれ、、まだめり込んでる、、いってーよー!!かーちゃーん!!」
「おまえのかーちゃんはいないよ、ここには」 おばはん

「「どーしたどーした」」山賊2,山賊3 これで総勢である。
2と3は1の腕を引っ張る
「いい、いってーよ、引っ張るな、だめ、やめて、いたいからー!」 何この弱気ww

「なぁ、なんだこのコイン?」2
「貴金属。超重量級超絶ウルトラコインA(エース)だよ?知らないの?ぷw」
「し、しってらー!超絶うるとらじゅうようきゅうす@えしゃるこいんえーすだろ?聞いたこと有るぞ?」
ほう、すごいな今作ったばかりなのに、、
「それ、売ると城が建つぞ?」
「「「「「「まじかよ?!!!」」」」」」御者も客も一緒になってんじゃねーよ
なので必死に持っていこうとするがびくともしないコイン。


「もう勘弁してください、、どーかお許しください、、お願いいたします、、、」
「有り金出せ。」
「「「は?」」」
「お前らの有り金全部いただく」
「「「殺生なー」」」
「山田、やれ」
山田がちょいっと指を動かすと、1、2,3の銭袋と武器、防具が馬車の中に転移した。
・・・・・・
コインも消えた。
・・・・・
「「「うぎゃーーー!!!!」」」ダダダダダーー! 一目散に逃げていった。


「お兄さんたちは魔法使いなんですねぇ、、」A嬢
「いえいえ、マジシャンです」俺
「へー、すごいね?あのコインも?」おばはん
「マジックにはコインがつきものでしょう?」
「まぁそうだねー」

などとやってるうちに夕方で街に着いた。
今迄野宿しなければならない行程は無かった。随分良い交通網ができているんだなー、、、

さて、どこにしよう?
ギルドに行ってなんか聞いてみようか?
山田は面倒くさがって俺に全部任せた。

からん!からん!
扉を開けると、、、ひゅ〜、、、かさかさかさ、、
おや?

受付を見ると、数有る受付の内、居るのは一人だけ、、ひまそーにしている。暇だけどな

「こんちゃーっす!」
「あー、いらっしゃーいー」だらけ声のおっちゃんとあんちゃんの間の人、現役かな?
「みんな出払ってる、ってわけじゃないみたいっすね?」
「あー、うちはねー、前はダンジョンあったんだけど、、危険すぎてこの間潰されちゃったから、、」
あ、、、、ごめんなー、たぶんうちのお嬢連中と暴走族グループが、、、言えないけど、、、

「閉めないんですか?」
「いや、まだ森に結構いるんだよねー、当分、何十年かは魔物は消えないんじゃないかなー」
「なのに冒険者いない?」
「まぁ、、俺らがたまに退治しているくらいかなー、今の所はそれでどうにかなっているけど」
ああよかった、潰れてたら心が痛むとこだった、、、

「でも、俺らも強いわけじゃないんで、、」
「あはは、いいよいいよ、、で、今日は何?稼ぎに来たの?」
「なんかあるんすか?弱くてもいいやつ、」
「んー採取などはここらの連中はみな自分でできちゃうしなぁ、、ツノウサギ程度なら自分で狩っているし、、」
なにその強い村人たち?

「いえ、ないんならいいです、どっかいい宿ないかなー、って聞ければいいかな?と思ってきたんです」
「あー、宿ねー、やどー、やどーーー、、、、、いや、街の者達は泊まらんし、、、」
「んじゃ、食い物の美味い食堂の上が宿になっている食堂、とかは?」
「あるよ?」
あるんかい!!
「出て右行ってずーっと行くと、右側に猫神の祠が有るから、その2,3軒先の食堂がうんまい!たぶん上が宿になってたかな?」


俺らは礼を言って向かう。宿の飯がうんまいと言うので、途中の食堂には見向きもしない。

あ、いーにおい、、、ふらふらふらーーー、、
気付いたら中に入っていた、
「らっしゃーい!」
席につかされ、、
「ここは何が美味しいの?」と他の客が食べているものを見る、ほとんど似たようなものを食べている。しちゅー?
「ゴブリンシチューがすごくおいしいですよ!」
・・・・・・・・いや、、それはちょっとー、、、トラウマあるしー
「いえいえ、あの、中の野菜の一つにゴブリンに似ている芋がありまして、それがメインになっているんで、、」
「・・んじゃ、肉はないの?」
「入っていますよ?」
「何の肉?」
・・・・・・
「なににく?」
「えっと、なんだったかな?くーろん執事とか、ばるさんせーじんとかだったかなー?」
「この、ツノウサギシチューとごはん、」
「おれもー」山田
それと
「エール2つね」
がっかり顔の給仕の子は戻っていった。

結局他の客と同じものだった。ゴブリンシチューなんか食ってる奴いねーんじゃね?
シチューを持ってきたとき聞いた
「何か面白いこと、ないの?」
きらりん!とその娘の目が輝いたように見えた
「お客さん!なんかあるんっすか?なんかあるんっすか?」
なぜ二度聞く?

「いや、俺ら旅人だから、なんかこの街でないかなー?って聞いたんだよ」
なーんだ、という顔になって、
「別にないですねぇ、、旅人をだま、、うっほん、、何もないですねぇ」
旅人をだまくらかすしか楽しみがないですか、よくわかってますよ?
これはここで戦わないって選択はないよな?
「ここ、宿にもなってるの?」
「泊まります?」
「値段と部屋の状態によって、だけど」

部屋は清潔そうで、オケの水浴びだけだが、外に銭湯があるという。朝飯付き(ゴブリンシチュー以外)で、安かったので決めた。
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