第50話 うち神様

文字数 2,919文字


それからいろいろ教わった。

小田はまだ神ではないので、「信心パワー」を必要としない。
夢の中での修行と、日常での仲間達の信頼関係で充分だと。

うちの神さまやミケ達には「信心パワー」は、あれば付与される。なので、今ミケ達には物凄い信心パワーが毎日付与され続けていると、物欲しげにうちの神様はおっしゃったw

かと言ってもなー、小田が巫女でいろいろやったとしても、小田人気になるだけだと思うんだよなーー、
なのでねこかみ様シリーズみたいになんか考えるか、、、
そこ、期待したきらきらした目でみないでっ!!できるかどーかわかんないんだからっ!!!


小田の神としての能力は、神にならないと完全には発動しないので、そこらへんの危惧はしないでよいだろう、と。
ひと、として生活していれば、今迄同様に過ごせるはずだろうとも。老化については、、「遅め?」とか、、、、


もう一度言おう、
なんで、俺らは普通ではなくなってしまったんだろう?
どこから間違えたのだろう?

『最初からだよ』
・・・・・・修学旅行は黄泉の国?
『もっとずっと前。ときが来れば知ることができる』

などと意味深なこと言われ、
翌朝目が覚めた。




「おはよ”ー」
・・・・
「すげー疲れた感じだな?ぼっさぼさだし、、」
「んーー、飯食ったら風呂はいってくる、、」
「朝練も起きれないほどだったとは珍しいな?」
「んー、、なんか、寝て疲れた?」
「また、女神様?」
「んー、覚えていない、、、」
ん?
「あれ?小田は?」
「ああ、小田ちゃん、最近当番じゃなければ結構ぎりぎり迄寝ているの。なんか神様のところで修行しているんだって、、」
「ふーん、、、、神、まじなんだなぁ」

4人は先に飯を終わらせ、俺は水浴びて、鍛錬する。
夢のことは覚えている。言えないから言わないだけ。
そう遠くないうちに、山田も神田も人外に入り込み、人間は俺と沖田だけになるだろう。
その時に成れば、小田も気にしなくなるかも知れない。

おいてきぼり2人、、、シクシクシクシク、、、、泣きながら棒(木剣)を振る

型まですべて終え、スイッチし、風呂に入ってゆったりし、居間でお茶を飲む。
小田がやっと降りてきた。

「おー、沖田に聞いたが、毎日なんだって?大変だなぁ、、、」
「んー、、なんか行かないと、物足りない?」
「へ?自分で行けるの?」
「しー、、内緒ね?」
「え?沖田知っているんじゃないの?」
「・・・そーか、、、」
山田化?
「違うからっ!!!」
エスパー?
「もっと違うからっ!!!
顔見りゃわかるわよっつ!!!」
なる!

小田は朝食をとる前に、祠に同じものを供えてきた。
朝食量は変わっていない。毎日修行してもバカ食いとかにはならないのか、、
そういう時期を乗り越えたのか?精神体での修行だからなのか?、、なんかだろうーなー


今現在、ねこ神本は2種類になっている。最初の、ねこ神様。次の、お稲荷様。お稲荷様もそれなりに出ている。コンに聞くと、修行によって妖精から神に変化しつつあるので「信心パワー」はその加速にありがたい効果を得ている、とのこと。

「どーしよーかなー、、、」
「どうしたの?」小田
「ほら、あのうちの神様の信心UPのこと、、本にするのが一番だろう?」
「そーねー、ミケの効果凄いものね」
「だから、うまい物語ができりゃー、、、、でもなー、、ネタが”ひと”だろう?受けがなぁ、、」
「ああ、、、、厳しいわね、現実的に。」

そうなのだ、ミケの本は「かわいい」のだ。挿絵がイマイチだろうと、話しでのねこ神様はネコなのだ。
コンんしても狐だ。モフだ。キライな者はいないどころか、大半はモフりたいだろう。
しかし、うちの神様は「ひと」。フツーに持ってったんじゃ「ふーん」で終わらされてしまう。何か「祈りたくなる何か?」そそられるネタ、がなければいけないのだ、10人が10人気にするほどの、なにか、を。



会議
「では、第一回、うちの神様激アゲ大作戦会議を始めます」 司会小田。上司の件なので。
書記は俺、黒板脇に立つ。
黒板にはもう1項目書かれている。

1) 本。物語。=ねこ神関連で?

「はい沖田さん」
「やっぱ猫神からみじゃないと厳しいので、猫神関連は必須ではないでしょうか」
小田、皆を見回す。皆、うんうん、と。
「はい、では猫神関連の内容とします、

1) 本。物語。=ねこ神関連。

それから皆だまりこくっちゃったので、
「神様の呼び名、何の神様なのか?どういった立ち位置なのか?何を見守っているのか?などなど詰めなきゃだめなんじゃないの?」 俺

小田がごめん、と拝んできて俺のチョークを奪う。仕方がないから交替。
・ 呼称
・ 立ち位置/立場
・ 見守る対象(何の神様?)
・ 
と書く。

「上からとか関係なく、思いつくこと言ってって。神田くーん!」
「え?俺?、、、そうだな、対象は万物とか言ってたようだが、人間亜人とか他生き物全体、という感じで”ひと”主体にして生き物全部、とし、人がミケよりも祈りやすいようにするのがいいんじゃないか?」
「流石だなー、
・ 見守る対象(何の神様?)=人間・亜人、他生き物全体。「ひと」を全面に押し出し、ひとが祈りたいとおもうように。、かな」
「他、なんかある神田?」
首を振る。
「んじゃ、沖っちいってみよー!」
「うーー、、、テラ様、スター様、ゴッド様、うちの神様、、」
「うちのかみさま、、、内神、、、、」何か引っかかる俺


「・・・・・猫神さま達が、まだ精霊におなりになっていない頃のお話。
狐のコンも、一人っきりでねこ神様のために頑張っていた頃、、
ひとの中にも、ねこ神様のために孤軍奮闘している者がおりました。
ひとの時分での名前はお蝶。当時の人達は争いが好きでした。ですが、ねこ神様達は人が争うのを見ると悲しみます。なので、お蝶は争いをみつけると、話し合いに持ち込もうとがんばります。でも、力が強いものほど話し合いというものをバカにして聞きません。いつもお蝶は殴られていました。
歳を老いても、昔と変わらずに争いに介入し、殴られ傷つくお蝶に心を痛めたねこ神様は、
「おまえはよくやった。よく頑張った。そろそろワシのところに来て、仲間になってくれ」
と願いました。
実は、昔一度、ねこ神様はお蝶に天界に昇らぬか?とさそっていたのでした。でもその時お蝶は「そしたら地上で争いを止める者がいなくなる」と、断っていたのです。
お蝶は、その2度めのねこ神様のお願いをとても喜び、感謝し、ねこ神様に同行することにしました。そして長い修行の末、神になりました。
その神が、今、私達のこのセカイを見守るうちかみ様です。内神様はこのセカイのどこにでもいます。勿論私達の心に中にもいます。なので、祈るのはいつでも、どこでもいいのです。
あなたの心の中の内神様に感謝の祈りを捧げればいいのです。
今の、争いの無い平和なセカイは、うち神様のおかげなのですから。
ある地域では別名パピヨン神とも呼ばれ、深く信仰されています」

・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぱち、、、、ぱち、、、ぱちぱちぱちぱちぱち!!!


すっげー疲れた、、、
あ、汗がすげー、、、
あれ?
いつの間にかへたり込んでいた。
神田と山田に担がれ、ソファーに寝かされた。
あー、額の冷たいタオルが気持ちいい・・・・



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