第51話 蝶塚

文字数 3,206文字


『ようやった』
あ、また夢かー、、
『お前が倒れたからなー』
何で倒れたんだろう、、?
『・・・・・霊力の使いすぎだろう』
霊力?
『命有るものすべてが生きるために持っている、、、エネルギー?パワー?そんなもんだ。魔力とか気力とかとは別もんだ』
いろいろなもん持ってんですねぇ、、

・・・・

『・・聞かないのか?』
へ?
『・・・、、まぁ、、お前はいつもそうだなぁ、、
以前も当然それはなんですか?と深く聞かれるだろうと思ってたのに、お前はそのまま納得?というか、ふーんと流して終わりだった。好奇心無いのか?』
ありますよ? でも、なんとなく「聞かなくってもいっかな♪」って思うことは聞かないことにしているんで、、
『・・・・・ひねくれなのか、警戒心強いのか、、防衛反応なのか、、』
ほほう、防衛する必要が有ることを、、、w
『・・・まぁ、ぎりぎりまで知らないでおいたほうがいい、ちゅー事も多いからなぁ、、』
一般論にしてごまかす、とか言わないですw別に聞きたくないし、、

『そうそう、物語を作ってくれたな。ありがとなー。』
はは、あんなんでよかったっすかねー?
『ん、、まぁ、いんじゃね?  大体あってるし、、、』
は?
だって、以前、俺らと同じような時代にいたと、、
『んー、あれはだなぁ、、実際は”下界に降りていた”んだ。ちょっとした見物みたいなもんだ』
あやしいものを見る目の俺。

『ったく、神だったたまにはおもしろいことしたいんだよ!いいだろそんくらいっ!!見えないんだし!』
まぁ、、
んじゃ、実際人間だったときって野蛮な時代の野蛮な国で、、
『そういうことだ。だから今のお前らの居る世界はそういうの基本無いだろう?そうしたんだよ、私がそういうの嫌いだからな』
お!良い神じゃん!!
『やっとわかったか、』
・・・・
塚、作ってもいいっすか?
『神様を祀るのは塚じゃないぞ?』
いや、、お蝶の塚。世界も時代も違うだろうけど、、この世界を作ってくれた神様の元なんで、、、いいかなー?とか、、
・・・・・・・・・・・
『・・・・・・・・・・ズビッ、ズビッ、、おまえなあ、、いいやつだなあ、、』ズビッ
ハンカチもちり紙も無いっす、ごめん、、
『いや、自分で消すから、、、、』





おはやう

朝食後
「塚、作るぞー」
「「「「え?」」」」
「いきなり言われても、、」小田
「塚?首塚?」山田
山田の知ってる単語ってやばいのばかり?

「お蝶の塚だ。この国を見守る神様の元になった人間の塚。
あと、あの話に追加で
”自分が居た世界は暴力に支配された世界なので、神になった自分はそういう世界を作りたくなかった。だから今のような暴力による支配を嫌う世界を作った”と、入れておいて。」
「うちの神様が?」
「おう」
「いいね、その話。私達他の世界から来た者達には説得力強いわね」沖田
「うん、特に千葉家の国なんか外来一世が多いもんな」神田

「なんか、神山くんってー、、ミケに好かれたりあの神様に好かれたり、、人外に好かれるよね?」小田性格激変??これが本性??

シクシクシクシクシクシクシクシクシクシクシクシクシクシクシクシクシクシクシクシク

「どこに作るの?」
・・・・
「どこにしょう?」
「マルネラにあったら、外国からも人が多く入ってくるんじゃね?」
「それは良いことなのか、良くないことなのか、、、」
「めんどくさいから千葉家の守備範囲にっ!」
山田、たまには良い判断w

「んじゃ、千葉家との折衝は山田と沖田と小田、よろしくお願いいたします♪」

しかたがないかー、とう顔女子2名。山田がいると変なところでおかしなミサイルぶっこんでくるんで、、、

で、結論から言うと、、ほんの数日で塚はできてしまいました。なぜか?
話を聞き終わった周子母は直後に、どんな塚がいいのか坊主に聞きに行った。坊主は話を聞いて「数日待て」と。坊主はその足で将軍(日のいずる国国王)に会った。
ネコラー将軍が大々的に祀る猫神の関連、言わないでおくわけにはいかないのだ。
将軍は「んじゃ、王宮の正門の側に作れ。一般人も参りやすいようにな」と即日工事開始となった。と後日周子から聞いた。

結局、俺ら、何もしないでいい、、?、、違うな、、俺らが置き去りされてしまった、、、だなー
何この全自動?
周子母からの返事を待っているうちに「できた」と知らせが来たのだ。



知らせの数日後、俺はミケに連れられて見に行った。まだ一人で転移できないからなー。

?なにこのひとやまのくろびかり? いやいや、、黒山のひとだかり、、

「納得だよなぁ?こんだけ戦闘狂が多いのに、戦争が殆ど無い世界なんか」
「凶暴な奴は速攻その場で処刑とかもあるもんなぁ、、」
「元いた世界とベースが全く違ったんだなぁ、、」
「荒っぽいのは多いが凶悪な奴や悪事奸智に長けた奴が上から下まであまりいないもん、いごこち最高だが不思議だったんだよねー」



ほとんど外来?こんなに?
「はっはっはっ!何を驚いている?このくらい毎日だぞ?塚ができてからな」
はっ!その声に振り向くと、周子夫妻
「うちも宮本家も、もともと外来だ。この国にもともと外来じゃないってのは、、まだ聞いたこと無いなぁ、、なので、この参拝者の数は当然なのだよ!」
周子の言葉にうんうん頷く武

「そうか、、、この世界は、、もともと亜人達の世界だったんだろうな、、
お蝶は、、温厚でひとのいい亜人達の良い世界作り、その生活・社会を見ていて、、、、羨ましく?
人間たちもこのような世界を作って欲しいと送り込んでみた、、、
で、マルネラで亜人と人間の共同で国ができ、、、」

「よく知っているな?こっちの世界の神話というか、成り立ちの話しだぞそれ」

「・・・こっちの世界の神話は聞いたことがないけど、、今それがわかったんだよ」

「ふむ、、なかなか聡明なのだな?」
「あはは、そういうことにしておいてくれw」「で、なんで?もしかして王様が?」

「おう、小田達が話をもってきた時そのまま母が坊主に会いに行き、その坊主がすぐに将軍に進言、その場であの場所に決まり、当日から工事が始まった。
将軍は、工事開始翌日には辻辻に触れ書きを建てた。この塚の由来について。」

・・・・っすっげーな、、将軍様、、、

「・・この国、、ラッキーだな、、今迄代々そんな将軍?」
「んー、まぁ、中にはちゃらんぽらんも居たが、まぁ大体こんな感じかな?」
「神の影響かねぇ、、」
「あの話を聞いた後だ、だろうとしか思えん」

ちゃらんぽらんでいーかげんだと思ったあのうちの神様、、他の神たちなんぞより万倍もしっかりやってるんじゃねーか!

お?どっかでものすごくはずかしがって、なんかかきむしっている気配がする?w

「なんにせよ、良かったよ、塚が作れ、こんなに多くの人々にお参りされるなんて、、思っても見なかった。ほんとうにありがとう、千葉家に世話になりっぱなしだなー」
「いやいや、お互い様だろう?うちだって・・
「あ、ありゃこの神も絡んでいるからw」
「・・・そうなのか?!」
「あの神が山田をおもちゃに使ごほん!山田を使徒に使ってるんだよ」
・・・・

いつの間にか消えて参拝してたらしく、武が戻ってきた。
武と周子に、俺ら3バカがサンプルで作った蝶のキーホルダーを渡した。キーホルダーというものが無い世界だったが、今後お守りとかそういったものでキーホルダーが流行るかもな。

「内神のシンボルの蝶。良いことがあった時、幸せを感じた時、そういった時にお蝶に感謝するときに使うと良い。人々の感謝の念が多ければ多いほど、神は力を付けられ、この世界を守ることに尽力できるから。」

2人は礼を言い、ガラス細工のような透明な金属にステンドグラスのようにいろいろな色を塗られたアゲハチョウの小さな蝶を見つめた。
神田以外にこれを作れるのは、ダゲーだけかもしれない。





あ、、千葉家に有る微魔神の祠、、これから賑わうんだろうなぁ、、
ああ、でもあの祠のは「美魔神様」だからなぁ、、知るものは千葉家くらいか、、
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