第59話 日常のひとコマづつ

文字数 4,641文字


元の世界では無かった趣味、沖田には漫画を書く趣味ができていた。
切欠は猫神本の挿絵だ。挿絵を書いているときに絵本にしてみたいなーとか思ったのがはじまり。
で、
沖田自身は覚えていないが、夢の中で内神からなぜか麻雀について散々質問された。沖田もまーじゃんをそれほど知らないが、いろいろ考えながら答えていた。それが原因なのか、目覚めてから沖田は麻雀漫画を書こうと、始めた。
が、神山の一言でこのセカイに麻雀は無いんじゃないか?となり、その漫画が全く理解されないと判明。

なので、一周し、沖田は猫神、稲荷、内神の漫画を書き始めた。

32Pで一話終わった。一応手刷りの場合も考えてのページ構成にしているのは流石だ。ネコ神本のように他国でも刷って貰えると踏んだのだろう。
暇を作っては色まで塗っていた、全ページに。
で、それも終わり、やることはなくなり、、つまり完全な完成品になってしまった。

沖田は自分でもうコピーができるようになった。内神から与えられた剣(兼魔法使いの杖)のおかげだ。
沖田はその漫画を毎晩こつこつとコピーし何日もかかって1万部を作り上げた。

他の仲間にばれないように、ストレージに入れて隠し、ミケに出版社で取り出させた。
「王都でバイヤーに売らせて!」と。
ミケ達3匹は神以上なせいなのか、他者のストレージの出し入れができる。なぜだか沖田はそれを知っていた。





半年ほど後、王都の人々の一部で「恐怖症」が流行り始めているという話が神山達の住む街ニャダにも届いた。

(どうやら、沖田のマンガ本が原因らしい)
ミケが神山に報告
(は?そんなことしていたの?いつの間に?つーか、見せてよ!)
二人して神山の部屋に瞬間移動、

「ほれ、これだ」
・・・・・・・ほうほう、、、これは、、ホラー?ホラー漫画書いたの?沖田が?
「いや、、本人は猫神と稲荷と内神のことだと言っていたが、、ネコには漫画はわからんし、、」
・・・・確かに、文字だけ拾って読むと、、、それっぽいけど、、、字、すくねぇし、、、
「でもこれ、絵面は完全にホラーだよ?」
「そうなのか?ネコだから分からんけど」
「夜中にさ、トイレとかに起きた時、灯りの中にこの本が広げてあったら、、確実に漏らすよ?」
ほうほう、、かなりのインパクトw
「いや、君らの絵のつもりなんだよね?沖田としては」
・・・・・・

「かと言って、沖田に絵を描くの禁止とか言えないよなぁ、、かわいそくって、、、」
「うむ、、、やめてもらいたいけど、、少なくとも我らを描くのは辞めてもらいたいけど、、」
「・・・・絵、うまくなるスキルとか、ないの?」
「聞いたことないなぁ、、、

内神様ー!!
『おう!なんじゃ?』
「絵がうまくなるスキルとかないっすか?」
『ないこともないが、アレか?沖田の本か?』
知ってたんすか?
『まあー、どうってこともないだろうと思ってなー、しかしこれほど”効果”があるとは、、、』
「あ、んじゃ、逆の、見て安心するような付与できないっすか?」
『出来んこともないぞ?1万部ほどだろ?』
「大変申し訳ないっすけど、、お願いできないでしょうか?」
『いいよ、やっとく』
ありがとうございまっす!!!いつもすいません!!

「ミケー、今後、沖田が漫画とか絵本とか持ってきたら、先に付与してから売ってな?」
「わかったにゃ!」


後日、件の本を山田が手に入れてきた。よけいなことを、、
真っ赤になる沖田。
にたにたしながら皆読んでいる。

「でも、怖くないね?」山田
「しっつれいねっつ!!神様の漫画よ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(おい、神山、これ、なんか付与されているな?)
流石神田である
(内神様にな、ちょっとお願いした)
(・・・・おまえ、すーぱーおかん、だなぁ、、)
・・・・・

   ーーーーー


ある日の夕方

「「ただいまー!!」」沖田、小田

「あれ?どっかいってたのか?」俺
「うん、朝からちょっとダンジョンに」
「え”っ!!」
「大丈夫よ、山梨さん達といっしょだったから」
「で、ダンジョンぶっつぶしてきたわ!!」沖田
「いいのかよ?」
「うん、危険なダンジョンだったからできれば完全破壊してほしいって依頼だから」小田

「上層は山梨さん達にお願いしたけど、中層以降は私達2人の独壇場!!がんがんぶっ放してがんがん討伐してきたわ!!ふん!!」沖田
完全にキャラ変わったなー

「たぶん、一匹も残さずに完全に討伐したと思うけど、、」小田
小田も同じになってる、、

「たまにこんな感じで発散させなきゃねー!」
「ねー!!」

6人で? 潰さねばならないほどの凶悪なダンジョンを潰してきたの? 6人で?
・・・・・・・・・

(神様、いんすか?)
『何が?』
・・・・・

    ーーーーー

「「ただいまー」」周子夫妻である。
『「「おかえりー」」』
小田と沖田はキッチン、神田は地下にこもっている。居間に居るのは3人だ。

周子夫妻はやることがないとギルドに行って冒険者たちに指導している。
世界トップクラスと呼んで良い冒険者による指導など受ける機会などありえないので、皆こぞって受けようとする。
終了後はみな骨折くらい当たり前な状況なのだが、それでも希望者は減らないどころかじゃんじゃん増えてる。

「俺はおまえらみたいに骨折なんぞしないぜ!!」と息巻く初めての者達がどんどんチャレンジし、経験者も「こんどこそはっ!!」と更に息巻く。
治癒魔法で完全治癒させてくれるので、全く問題ない!と思うのがこの街の冒険者たち。「怪我して痛い?生きている証拠だろ?」が奴らの言い分である。
「あほだ、、アホの集団、、」としか思えなかった神山。

実際、神の剣技を受け切る2人の技をがんがん受ければ、上位の魔獣の動きくらいどってことないと思うようになるらしい。

二人目を身籠っていても周子はミケ達の範囲内なので無理もできるのだが、でも武が気遣って、指導は主に武がしているのが幸い。
周子がメインになると治療魔法に小田が必要になるくらいなので。

ギルマスが設定した登録時の研修の義務による登録者が他の街のギルドに流れるなとどなくなり、逆に増え始めている。
しまいには「周子夫妻の研修を何度受けた」とかいう回数が自慢になっているという、、、。
周子や武の剣を一度でも受け止めた者は「英雄の入り口に立った者」とか呼ばれるようになったとかならないとか、、

ギルドに行った時に得意げにそう話すギルマス。
(なんなんだかなぁ、、、)としか思わなかった。

午前の部、午後の部を終え、2人は夕方帰ってくるのだ。

(いつ、冒険者活動しているんだろう?)と不思議になったが、たまーに2−3日「行ってくる」というときがあったので、納得。小物依頼はサブパーティーが受けているとのこと。「だから僕らはたまにでいいんだ」と武。


   ーーーーー


日のいずる国の南にある国、ランジェロ聖国。
小国だが、ここも今迄宗教で自国のみならず周囲の国々を抑制してきた。
しかし大衆や反ランジェロ領主達や国政にまで干渉してくるランジェロに反発する大半の王家の者達が、ねこ神様やおいなりさんやうち神様達を信仰し始めたので、大いに危機感を持った。
しかし抑圧はソレ以上の反発を産むということくらいを考える脳は持っていた様子。

しかし、ランジェロの道具として使かっているNO神の下にネコ神を付けるという設定では自国も滅ぼされるだろう。前例が有ると調査しているくらい脳を持っていた。
なので、
「背に腹は変えられない、NO神をネコ神の下につけよう、、」
「同等でもいいのでは?」肥大した自我を持つ阿呆モブ司教の一人が言い、何人もが同意した。
「滅ぼされたら?滅ぼされないという保証など無い」
・・・・・・
「まぁ、、ネコ神を信仰する国に入り込める契機になるんだ、これもかなり利用できるんだぞ?」
おお!と皆納得。
「更に儲けられますね!!」
「これこれ、卑しい物言いをするなよ?お布施は儲けではないのだ、脅迫やら使かったとしてもな」
わっはっはっは! 全員の笑い声が響き渡る
と、
その時、

どっっごーーーーんんんんんーーーーー!!!

同時刻、国内外のNO神宗教施設すべて同様に破壊音が響き渡った。

巨大なクレーター周囲には、ビラがばらまかれていた。
”NO神信仰を禁ずる。ねこ神。NO神という神は存在しないから。”

心からNO神を信仰していた者もいなくはないかもしれないが、もしいたとしても「存在しない」と否定され確定されてしまえば、どうしようもない。



ミケ「本気で信仰していた者?居なかったぞ?一人も。神殿本堂の者達でさえなー」。

似非神を作り上げてた似非宗教はこのように徐々に駆逐されているようだ。

以降、ランジェロ国は、国名の上にネコを冠し、ネコランジェロ国に変更した。関係者がミケの名前を知っていたらよかったのに。

   ーーーーー


『お!』
ひゅん
消える神様

ひゅん
戻る神様

「どーしたんすか?」
『いやな、いーい玉がいたんだよ、うっひっひっ♪』
・・・・
『変な目で見るな。いやな、アレだ、そのー、、いーいぐいあの転生要員が居てな?様子見に行って、よさそうだからマーカー付けてきただけだ。』
は?
『ほら、以前言ったろう?下界にたまに遊びに行っているって。だから面白そうなのがいたんで見てきた。』
俺らの元いたセカイっすか?
『んー、違うかな?同じかな?どーなんだろ?』
(同じにゃ。) ミケ参加

『だそうだ。流石ネコ神様!。おもしろいっても勿論山田みたいな危険分子じゃないぞ?おまえに近い、、つーのも違うなレベル全然違うから、、、似ている?運命見てもそう長くないんで勿体無いからなー。』
勿体無いとか、、まぁ、、そうっちゃーそうだけど、、、
『だろう?折角の良い資質をそのまま生まれ変わりにしたら下手すりゃ資質なくなる。だからマーカー。いざという時にあの場所に連れて行くのだよ。』
どーゆー人なんですか?

『一人目はまだ若い女性だ。苦労人?で、ブラック企業しか無いセカイの一般人なので当然死にかけている。』
助けてやらないんですか?
『なぜ?あのセカイで助けても同じことの繰り返しだろう?あのセカイの神が、あーゆーいやらしい真綿で首をしめていく毎日しかないセカイを作っているんだが?。』
ああ、そうなのか、、、そういう世界に、、、

んじゃこっちに来たら?
『ああ、ここはお前らが居るから、丁度裏側のほどほど良い国のココレベルの良い街に行って貰えればいいなーと切望しているのだが、、』とミケを見る内神
・・・・
(わーかったからっ!あいつだろ?メガネかけた20後半の天然キャラの。わかったから、お前の言う街はタマツクローだろ?そん時になったらタマツクローに転生させてやるから!生きていくチャンスもちゃんと設定してやるから!!)
ほう、、そこまでできるんだ、、
(・・・・・お前らの時は別に必要なと思ったにゃ。実際そうだったろう?)
んーー”にゃ”が気になるけど、いいかーwおかげでこうして良いみんなと一緒にいられるんだからなー
(『そーだそーだ』)

「で、内神様、そういったことって俺らの後でも結構やってるんですか?」
『いーや、いい玉が見つかったときだけだ。もうコレだけ増えてれば、いい加減な者を増やしても仕方ないからな』
ああ、あのクラスメイトはおまけなだけだった、と、、
(『そういうわけ(にゃ)』)

「「ごはんよー!!」」

「「「「「はーい!」」」」」
「にゃーん!」






こんな感じで、俺達の毎日は過ぎていく。

これも、ある種の、スローライフ            たぶん?
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