第65話 勇者

文字数 2,227文字


銭湯はニャダと同じ感じでもっと広い。客が多いということかな。
湯は、温泉ではないな。おしい、、このくらい涼しい気候なら温泉が気持ちいいよね

でもやっぱり3国だけあって、、、
3つあるうちの真ん中が水風呂だった。
最初に手を入れて確認していたら番台のじじぃがチッと舌打ちしていたww
で、一つが凄く熱いが、、まぁ我慢できないことはないかな?誰も入っていないし入る素振りをする者さえいない。
もう一つは丁度良さげだが、、入ると、、今ひとつふたつみっつ温い!
頭まで洗ったあとで極熱の湯に浸かるとまた汗ダラダラで頭洗わんとだけど、、ここは勝負だな!!

「山田、おれはあれにチャレンジだ。行くか?」
「ううん」即拒否、、まぁ山田だ。

そーっ、・・・・うし、、、首まで浸かった!!
他の客は目を丸くしている。ざまぁwww
番台のおやじも目を丸くし凝固していたが、、番台を降りてきた、やべ、湯をかきまわ
「あち、あちちち!なにやってんだ山田っつ!!!!」
よもや仲間である山田がかき回すなど誰も思っていなかったろう、全員何が起きたのか理解不能!!
それでも俺はじっと我慢!などしない、、実はこの程度なら入って1−2分もすればかなり慣れる。
泳ぐことも可能だ。
で、泳いだ。せまいけどw,
潜った。深さないけどw

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!
浴槽から出たら、客全員から大拍手!!!
番台のおやじは苦虫を口いっぱいほうばった顔
ざまぁ!!

で、水風呂に入って冷ました。

「完全制覇っ!!!」
わー!!パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!


宿に戻って食堂でエールを飲んでいたら、
「あ、銭湯の勇者だ!ココに泊まっていたんですね!」って握手求められた、、、

うーむ、、、なんか、、ここ、3国の住人に認められる?って、、複雑だよな、、
そう、、七不思議に入れられたときのような、、、

「お客さん、戦闘の勇者なんですか?」
「いえ、銭湯の勇者とか言われ始めてます」
「すごいですね戦闘の勇者!強いんですね!!」
「いやだから銭湯だってばよ!別にゆーしゃじゃねーし、、一般人だし人だし、、」
「ご謙遜を!我が宿に勇者様が!!」
「聞けよ!!」
聞かずに去っていく、、、あいつ、、確信犯だな?

山田がサムズアップしている「ぐっ!!」


寝る前に
「バリア、部屋内、遮音で」
朝までぐっすり


「おはよー」
食堂の席に着くと、目の下に隈つくった給仕の子が来た
「おはよーございます。よく眠れましたか?」
「「ぐっすりっ!!」」 二人してサムズアップで満面の笑顔!
「はあ、そーですか、よかったですねー、、、」二人分の皿を置いていった。
ベーコン目玉焼きほうれん草みたいなのの炒めたの?野菜スープ、ふかした、、じゃがいも?
いもが米やパンの代わりだな。
普通にうまかった。
ゴブリンシチューさえなければ、さほど危険ではないな、この宿。
つか、そういう評価させちゃうこの国のやつらって、、、

食後のコーヒーを持ってきた給仕の子が
「祠にいかないのですか?」
「いきません」 どーせくっだらないこと仕掛けるんだろう?街の者達総出とかで、、
「え?祠ってしっていますか?」
「知っていますので行きません」
・・・・「えっと、、あの、、」

「おい、、あのな、、お前たちは甘いんだよ、、舐めすぎているんだよ、”面白い”ってのを」
「・・・」
「死ぬ思いで成し遂げてこそ、最高に面白くできるんだよ、お前ら、何日も寝ずに頑張って体重を半分にへらしてまで頑張って、血の汗流して頑張ってはめたことあるのか?
お前らのやり方は稚拙でつまらないんだよ、、その祠のしかけも即席で作っただけだけだろ?」うそとでまかせと張ったりだけだけどw
給仕はがっくし、と床に膝と手をついた、、
いつの間にか厨房から出てきていたここのおやじも同様に、、

「クッ、、そうか、、だからあの無敵銭湯でさえも、、、まさに勇者だな、、」
いやアレは単に俺が熱い湯すき者なだけで、、、

「だが、俺達全員が負けたわけではない、この街が陥ちただけだ、、王都に行けば、まだまだお前の脅威は多数いるんだ、、」どこの悪役?
「え?行かないよ?いくわけないじゃん?」
「「へ?」」
「俺らこれからヒガシに向かうんだから」
「あ、あの山に入るというのか?」
「あ?ああ?」
「・・・E以外の者はことごとく打ち破られたというあの山に、、、、」
よくわからんが、こいつらの言うことだから、、まぁ山田より楽だろう、と思っとけばいいかな?


で、馬車は出ていないという。
山の裾野を回る国境を超えられる道があり、馬かロバか歩きしかないと。
まぁロバが行けるんだから厳しい道でもないだろう。

野宿に必要なものを買い揃えてストレージにいれる。便利だよなー、神様ありがと!!

で、弁当を2つづつ買って出発する。山道の入り口まで宿のおっちゃんの荷馬車で送ってもらった。

日本の観光地の山道って感じで、幅がそこそこあり、踏み固められている。人通りも少なくないはずなのだが、

結局6時間くらい歩いても誰にも会わなかった。

道の端で野営。
と言っても弁当食って、
毛布にくるまりバリア張って寝る。


夜が明けた、また歩くだけだ。
てくてくてくてくてくてくてくてくてけてくてくてくてくてくてくてくてくてけてくてくてくてくてくてくてくてくてけてけ

がさがさがさっ!!
左の藪!
「そこのガサツなやつ!何奴だっ!!」俺は剣を構えて叫んだ!

山田は両端に石を結んだ紐を構えていた! いつから持ってたんだ?その改良版。
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