第25話 ダゲー嫁軍団

文字数 3,729文字


「え?千葉の娘が結婚した?」
業界騒然である、というか、日の出(いず)る国の成人の半数くらいが驚いた。
老人になるまで結婚しないじゃね?あの二人。とか皆が思っていたのだから。

「やっとくっついたかー、見ていてグーで思いっきり殴りたくなるくらいだったからなぁあの二人は」
そんな感じ。

で、その言葉を発したダゲー。
「おし、うちからもなんかお祝いしなくちゃな!おーい!!全員集合!!」
「「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」
嫁達が集合した。20代なかばからおばぁちゃんまで10人。
ダゲーは長生きなので、昔結婚した妻が先に年取っちゃってるのである。嫁軍団長老?

「なにか良さげな祝の品、あるかな?」嫁達に聞く
嫁達円陣を造り作戦会議、ヒソヒソヒソヒソ・・・
別にヒソヒソしなくていーんだが、癖になっているのか?

「ぱんぱかぱーん!発表します!!」次期長老とおぼしき熟年の美くしめなおばんが。
「結婚式と言えば、絵皿です!!」
「あー?えざらぁ?あれか?もらって最も嬉しくねぇ、あの新郎新婦の写真が入っている、、、しかも離婚とかしやがったら、叩きつけて鬱憤晴らすしか役目が無ぇ、つー、あれかぁ?」

「そうよ!でも、今回は逆よあなた、ぎ・ゃ・くっ!! 私達、念写できるでしょう?あの二人の姿を皿に写して、宝石を散りばめるの!きれいでしょう?いざという時は売れば助かるわ!」
「おんなっちゅーやつらは、、いつだって現実的だなぁ、、、」
「ー「あたりまえじゃない!!」ー」
・・・
「んにゃ、宝石はまぁいいとして、目玉の石がある」
「???」×10
ちょうっとまってろ、と、移転、即戻る。部屋に行ってきた様子。

「これだ!」
「?なんか、へんてこもないただの宝石に見えるけど、、?」次期
「・・・・・」×10

「うっほん、その へ ん て つ も な い ただの宝石に見えるが、凄いんだぞこれ?家内安全、無病息災、安楽人生、幸福招来、何でもござれだ!」 次期顔真っ赤
「へぇ?、、いいの?そんな大切なものを?」次期補佐
「ん?いくらでも作れるぞ。でも世にはめったに出さないって約束なんだ」 誰とだよ、とは誰も聞きたくない。
「・・・・」、今更ながらに大変な旦那を持ってしまったもんだと再認識10人。


嫁達は自分らで皿のデザイン、制作を行う。そのくらいの能力は付けさせられている、ダゲーに。
「自分の子ども達くらい自分で守れなきゃだめだろう?」と、小国軍壊滅させられるくらいにされている。
密林あまぞんに放り出されても、その場で小さい街を作り出すくらいにまでされている。
ダゲーブートキャンプと喚ばれる新人嫁訓練で。
ちなみに、ダゲーの「外来情報」も、ほとんど嫁たちに複写共有されている。


ちなみに
式、披露宴の後日

結婚式後、久しぶりに千葉宅を訪問した。
「どうなってるかな?」と沖田が興味津々だったからだ。
奇遇にも、ダケーからも、うちらからのと同じ石を、同じく絵皿でもらった、と、、、
2つあるのもあれなんで、1つは宮本家に置きたいとのこと。散りばめられた宝石分価値が高いダゲーのを千葉家に、俺達が贈ったのを宮本でいいですよ、と了承。
・・・・・
で、ダゲーと千葉家の繋がりがあると知ったので、ダケーの話題に。


ダゲー
「あれは危険だったな、いろいろ行ったが、、、あそこが最も危険だったと思う、、、
そうダゲーは回想して言った

「いくつもの世界つまり時空だな、に飛んでは帰りを繰り返し、いろいろ見て回った。
だが結局は、ほとんど一緒だったな、見た目が違うだけだ。数回も行くと面白みもなくなり惰性だけになっていた。それが危険察知を遅らせたのだろうか、、

その時空だけは、入った途端、しまった!と感じた。頭の中にいろいろんな意味不明の言葉が沸き起こる、、脳の働きが鈍くなり、ぼーっとしてくる、その土地の気候は温暖で、昼寝しまくりたくなった。これはやばいのらぁ〜、とか思いながら、まじ、そう思ったのだこの俺の頭がっ!!即座に、と言ってもあんな状態だといつもの数倍時間をかけたろうが、、反転して、どうにか戻ってこられた。頭がもとに戻るまで数日かかった。

以降、俺は時空移転をやめた。」

という話を、子供の頃にダゲーから聞いたことがある。と周子。

「まぬけ時空だな」
「だな、まぬけ時空だ」
「おう、俺も知っている」神田も知っているのか!!
「「「????」」」

やっぱダゲーとは会わないほうがいいなー、一生接触しないで過ごせたら、かなり危険を回避できるであろう、というか、接触したら危険いっぱい巻き込まれるわー
スローなライフを目指すおれらにもっとも対極な御仁である!
で、緊急会議で、一瞬にして「絶対ダゲーに会わない方向で!一生!!」を4対1で決議。
勿論ダゲーに会いたいのは神田のみw



その後いくらかたって、、
千葉周子がダゲーから転移を教えてもらったとのこと。
で、うちに来た。旦那の武を連れて。
武は千葉家に婿入りしている。ちなみに宮本家は武の兄、蔵之介が継ぐことになっている。はいはい、二人いたから分割なんですね。

「子供はまだですか?」

いきなりぶっこむ山田。すばらしい!周子母が聞いたら感涙することだろう。早く孫を見たがっているらしいんで。

「「早く見たい!!」」援護射撃女子チーム。

「それはそれとして、」固まり始めた夫婦を居間に案内し、茶を与えて落ち着かせる。
相変わらずだなぁ、、この2人、、、


「もう転移は結構使ったんすか?」
「おお!それはもう!とても便利だな!先日も討伐に行くのに通常3日はかかるところを瞬時!コレは便利だ!
しかも異次元ポケもダゲーに貰えてな、今もこの腹の部分に付けている!」
勿論半円形の下部分の形
ダゲー、いつの人なんだ?

「ほぼ手ぶらで討伐だぞ?!!獲物の持ち帰りの心配も無いので、狩りたい放題だ!!、だからひとクラス上の獲物まで手が出てしまう!その先日の狩りでは赤ドラゴンがいてな、
「赤ドラゴン?」
「ドラゴンの上位種でかなり厳しいのだ、、うちでも通常最低でも10人揃えていく。が、先日は6人しかいなくてな、でも・・・」
延々と狩話。旦那も慣れたら話し始め、もう二人の独壇場、、、うちらが聞いていまいがまったくお構いなしだ!



「ふう!、というわけだ。ダゲーには感謝してもしきれない!・・」
「狩り以外には使ってないんですか?転移」
「うん?調査にも使っているぞ?先日は・・」
ぢらいだったー、
4人から睨まれる俺



「ふう!というわけだ。ダゲー(以下同)」
「旅行とかすると面白いですよ?」
「え?どう面白いのだ?」
「今まで行ったこと無いとこを見る、食べたこと無いものを食べる、温泉、海、山、湖、島、いくらでもあるでしょう?」
「うーん、どうだ?海魔獣の討伐、
「うん、やってみたいね!計画を練ろうか、
だめだこの夫婦、、、

晩飯歓待し、泊まってもらった。
正面の客間♪、勿論ミケに承諾もらった。


翌朝、なんか二人はよそよそしかった。

朝食後、邸の菜園やらを見せ、町の中を案内し、市場に連れて行った。流石に獣人の多種多様とその多さに驚いていた。
にゃワン人にはやっぱ周子がぷち切れていた。旦那が「どうどう」みたいな感じでなだめていたw

「こう、獣人も含めた多種多様の種族が一緒に街を形成している、って、なんかいいですねー」
武は”わかる口”のようだ♪見込みあるぞ?!何の?

この時、山田は密かに考えていた。厨二国首都でモフカフェを始めることを。
山田の移転も徐々に上達し、そろそろ邸から厨二国首都まで手が届くか?というところまできているのだ。スーパーダゲー流師範神田を除けば、山田が最も「転移だけは」上達が速い。山田は「目的」があると熱中できる子なのだ。


その後ギルドに寄った。
ギルマスは日のいずる国首都の千葉道場を知っていた。周子の父が冒険者をやっていた時代とギルマスのそれが同時代で、厨二とマルネラの間くらいであった大討伐に参加して、双方とも結構目立っていたらしい。酒を一緒に飲んだそうだ。

「周太郎さんも隠居ですか、、時代は変わったんですなぁ、、、」
ほう、千葉周太郎か、、無難だな、神w
「周太郎アメとかやめろよ神、、」山田がぼそっと独り言をつぶやいた、
「あるぞ?」周子が振り向き、
「王都の名物の1つになっている。あまり似ていないが父の顔が棒アメになっている、斬っても斬っても周太郎、つまり切られても負けない、とか縁起がいいらしい。そうだ、次回はみやげに持ってこよう!」
・・・・・
「ありがたく期待しております、、なんか神の呪いがかかっていそう、主に名前にふりかかる、、」
「そういうのは呪いではなく祝と呼ぶのだ、縁起が良いぞ?」

その後、ギルマスが週子と武と手合わせをして、ギルドを後にした。

常春のマルネラには果物が多い。二人は多くの果物を手土産に帰っていった。

「で、何したの、ミケさんは」
「にゃ?気付いていたにょか?」
「勿論でごぜーますとも?」
「、、ちょとにゃー、あいつらなんか見ててイライラするんで、子宝の効果を高めてやってにゃにゃ、繁殖衝動をかなり高めてやったにゃ♪、最初少しだったけど全く効かなくて、いいかげんムカついて一気に、、、にゃつ♪」
周子母の期待に堪えられるであろう。ミケGJ!!
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