第17話 病巣ロマネスク

文字数 946文字

ふははははははは!!
おい、やめろ、るるせオルタ!! いい歳してこんなチャットノベルを書いていることがバレたら町中の笑い者だぞっ!?
大丈夫だ。貴様はすでに町中の笑い者だからな、るるせよ。
ひでぇ……。言いすぎじゃないか。
事実は曲げられんな。いつも笑われているだろう? 買い物にでかけただけで。
いや、ほんと……あれ、なんなんだろうな。何様のつもりなのか、さっぱりわからんのだが。バカなんじゃねーかな、っていつも思う。笑いたいならバラエティ番組でも観て笑ってろっての。こっちはお笑い芸人じゃねーぞって。あと、「ついったー」って言われるんだが、あんまりツイッターもやってねーぞ、僕は。あと、僕を笑うくせに、英雄気取りの奴が多すぎる。そいつら、どーせちやほやされてるんだぜ。アホいよな。要するに、「なにをしたか」ではなくて「誰がしたか」の問題にすり替わってるんだよ。
それは本当のことだが、まあ、待てよ、るるせ。そういうことは『文芸部は眠らせない』や『死神はいつも嘘を吐く』で論じてくれ。NOVEL DAYSで読めるぞ。
いらいらすんぜ、この町はよぉ。(言いながらジャック・ダニエルをラッパ飲みする)
るるせ、おまえはバカか。ダニエルをラッパ飲みしたところでなにも変わらんぞ。まあ、これを聴くんだな。
これ、とはなにかな、オルタ?
もちろん、ミキサー計画なのだから、我のつくりし楽曲だ。タイトルは『病巣ロマネスク』。ボーカルはミクさんだ。
ほんと、最後につくった曲だよな、ボカロで……。『病巣ロマネスク』、聴いてみてくれ。
とてもエモエモなので、よろしくな!!
自分の曲の紹介で「エモい」という言葉を使うことになるとは……。
バイブスを感じてもらえれば……ぐはっ!!(るるせに殴られる)
おっと、手が滑った
貴様……我を誰だと思っている? 汝は我、我は汝だ……ぞ?(くちびるの血を拭う)
この曲は、僕なりの90年代オルタナの総決算なんだよな。
まあ、そうなるな。この曲のあと、るるせは沈黙期に入った。その一年後、NOVEL DAYSという場を得て、小説の執筆に復帰した、のだったか。
そうなるな。その意味で、この曲はレクイエムでもある。鎮魂歌だ。……この『病巣ロマネスク』は、僕自身に対しての、鎮魂歌だ。
物は言い様、だな。
うっせ。
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登場人物紹介

るるせ:ウェブ小説家。宵越しの金は持たない主義。昼寝が好き。

るるせオルタ:るるせのイキってる部分が集まった姿。エナジードリンクが好き。

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