第13話 最高でサイコーな日

文字数 8,472文字

「一本打って!」
最後のバンドに渋澤先輩が出るから最後まで残ってたけど…この声って!そう思いながら私は体育館から逃げ出したくなったものの、横田くんに羽交い絞めにされて無理矢理聞かされることになった。
「お前ー…先輩が俺たちに伝えたいことがあって演奏するんだぞ。逃げずに聞くのが礼儀だろうがー。」
「ただいまより、二本打って!」
やっぱり…この声は…ゆーくん!嫌だ!もうあのゆーくんが返ってこないなんて嫌だよ!
「絶対に聞け…友貴也の覚悟を無駄にするわけにはいかないだろ!」
「嫌のものは嫌!」
「The,PM10:30の、三本打って!」
私との約束は!ピアノで私と一緒に世界を魅了するんでしょ!?その約束を破るっていうなら…私だってあなたを突き放すしかないじゃない!
「文化祭の最後のステージ、最高の思い出にしたい奴は四本打って!」
何が最高の思い出よ!!ふざけないで!!
「The,PM10:30、これより始めさせていただきます。どうぞよろしく!!」
観客の盛り上がりと対照的にただ私一人がこの盛り上がりについていけなかった。

何回見ても浮田さんの表情は暗いままだった。たった一個の幼少期の約束だけでどうしてここまで取り乱すのか…。俺にはよくわからないままだった。まるで、浮田さんはふわふわと夢の中をずっと歩いているままで友貴也は厳しい現実を苦しみながら歩いていく。その埋めきれない溝がどんどん広がっていって亀裂が入ったのだろう。
「浮田さん…。彼をしっかり見よー。」
「嫌だー!横田くん!」
「うるさい…。」
カーテンが開かれて、ボーカルマイクを持った白髪の男。友貴也。そして、さっき話した先輩、渋澤先輩がリードギターに居て、その間にはギターを構えた本気モードの浩人が立っていた。この3人を見ていると…何か胸の奥からこみ上げるものがあった。
「狂ってHey kids!!」
サビに入るとともに観客の皆がステージに向かって一気に突撃し、群がりだした…。軽音楽部でしか絶対に見れない光景が目の前に広がっていて壮大ささえ感じてしまう。
「戻れない場所を探して」
「「「Wow Wow Oh!!」」」
戻れない場所を探して、何か偶然であったとしても友貴也はもう浮田さんとの約束は果たせず、浮田さんのもとへは戻れないと言っているように感じる。
「狂ってHey kids!! くだらないエゴを飛ばして 意味の無い抗争」
いがみ合うことは意味がない。かといって寄り添えるわけでもない、まさにこの歌の歌詞は今の友貴也を表しているような感じがして若干の憂いすら感じられる。
「狂って平気?? 私の名前を吐かないか?」
「Are you ready? I respect the hero!!」
友貴也と浩人の息はピッタリでまるで2人で1人の人を演じているような感じがして渋澤さんが伝えたいことはこういう一心同体さを俺と浮田さんで出来るようになれ。ということか。
「横田くん…なんでだろうな…。私、今のゆーくんがちょっと輝いてるように見えるの…。なんでだろう…。」
すこし考えて隙を見せたらこれだ…。いきなり浮田さんが限界を迎えたオタクみたいに急に泣き出した。
「どうしたー!浮田さーん!」
「ごめんね…今…昔のゆーくんが一瞬見えた気がしたの…。」
「どういうこと?」
「いや…感情をダイナミックに表現するのが…ゆーくんなの。」
なるほど…今の演奏に昔の友貴也を見たということかー…。

「上手いわね…。あの子。助っ人として放って置くのが勿体ない位ね。」
「あら…?珍しいですね。玲華先輩がそこまで言うなんて。」
舞台袖で衣装から部活のTシャツに着替えてローディとして待機していた私と咲桜ちゃんで渋澤くんの注目していた助っ人、友貴也くんについて少し語り合うことにした。
「私よりも曲に寄り添って、曲の伝えたい感情を分かっているわね。」
「そこら辺について私はよくわからないんですが、技術については玲華先輩の方が…。」
確かに技術に関しては私の方が上手いのかもしれない。だけれども…
「いい?技術や経験については後から付いてくるものなのよ。…だからこそ、ボーカルで一番大切なのは、今の友貴也くんみたいな『感情』じゃないかしら…。」
昔から歌をやってきた私にはどれだけ言っても「技術」や「経験」といったことしか評価されてこなかった。だからこそ、ないものねだりなのは分かっていてもああいう感情をストレートに出せる人がうらやましくて仕方がない。そう思っているうちに一曲目が終わった。
「はい!ということで、のど自慢決定戦準優勝の大嶋 友貴也くんが助っ人に来てくれました!拍手!」
高橋くんが友貴也くんの紹介をしていた。やはり、MCトークはしない方向なのね。
「で、時間が若干押しているみたいなのでもうガンガン行きたいと思います!歌える人は歌って盛り上がっていきましょう!『アルペジオ』。」
高橋くん、MCトーク上手くなったわね。
「I’m sorry 上手く笑えないよ」
大野部長が選んだにしてはキレイにハマりすぎているようなほど友貴也くんはしっかり伝えたいことをしっかりと歌い上げている。

「誰のものでもない『私』がいるから 笑われても嫌われても守り抜くよ」
自分でもこれだけしっかりと自分に重ねて歌うことが出来るこの選曲に驚いてばかりだ。この自分の思っていることを偽らずに今の自分と向き合って自分がやれることを精いっぱいやる…この決意が浮田に届けば…きっと!
「偽って笑うぐらいなら 苦虫潰した表情で睨むよ、睨むよ 嘘偽りない『私』で」
ただ過去にすがって生きる生き方も悪くないんだろう。でも、浮田と違って俺が過去にすがると俺を偽ることになってしまう…。ピアノも出来なくなった。トロンボーンをもう一度やるような立場でもない。なら「今の俺」に出来ることはたった一つ。残された最後の楽器で演奏することだから…!

ステージから観客席を見渡せば、アルペジオのサビで大合唱が起きていた。友貴也の歌声がこの体育館に響き渡ってこの場を支配していた。ふと隣に目をやると完全に自分の世界に入って自分の思うままに体を動かす、友貴也と渋澤さんがいた。遠くには横田と浮田さんが二人で落ち着きながらこの曲を聞いてくれている。友貴也の並々ならぬ思いをかけているこの歌声を感じ取ってほしい。そう思いながら俺はギターを弾き続ける。
「誰の真似でもない『あなた』がいるなら 笑われても嫌われても染まらないよ」
私は友貴也、あなたは浮田さん。そう考えればこの歌詞がすっと胸に染み渡って自然とギターを弾く指が動いていった。友貴也ほど浮田さんに対して思いが自分にあるわけじゃなくとも、思いを届けることを支えてあげることなら俺だってできる!
「偽って群れるぐらいなら 気ままに1人でいりゃいいよ、いりゃいいよ 嘘偽らずに」
この曲は友貴也一人でずっと歌い続けるので何か歌うことはないが、無いからこそギターに集中にて自分が弾きたいように弾けているように感じる。

「上手いなー…浩人。」
「上手いね…」
ただただ自分たちとは違う世界の音楽に魅了されている自分たちがいた。
「次の曲は軽音楽部の最後の曲となります…なので、思いっきり暴れてダンスをしていってください!それでは、最後の曲『MONSTER DANCE』」
ベースの人のMCが終わるや否やすぐにギター2本によってダンサブルでノリノリなメロディーが聞こえてきて思わず体が動き出した。
「知らないよ全然そんなの教えてHow to!! 立ち寄ったらついでにほどこしてGive me!!
さっきまでの2曲と全然違う明るい歌声が体育館に響く、この変幻自在さに驚きながらも自然と体が曲に合わせて動いている。
「熱い熱いよ熱すぎる 僕にはちょっと熱すぎる」
Bメロに差し掛かって友貴也が手拍子を叩きながら歌い、それに合わせて観客の人たちも手拍子をし始めた。ふと横を見ると浮田さんも手拍子をしていた。体育館にはそろった手拍子がこだましている。
「今すぐに君に会えるなら 暴れだせ胸騒ぎ」
そこまで歌いきると、友貴也が思いっきりステージ上でジャンプした!
「踊れ踊れさあさあ踊れ!」
「「「「オイオイオイ!」」」」
「騒げ騒げさあさあ騒げ!」
「「「「オイオイオイ!」」」」
目の前に広がる、バンドの繰り広げる圧倒的なグルーヴ感にノリノリで応える観客の皆。そしてここからが圧巻だった。
「「「「Monster Dance!!」」」」
「踊れや騒げや」
「「「「ya ya ya!!」」」」
「朝が来るまで」
「「「「Monster Dance!!」」」」
「激しい胸騒ぎ 最高のSixth SenseでDance Dance Dance!!
友貴也がステージ上で踊る部分を完璧に真似して一糸乱れぬ振付の観客の皆さんに、この畑が全く分からない自分は圧倒されていた。そこから、俺と浮田さんが圧倒されている間にサビがもう1回終わってしまった。そう思った矢先、ベースの人が軽快なホイッスルを吹いた後、友貴也が思いっきり叫んだ!
「さぁさぁ!ただ突っ立っていただけの皆さんも!ジャンジャン回って行きましょう!というか、回れ!!」
その叫びに答えるように観客の皆は観客席のあったの中心にスペースを空けるように円形に練り歩き始めた。その流れに乗りながら
「行こう!浮田さん!」
「え!?ちょっと!?」
俺は無理矢理に浮田さんの手首をつかんでその観客たちの中へ一緒に埋もれていくことにした。

「「「アルバラーバ アルバラーバ」」」
「インダスの源流を探して」
始まった!ダンス部の部長がサークルの中心でブレイクダンスを始めた!回る回る回る回る!すげぇな!流石ダンス部の部長!っていうか、さっきの2番の終わりのPVみたいに人がチアダンスみたいに人の上に立ってたな!まるでこのステージに耀木学園の凄さを詰め込んでるみてぇだ!こりゃあテンションぶち上るなぁ!ギタリストとして全力出させてもらうぜ!行くぞ!友貴也ぁ!
「「「アルバラーバ アルバラーバ」」」
「時を越えてさあ今すぐに」
サークルのステージ側に目をやると、なんと浮田さんと横田が居て、横田と目が合ったので
(頑張れよ!お前ら!)
そう思いながら先輩から後輩へいたずらっぽくウィンクをしてやった。そのあと、浩人や平井、高瀬と目を合わせてリタルダンドを演奏にかけていく。
「今すぐに君に会えるなら」
ここで元のテンポに!よっしぁ!揃ったぁ!!
「「「暴れだせ胸騒ぎ」」」
ここで友貴也、浩人、平井が思いっきりぶちかます!楽しぃ!楽しすぎるだろこのステージ!うわっ!サークルもダンス部の部長めがけてモッシュに移る!頼むからアンコールまでケガさせんなよ!
「踊れ踊れさあさあ踊れ」
友貴也が思いきり歌って
「「「「オイオイオイ!」」」」
オーディエンスがそれに全力で応える!これこそライブの醍醐味よぉ!

「「「「Monster Dance!!」」」」
「激しい胸騒ぎ」
「「「「ya ya ya!!」」」」
「朝が来るまで」
2回も見るとさすがに覚えられたこの振付を右隣りの浮田さんと一緒に踊る。浮田さんの表情は今までにない位明るい笑顔を見せていた。
「「「「Monster Dance!!」」」」
俺と浮田さんで観客の皆さんと一緒に思いっきり叫ぶと
「激しい胸騒ぎ 最高のSixth SenceでDance Dance」
友貴也が何か観客席を見て、にやついた!何か来る!
「Dance!!
観客席まで思いっきりジャンプしてきた!お前それはありかよ!そう思う矢先にもう一回サビに入るときにあった激しい押し合いが始まった!
「「「「Monster Dance!!」」」」
「踊れや騒げや」
「「「「ya ya ya!!」」」」
「朝が来るまで」
もみくちゃになりながらも声を上げる楽しさは、吹奏楽部で演奏しているだけでは決してわからなかった楽しさだろう!この高揚感で自分のついさっきまで考えていたことが頭からどこかへ飛んで行ってしまった。
「「「「Monster Dance!!」」」」
「激しい胸騒ぎ」
歌いながらステージに向かっていき、ステージへジャンプで戻っていった友貴也を見て、自分の中でのテンションが振り切れた!
「最高のSixth Senceで」
ベースの先輩が歌って
「最高のSixth Senceで」
浩人が歌って
「最高のSixth Senceで」
友貴也が思いきり歌う!
「「「Dance Dance Dance!!」」」
三人が思いっきり叫び、そのあと少し短いアウトロが終わると
「ありがとうございましたぁ!またどこかでお会いしましょう!!」
そういうと、幕が下り始め観客の皆さんが
「ありがとー!」
「大野より上手いぞー!」
「最高だったぞー!」
など、最大級の賛辞を彼らに送っていた。そこで俺たちも無意識的に
「「友貴也ー!最高ー!」」
一緒に友貴也に声をかけていて、幕が下りきる前に友貴也が俺に少しウィンクをしたように感じた。まるで、練り歩いているときに目が合った渋澤先輩のようにも見えた。

「一旦、お疲れ様。ほら、タオルよ。」
「いつも悪いな…玲華さん。」
幕が下りきって舞台袖に引き上げた渋澤さんにタオルを渡して、笑顔で迎えた。それに応えるように彼も笑顔だった。
「彼の歌に引っ張られて、あなた、とても楽しそうだったわよ?」
「あぁ…楽しすぎてMONSTER DANCEのラスサビの記憶飛んでるわ…。」
そう言って彼が顔と腕の汗を拭いきったくらいのタイミングで観客席の拍手が揃い始め、手拍子へと変わっていった。アンコールの合図、高瀬さんが手のすべり止めを塗り直し終わったことを確認して、私は逆サイドの舞台袖に向けて手を振り、合図を送った。すると、幕が上がり始め、客席から歓声が上がるのが確認できた。
「さぁ、行ってらっしゃい。最後の曲も楽しみにしているわね?」
「おう、任せろ。お前のギターの師匠として、すげー演奏してくるわ。でも、また記憶が飛んでるだろうから感想を教えてくれ。じゃあ、行ってくる。」
そう言いながら手の汗を拭い、私にタオルを返し、ニコッと笑った後、舞台へと戻っていった。舞台袖からもう一度舞台へ戻っていく彼の姿は、いつもの玲奈のことを考えているときの彼よりもずっと頼もしく見えた。こういうことなのね。あなたが望んでいるのは。少し、分かった気がするわ。

「アンコール有難うございます!またどこかでが早すぎるよ全く!」
友貴也がそう言うと客席はドッと笑っていた。彼ほどのボーカルの隣でギターを弾けることほど幸せなことはない。
「じゃあちょっと真面目な話をします。実は僕、大野部長の代打で、軽音楽部にすら入ってないんですよ。」
「「知ってるぞー!」」
「あぁ、有難うございます。では、客席の皆さんにお聞きしますが、僕は大野部長の影に近づけていましたか?」
そう言いながら、友貴也が客席にマイクを向けた。すると、いつも優しい先輩方が
「やれてたぞー!」
「トリを務めてくれてありがとう!!」
などと言ってくれたのを見て、満足そうな笑顔を見せてマイクを自分の口元へ返した。そして
「今は度の部活にもいない僕にも偉大に思う先輩が居て、その影を追ってきて、その先輩にもまた偉大に思う大先輩が居て、その影を追ってきて。結局、今の自分があるのはいっぱいの『影』のおかげなんです。なので、そのすべての影に感謝を込めて、この歌を歌います!本当の最後1曲です!盛り上がっていきましょう!『シルエット』!!」
お前、いつの間にそんなエモいMC考えてたんだよ。そう思いながら高瀬さんがオープンハイハットで4カウントを出しているのでそれに応えて演奏を始めた。

「いっせーのーせで踏み込むゴーライン 僕らは何も何もまだ知らぬ」
本当に君の声は七色の声で、それでいて感情も入れられる。彼ほどの逸材がこの学園に入っていたなんて…渋澤くんや高橋くんはどうして黙っていたのかしら。今の彼には音楽に対して特別後ろめたい感情があるわけでもないように思うし、それに、あの浮田さんも横田くんもきっと本当は上手いはず。それなのに皆が音楽から離れていこうとしたのはどうしてなのかしら。
「うだってうだってうだってく 煌めく汗がこぼれるのさ」
来た!この曲はサビが来るたびにモッシュが来ると考えてもいい位盛り上がる曲よ。どれくらい楽しさを感じて、どれくらい歌声に影響するかしら!
「覚えてないこともたくさんあっただろう 誰も彼もシルエット」
さっきの激しい衝突がまた始まった!ふぅー!楽しいね!なんで俺この間まで「俺は終わった」なんて言ってたんだろう!全然終わってねーじゃん!むしろ、今から始まるといっても過言じゃない!なんだこの感覚…もっと歌いたい!もっとこの観客の皆さんと盛り上がりたい!
「大事にしてたもの忘れたフリをしたんだよ なにもないよ、笑えるさ」
隣を見れば同学年でこれだけ弾けて一番信頼を置ける浩人が居て、その隣には俺が追いかけ続けていた偉大な先輩、渋澤さん。自分の逆の隣と後ろにはその渋澤さんが「絶対に同学年では1番上手い」と太鼓判を押す平井さんと高瀬さん。そして、ステージには立っていないけどこれだけの実力派を揃えて、全く不和の無いように取りまとめていたカリスマ性のある大野部長。そして、今歌っている俺を送り出してくれた峰先輩。この誰もが欠けていたらこれだけの舞台に立たせていただけなかっただろうし、だからこそこのたくさんの人たちを作り出した「影」に特大の感謝を込めて歌う。そこまで考えていると、2回目のサビが来た。
「覚えてないこともたくさんあっただろう 誰も彼もシルエット」
Bメロでテンポに合わせて上下に揺れながら待機をしていた客席の皆さんがまたサビをきっかけに突撃し始めた!来た来た来た来た!
「恐れてやまぬこと、知らないふりをしたんだよ なにもないよ、笑えるさ」
そこまで歌うと、間奏を演奏している間に浩人と目が合ったので客席を指さしながら口パクで
「ラスサビでいくぞ」
と浩人に伝えた。

「ラスサビでいくぞ」
はっ!?ラスサビでいくぞってどういうことだよ…指の先は観客席…うわぁー、マジか。ニッコニコで友貴也は間奏のときから演奏に合わせてジャンプして、行く気満々じゃん。これは行くしかないな!
「ひらりとひらりと舞ってる 木の葉の様に憂うことなく焦燥なく過ごしていたいよ」
歌に入ってもまだ小刻みにジャンプしてて行く気満々だよ…ギター引っかけないようにダイブにしよう!そうしよう!
「覚えて」
行くぞ友貴也ぁ!そう思いながら俺は思いっきり観客に向けてダイブした!

「ないことも」
友貴也に浩人…!何楽しそうな雰囲気で突っ込んでってるんだよ!俺が見過ごさないわけないだろう!ラスサビに入って俺と友貴也と浩人は三人同時に観客席へとダイブした!
「たくさんあったけど きっとずっと変わらない」
三人がオーディエンスに持ち上げられながら演奏をする。友貴也も浩人も俺も今日最高のパフォーマンスを発揮していて楽しいことこの上ない!俺、もう今日以上に楽しいライブ出来ねぇんじゃねぇかと若干不安になるくらいサイコーにハイな気分だぜ!
「ものがあることを教えてくれたあなたは 消えぬ消えぬシルエット」
気づけばオーディエンスの皆も友貴也に合わせて歌ってくれていて楽しいライブじゃん!なぁ!友貴也ぁ!!

「大事にしたいもの持って大人になるんだ どんな時も離さずに」
下では俺たち三人を胴上げして前の人は残った2人のいるステージへ突撃していた!最高です!渋澤先輩!目をずっと配ってくれてありがとうございます!
「守り続けようそしたらいつの日にか 何もかもを笑えるさ」
誘ってくれてありがとう!浩人!
「ひらりとひらりと舞ってる」
俺たちを何も言わず受け入れてくれた平井先輩、高瀬先輩、ありがとうございます!
「木の葉が飛んでいく」
そして、こうやって盛り上げてくれる観客の皆さんにこれだけ盛り上がるよう手を尽くしてくれた大野部長。ありがとうございます!その思いを胸に俺たち3人はは観客たちからなんとかステージに戻ってきた。
「「Wow wow wow」」
浩人と平井先輩が2人で一緒に歌いながら俺はアウトロで思いっきり動いていた。そして、曲が終わると俺はすぐに
「今日は僕にとって最高の日です!ありがとうございました!!」
嘘偽りのない本心を伝えると、体育館が震えるほどの歓声が観客席から上がっていた。
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