第37話
文字数 1,101文字
「捨て石でいてください」
ニコニコしながら。店員さんが・・・。
「フフフッ」
「今日は何処かへ行くんですか?」
ニコニコは続いていて。・・・怒っている?
「・・・。い、いえ。お店に居ます・・・。フフフッ」
「いいですよっ♪」
「・・・ちょっと看板出してくるよ?」
外に出ると月。扉は開けたまま。
「良い月が見えるよ?アハハハッ」
今日はコンビニに行かないで店舗内に居ようと思います・・・。
「この人が本当のお父さんっ♪」
小さいのを連れた女性客。テーブル席に着くと。小さいのは物凄い勢いで僕を睨みつけてきた。咽そうになるのを堪えて。天井を眺め続け呼吸をした。
「そうだな・・・。確かにお父さんとお母さんは愛し合っていたんだ。此れは本当だ。しかし・・・。すまないと思っているよ・・・」
・・・小さいのの睨みはまだまだ続いている。
「2番目は辛いわぁ~」
この上ない喜びの顔。カクテルを味わいながら。この言葉を繰り返していた。
「ご~。ふぉー。みー。したんですよぉ~?」
「・・・そうでしたか」
「ツライ・・・」
最初から俯き加減の父親。どうやら若い頃を思い出したようで。隣にいる子供が同じ行いと感情をなぞっている事への恥ずかしさと落ち込みが感じられた。
無口な青年が一人で来てくれる。何を気に入って貰えたのか?分からない。
「アルコールは苦手なんです」
俯き加減で伝えてきてくれたんだ。
「そっか。フフフッ」
なんとなく気になる青年。
「サバの塩焼きとハンバーグ下さい」
「ホントに?」
恥ずかしそうに応援してくれている。アルコール呑めないのに。
「ないよっ!」
若い女性は、唐突に。僕は「フフフッ」って。何故その言葉を選んだのか?
「ないよっ!」
最初から笑顔で伝えてくれていて。この言葉に凡その。ありきたりな言葉の返事を嫌った僕は「アハハハッ」若い女性の笑顔は続いていて。凡その。ありきたりな言葉を待ってくれているようで。これは。伝えないと決めた。
「分かってるんですか?サッカー監督に成れてたんですよ?何も無かったら。何してるんですか?中学生が言い出した事なんですけどね?付き合う付き合わへんって問題じゃないんですよ?本人見つけて。めちゃめちゃ言うたりましたけどね?」
「お、おう」
後輩が、噂もダメなんですよ?って。怒られた。いやいや、それ。分かるんだけどさ?どうしようも無くないか?って。腑に落ちないんだけど。分からなくもない。神奈川にいた頃。社会人サッカーをさせて貰ってて。此れも縁あっての事。だったんだけど。京都に帰ってからの実績・貢献って。考えると。無くて。そりゃね?そうなんだよ。
「僕らは本気なんですよっ?本気っ!!」
「うん。そうだね。何だか、ごめんね?」