第24話
文字数 2,360文字
「レモネェードを下さい」
んー?レモネェード。流行っているのかな?知らないけど。
「どうぞ」
見るからにJK。華やかな化粧に服装も普段着じゃない。今どきのお洒落なのを。雰囲気を味わいに来たんだろうな?昼だからいいのか・・・。嬉しそうなJK。夜ノリでいいのかな?となって。
「今日は。お一人ですか?」
「ウフフッ」
それそれー。って笑顔を僕にくれた。あってたんだな。ってなった。
「マスターっ!カウンターに誇りがありますっ!!」
「そうでしょうか?・・・・お綺麗だと思いますがね?気づかないなんて、失礼極まりない。何処を見てたんでしょうね?申し訳ございません」
絶対。「マスターっ!」って言いたいだけだろうな。アハハハッ。ってなる僕に。
「ウフフッ。気を付けてくださいっ!!」
「ありがとうございます」
フフフッってなる僕。一人じゃないよ?ってしてくれている様にも受け取れた。帰っていったJK。何時もの事なのだけれど。お客様がお帰りになった後の喪失感。悲しむわけでも無くて。また来てくれると嬉しいな。実際は、何も失っていなくて。そこには何も無かった事に気付かされる。でも、あったらいいなって。
「お名前は・・・?」
「サクラです。」
「フフッ。・・・お誕生日は?」
「8月8日ですっ!」
「・・・・良くできているね?要望は?」
「接客したくないですっ!!ウフフッ」
何しに面接しに来たのっ?ちょっと掛かり過ぎじゃないか?
「・・・えっと・・・いやいや。分かるんだけどね?いやぁ~。分かるんだけどね?フフフッ」
人の事は言えませんが。葉にピントがあっちゃうんだよね?可笑しなお噺。言えない事。言えるこっちの方が良いな。言えない事。言える。フフフッ。
ニコニコ顔で、言葉を待っている。
「んー。人間臭い。で、良いんじゃないかな?まぁ。あなたも、そうだと思いますがね?」
ルーティング。分かっている人。手元に居て欲しい。だけどねぇ~?
「上手く出来てますかっ!?」
「アハハハッ。親からのものでしょうからね?・・・・具材がそろえば作りたくなるんでしょうけどね?」
あぁ~。これ・・・。あれですよねぇ~?言うけどね・・・。いやいやっ!でもなぁ~?って葛藤がどうしても拭えない。アハハハッ。ってなる。
「・・・ぱねぇーわ。まじ。ぱねぇーわ。ほんと。無理」
「表現がふるっ!!」
「おっ。おう。んー。バイト開始しようと・・・思っているんだ・・・続けようと思うと如何してもね?」
「アホなの?」
「いやいや、如何してもね・・・」
「何処でバイト開始?」
「・・・夜勤のコンビニで」
「アホなの?」
「君の事は好きでも嫌いでもない。でもね・・・出会った人は、ずっと一緒に居たいんだ・・・」
「口説いてんのっ!!キャハハハッ」
「・・・好きにして下さい。・・・フフフッ」
夜勤コンビニのアルバイト情報を調べて応募する。事前に電話を掛けることにした。
「初めまして。小千種と申します。アルバイトの募集みかけまして・・・」
「初めまして○○店の店長です」
「疫病のせいでぇ~。もうね。本当にね?助けて頂きたいんですよ。如何してもね?続けようと思うと助けて頂かないと・・・」
「いやいや、まぁね。分かりますよ?大丈夫ですか?こちらとしてもね?知らない方ではないのでね?経営者に相談してみます」
「ありがとうございますっ!!」
「フフーン。応募。してきたぜぇ~い」
「本当に。アホなの?」
「僕は何時も本気ですっ!!」
「口説いてるのも?ウフフッ」
「君はアホだっ!!」
店員さんと顔を見合わせ
「キャハハハッ」
「あー。てかさぁ~?彼奴のせいで・・・。いや、お陰様で。千本通のジョニー。夜の10時にしか来ないからさぁ~?うちは8時からでも良いんじゃ?ってなってたのにさぁ。
疫病のせいで。空いてないから来ない。って奴なのに。山に籠って、こねぇーからさぁ~?うち自体がやばくなっちゃうじゃんよ?」
「山が大変やからなぁ?きやーらへんのと思うわぁ~?今も籠ったはるかもしれんな?ウフフッ」
「僕も一緒だけどね。言ってもさぁ?」
「一緒ですぅ~♪」
「・・・もぅ、分かったって」
「似たようなもんですぅ~♪ウフフッ」
「コンビニ行ってきます」
いいよっ♪って顔で見送ってくれる店員さん。
「夜8時まで。になります」
たこ焼き屋さんの奥さんは立ち寄ったお客さんに説明してた。あぁ。頑張ってんだな。って。フフフッ。そちらも大変ですね?って会釈をした。
目があった奥さんは「あんたも頑張りなさいよ?」って伝えて貰っている様で。好きだなぁ~たこ焼き屋さんの奥さん。って旦那さんに怒られる。アハハハッ。
「〇月〇日に来てください。」
コンビニ店長さんから連絡がきた。僕は寝起きで。むにゃむにゃで。
「分かりました。ありがとうございます」
「以前、お伝え頂いた内容で採用なんですけどね?」
「説明して貰っていいですか?」
「此処の企業さんの時はね?ありがちなね?元嫁さんの帰りが早い遅い問題でぇ~?此処の企業さんの時に子供がね?できましてぇ~?まぁね。可愛いですからね。
その時に元嫁さんがね?元妻がね?育児ノイローゼみたいになっちゃってぇ~。ほっとくわけにもいけないのでね?引っ越したんですよ。元妻の実家にね?それでね・・・義父親と合わなくて・・・
教育方針の違いって言うんですかね?結果、離婚しちゃいましてね?京都に戻って来て・・・このままじゃいけないな?ってなってたんですけどね・・・」
「説明は以上ですか?」
「はい」
「〇日から研修しますので、宜しくお願い致します」
「はい。宜しくお願い致します」
「夜勤でお願いしたいんですけど?いやいや。昼勤でも助けていただけるのであれば良いので・・・。」
「はい。知ってます」
「あ、ありがとうございます。」
困窮。やべぇーな。補助金、貰っといて難だけど・・・。足りない。