第11話

文字数 1,841文字

「・・・・」
何か、話ししろや顔で腕組をしているマスター。

「フフフッ。いやいやっ」
その姿勢は続いていて、許してくれないらしいことを理解した。

「そうだな・・・。ちょっと待って。んー。お鍋がひっくり返るかもしれないよ?ってのでいい?」
なんだそれ?って。顔を返してくれたので、それで良いんだろうなって。

「・・・。あれは、僕が東京に住んでいた頃の噺なんだけど。月一回の給料日に・・・。あぁ。それは僕がサラリーマンだった頃の御噺なんだけどね?ウフフッ。結婚していた頃だけどね?キャハハッ。

・・・ガールズバーに通っていたんだ。月一回、給料日にね?そこのお客さんはちょっとややこしくて。性別がねあやふやな客層だったんだけどね?オカマさんも居れば、オナベさんも居て・・・。もちろんね?ノーマルの人も居たんだけどね?

何回も通ううちに、性別関係なく仲良くなってて。お客さん同士もね?オカマさんは何でガールズバーに来ているんだろうってなるでしょ?聞いてみたんだけど。

可愛い・綺麗な女性の所作を学びに来ている。って聞いて。あぁ。そういうのもあるんだなって。納得して。オナベの人は、純粋に女性を見に来ている。って。

まぁね。僕とそれは変わりないか。と思って。仲良くなったオナベさんと。あの子が可愛いとか。綺麗だとか。足はあの子が一番いいとかね?

ある時、オナベさん「お前が気に入った。この街に来たらお前は一円も払わなくていい。来たら連絡しろ」ってね?気に入ってくれたんだ。

後日。僕はオカマさんと喧嘩になったんだよ。常連さんのね?彼女?って言えばいいのか?彼って言われるのは本望じゃないんだろうなと思って。彼女はって表現にするけどね?

『私は工事済みだ』って告白されて。こちらとしてはね?『そ、そっか。』しか伝えられなくて。黙っていたんだけどね?そしたら急に怒り出して『こっちが告白しているんだから、あんたもちゃんと応えなさいよっ!!』って怒り出しちゃって。

これは可笑しい。何かが可笑しいと思ったんだ。僕は『男だよ』って伝えると。『そんなわけないでしょっ!!』ってこれの繰り返しになってしまって。お店の人が困ってしまう。そう心配した頃に。

鍋蓋のゴウ君が来てくれてね?『こいつは男だよ』って伝えてくれて。その場は収まったんだけどね?いやぁ~。しかしね?あの街で既に、有名なオナベさんだけあって。

僕もね?キャハハッ。あの時、ばかりはね?キュンとしましたよ?アハハハッ。より仲良くなったゴウ君とはね?まぁ。僕が行きたい所。と言うよりはね?ゴウ君が行きたい所。でしたけどね?

『今日は女子力をあげにいくぞぉ~』ってキャバクラへ。『今日は男をあげにいくぞぉ~』ってホストクラブへ。全額払って貰って悪いなぁってなっててね?伝えたんだけどね?

『要らない』って言うもんだから、しょうがないよね?ってなってったんだけど・・・。ある日、終電間際になって、帰るよって伝えるとね?『焼肉食べに行くぞっ』って聞かないもんだから。

帰りどうしよう?って顔するだけでね?『うち泊まってけばいいから』って。すごいね?って思いながら焼肉食べてゴウ君ちへ。タクシーでね?マンションへ向かうと。

『俺ははこっちで寝るから、お前はそっちで寝といて』まぁーね?そういうのは、しっかりしているんだなー?と思ってね?体は女性だからね?僕は男性だからね?

と思って言われた通りに寝たんですよ・・・。朝起きると・・・。腕枕していて・・・。可愛い顔して・・・。僕の下半身は使った後、みたいになててね?これはヤバい。

てか起きるまでこのポジションじゃん。あぁー。って。なりながら眺め続けていると。ニヒヒって顔に・・・。それは徐々に。嘘寝じゃんよ?ってなって。うわぁ~ヤラレターって思ってたらね?

『奥さんいるのにごめん。ウフフッ』って。ふざけんなよって一瞬なったけど・・・。嘘寝ならいいか・・・。オナベがひっくり返る噺でしたっ!」

「お前の噺。長いねんっ!」
「キャハハッ。あれっ!気になりません?お鍋ひっくり返ってないか?大変な事ですよっ!あれっ!危ないんじゃないですか?」

「キャハハッ。もうちょっと。短く出来ひんのか?」
「動きと余韻つければ、一席分には・・・なるけどね?フフフッ。短くはならないでしょ?キャハハッ」

「整いすぎやっ!」

「す、すいません・・・」
調子に乗り過ぎたのを理解して、出禁になりたくないな・・・。。当分、言う事。聞いてよっ♪ってなった。けど、俯いて反省しようとした。
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