第19話

文字数 1,129文字

晴れた日の夕暮れ。哲学の道。近くの通り沿い。交通事故があった。車と自転車。
「犯人が逃げない様に自分も乗っていいですかっ?押さえときますんでっ!」

警察官は救急隊員に詰め寄り気味に伝えながら、片足は救急車に掛かっていた。
「まぁ.・・・そういう事なら・・・」

「いいんですかっ?いやぁ~。一度、乗ってみたかったんですよぉ~?乗ったことないんでぇ~。ムフフフフッ」
「それをなぁ~?言うーたらなっ?乗せられへんやろっ?」

「・・・すいません。押さえますんで・・・」
「それならっ。いいですっ!」

痛そうだったけど。血は出てない感じで。しかしながら、ぼやけちゃうよね?大変なのにね。日本って平和だなぁ~。


「いらっしゃいませ」
「日本は楽しいね」
海外からの観光客さんは笑顔で伝えてくれた。

「ありがとう。嬉しいよ。カウンター席にどうぞ?」
「あなたは独身?」

観光客さんの羽伸ばそうっての。おおよそ連絡先交換しても連絡来ないパターン。
「私を見てどう思う?」
「お綺麗で、可愛いですよ?」

「ウフフッ。試してみるよ?」
「ありがとうございます。フフフッ」

「私の方が可愛いでしょ?」
小声で言うなって…。アルバイトさん。

「そうそう。」
小声で返した。ため息交じりのが出そうになって。グラスを拭きながらにした。盛大なため息。

「日本語で何を話していたの?」
ほらね?こうなるんだよ?不機嫌そうな顔になっている。不信感に繋がるだよ。ため息ついた僕も悪いんだけど。

「お客さんが可愛いって。フフフッ」
お客さんは上機嫌になってくれた。楽しい雰囲気で過ごしてくれた。アルバイトさんの賄は今日は無しにしてやろう。うんうん。

「外国語話せるんだからさー?何とかなんないの?」
「だってなぁ~?女性客っ!!」

「…そういうことじゃないじゃん?いやいやっ。そういうことじゃないじゃん。頑張りとかさ?面白い話をしてあげよう?とかさ?」
「貴方は。色々と理解すべきですっ!!」

あぁ~。ふわふわしてたいっ~!!

「そういうのはさぁ~。いいんだろうなっていうのはさ?分かるっ!!そう。分かるんだけどね?日頃。そういうんじゃないじゃん?そういうんじゃないじゃん?」
「…。安定感があります」
急に、ちょっと。それは恥ずかしいです。もじもじ所作。

「そういうことでしょ?そういう事。いやぁ~。分かってくっると思ってね?伝えたかいがあるよ。うんうん。嬉しいよっ?」
「ステーキっ!!今日の賄はステーキですっ♪」

「それは、それで。話が違うでしょ?いやいや。今日は賄なしにしようと考えていたけどね?」
「ステーキっ!!今日の賄はステーキですっ!!」
圧がすごいな...。いいんだけどね?ちょうど。タイミングいいのあるから。

「フフフッ。…はい。今日の賄はステーキです」
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