第32話
文字数 805文字
「かっこいい人の写メげっとーっ」
女子高生たちがはしゃいでいる。まぁね。好きだよね?かっこいい人。僕はカッコ良くないからうらやましいよ。うんうん。しかし、スマホカメラが此方を向いている・・・。女子高生の集団が僕に手を振っている。愛想笑いでㇵハハハッ。って。手を振るけどね。僕ではないと。・・・思います。
「イケメンにぃ~貢がせ立ったわぁ~」
そういう報告いらないよね?僕はそう思います。
「いらっしゃいませ」
「タクシー代も出させ立ったわぁ~」
「フフフッ。良かったね。そのイケメンからの好きだよ?度合いも感じ取れてるの?」
「まぁな」
どや顔の女性。嬉しそうで何よりだと思いますけどね。そこから付き合うんだったらね。いいと思うんですけどね・・・。
「そっか。ならいいけど。京大生捕まえたって?」
「んー。将来有望株やからなぁ~。キープしようと思てるんやけどなぁー?」
「そっか」
純朴な。恐らく恋愛経験も少ないだろう幼げな青年を食い物にする。ひどい奴だ。まぁ。ビジュアル的に欲しがられても・・・。しょうがない感はある。
「それでなぁー?デートに誘われたんやんかぁ~?」
「うんうん。・・・ぁ、それ、どっち?」
「イケメンの方。それでなぁ~?絶対、体目当てやんかぁ?そういう奴って」
お前は。お金目当てだろぅ?と。なるよねぇ・・・。
「どうだろうね?騙されないように頑張って」
「せ や ろ?」
まただ。溜めるなって。何故だか、武勇伝を語りに来る。いいんだけどね?ってなりながら、此処じゃなくてもいいんじゃ?感はあるにはある・・・。
「それでなぁ~?私を見てどう思うん?」
「・・・。誰から見て?」
「お前やっ!」
店員さんは助けに来てくれない。なんて奴だ。
「んー。そうだな。エロスを感じるね」
「せやろ?他には?」
店員さーん。ってなりながら。
「話しは聞いてあげようと思います」
「関わりたくないオーラ出すなやっ!!」
「キャハハッ。そろそろお時間なので・・・」