第20話

文字数 1,440文字


「どこ~?座ったらいい?ウフフッ」
女将。何処で信頼を得たんだか?分からないけど。贔屓にして貰えるようになった。
「カウンター席にどうぞっ♪」

笑みを浮かべて、カウンター席の中で、僕の目の前。
「何時も。若い娘さん。来てくれて。嬉しいです。ありがとうございます。お蔭様でしょうけどね?」
「ようぉ~。浮気せんと。ウフフッ」

苦笑いしか出ねぇーわ。いやいや。まじで。
「わんこなんでね?僕はね?今日もお綺麗で。パリコレからの帰りですか?」
「いまいちやな?・・・それ」
すまし顔の女将にビビってしまって。

「すいません。ボキャブラリー少ない者で・・・」
恐る恐る女将を見ると

「ウフフッ。ほんまは、嬉しいんやけどな?」
もっと意地悪したげよっか?みたいな顔・・・ぱねっす。

「笑顔が見られて嬉しいです。フフフッ」
安堵した僕はそう答えた。

「ムフフッ。最近なぁ~?わんちゃん。飼って。あげようかなぁ~?とおもてるんやけどなぁ~?犬種。何が良いと思う?」
「アハハハッ。難しいですねぇ~?」

今日こそ。だぞっ?!意味わかりませーん。の体でいいからっ!何か喋って。いや。ほんとまじっ!喋ってっ!

「好きな男性のタイプはなんですかぁ~?」
アルバイトさん。棒読みでそれっ!変化球を直球でって?!そっちじゃない。そっちじゃないんだよっ!一周廻って、一番駄目な所。それっ!一番駄目な所っ!!

「そうやなぁ~?困った顔しながらぁ~。ちゃんとお店の事。考えてくれる人っ。やろなぁ~?ムフフッ」
僕を見ないで女将。それぇ~?のっかったら駄目な所。分かりながらのは駄目な所。

「まぁ。そういう人。近くに居たら心強い。でしょうけどね?ハハハッ」
女将に伝え終るとアルバイトさんをめちゃ睨んだ。めちゃくちゃ睨んだ。まじでっ!今日は本当に。賄い無しですっ!賄い無しの刑に処すっ!処すっ!

「女将は言っても。20代ですよね?同年代の方がいいんだろーなぁ~?となりますよ?ちゃんと思えばね?そうなりますよ?わんちゃん」

「そういうのが無いん。ンフフフッ」
僕が考えていた逆方向に着地。悪乗りしているじゃないか~?女将~。

「自然に笑顔にしてくれる男性がね?心配しなくても近くに居ますよ?ンフフフッ」
「ウフフッ。そう~かもしれんなぁ~?」
チラチラとアルバイトさんを睨む。

「仲。ええなぁ~?ウフフッ。」
「此方は、敷居が低いのでね?お客様に楽しんで頂ければね?これ程。嬉しい事は無いですよ?ましてやね?女将に笑顔。貰えるとはね?ありがとうございます」
アルバイトさんまじでっ!この後、しばくっ!ほんとうに。しばくっ!この後、本当にしばくからっ!

「今日も美味しかったっ♪ありがとう~?ウフフッ」
「申し訳ございません。至らずで」
丁寧にお辞儀をして見送る。扉が閉まる音を確認。アルバイトさんの方をゆっくり振り向き睨みつける。

「おーいー?僕が。今から伝えたい事。分かるよね?分かるよねぇ~?」
「喜んでたじゃん?アハハハッ。」

「いやいや....女将が...喜んでた...。確かにっ!!」
「賄い無しとか無いですよ?」
何故、分かったんだ?僕の心の声を。

「う、うん・・・。何が良い?」
「ん~。今日はぁ~?好きにしてっ♪」
ちょっと恥ずかしいです所作からのチラ見で笑顔。

「アハハハッ。それで。悦ばないからなっ!?悦ばないからなっ!!」

オーガニックな男性の育て方・・・。僕は如何したらいいんだ?如何したいのか?なのでは?モヤモヤする。結果、僕はオジサンなのだから。気にしなくても良いか。となった。
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