第51話

文字数 992文字


懐かしい公園に向かって歩いていくと。青空ヨガを楽しむ女性二人。何故だか目が合って。有り難いことに事に笑顔を貰って、笑顔を返したんだけど・・・。

「如何にもっ!って人いるやん?」
「いきなり何、いうてんの?」

僕に背中を向けている女性はそう応えてて。そうだよなぁ~。あの女性には視えてはいない。

「京都市内やったら声掛けてるわぁ~」

二人の女性を通り過ぎたあたり、声が聞こえて来て。少し振り向きながら会釈した。


店舗の隅にアルバイトさん。カウンター越しの僕を睨みつけながら男性がアルバイトさんに近づいていく。当然僕は、事の次第が分からず。「だ、誰?な、何?」って。

「本当に好きそうなのでいいですっ!」

おぉ。やるなぁ~。てか、綺麗だからな。顔赤いアルバイトさん。早いか遅いかの問題で。そうなるよね。うんうん。聞かなかった事にして。仕事をする・・・。棚の掃除だけど。アハハハッ。

カウンター越しのレジに先ほどの男性。僕じゃない方が良いだろうと。アルバイトさんが俯き加減で僕の後ろを通過する。

アルバイトさん。連絡先交換したんだろうな・・・。デートでも、この後に行くんだろうか。今回は早いな。店員さんが近寄る。いやいやっ。それはどうだろ?それは・・・どうかな?

「私が好きになるわけないでしょっ!」

アルバイトさんの大声が店内に響く。「な、なんでっ!いいじゃん別に・・・」ってなってる時に、店員さんが笑顔。小走りでバックヤードに戻って行った・・・。何を伝えたんだ・・・。まぁな。綺麗だからな。

いやいやっ。店員さんはぁ~可愛い系だからぁ~。いやいやっ。まじで・・・。って脳内で言い訳をしながら。この脳内変換・・・。必要じゃない気がしないでもない・・・。

「お疲れ様ですー」
「・・・お疲れ様です」

アルバイトさんと店員さんは仲良くなってたみたいで一緒に帰って行った・・・って結構長い付き合いみたいな?知らなかったな・・・。いいんだろうけど。

何故だか、以前のアルバイトさんにした悪戯が・・・。違う人から返って来たような心持で・・・こういうものか。こういうもんだな・・・。店員さんには気を付けよう・・・。

あいつ。まじで。あいつ…。何方にせよ。綺麗か可愛いが頑張ってる。応援しようと思います…。

んー。何もしない方が…いいかな。逆にね?楽な方を選ぶ。うんうん。そうしよう。

居なくなる人達。ずっと一緒に居てくれない人達なのだから。
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