第14話

文字数 772文字

マスターの奥さんと演奏家さんが話しているのを聞いて、ライブが近々あるらしい事。
「演奏はいいんだけどね?間の会話がね?苦手なんだよね?」
すごくお話上手に思っていた僕は嘘でしょ?って思いながらマスターと目が合った。

「小千。なんか話たれや?」
「・・・そうだな。話下手には思ってないけど・・・。そばが好きか?うどんがすきか?でいいんじゃない?ベタなので」

「キャハハッ。言うたれよ」
「んー。はい。・・・そばが好きか?うどんが好きか?好みはあると思いますけどね?僕はそばが好きです。そうです。ベタな方で申し訳ないですけどね?

関東の方ならなじみが深いとは思いますが「ふじそば」と「はこねそば」他にも最近は増えていて、しのぎを削っているって聞きますけどね?そこは、お許しいただいて。

どちらも駅前にあるのでね?お求めやすい。お手頃な感じのね?好みな方でいいと思いますけどね?えぇ。そういう感じです・・・。新しいそば。ありましてね?好きなんですよ?

それはね?「いたそば」って言うんですけどね?聞いたことないですか?どうですかね?神奈川のそばなんですけどね?簡単に言えば?ですけどね?

まぁ~「ざるそば」と似たようなもんで。親戚みたいな感じの。麺がね?ちょっとしっかりした感じ。ですかね?それでね?板の上に乗っかってるんですけどね。伝わるかどうか?

テーブルの上に下駄をはかせた感じの、上に板があってその上にそばが載っているんですけどね?遠目で眺めますと・・・。

『ちょっと浮いている』・・・。

こういうのでいいんじゃないかな?」
「長いねんて」
マスターはタバコを呑みだしながら、不機嫌だ。

「うそー?程よい感じでしょ?」
演奏家さんを見ると俯いていて、まぁ。好み知ってるからね。フヒヒとなって。

「短いのにしたれよ?」
「短いでしょ?」

「キャハハッ」
マスターと僕はしてやったぜ顔で。
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