第69話 紅の悩み
文字数 2,095文字
おれを
ファーマの提案を受け入れ、自分のダメなところを打ち明けることになった。
自分のダメなところ……それはおれの悩みでもある。
あまり聞かせたい話じゃないが、覚悟を決めて打ち明けることにしたものの――
こんなとき、純朴な子どものまなざしは、針のようにチクリと罪悪感を刺す。
そう言っておれは入り口付近にいるファーマに指示する。
ファーマが子どもたちを連れて退室していくところを見送っているうちに、なんとも言えない緊張感が胸いっぱいに込み上げてきた。
子どもたちはぐっすりと眠っていた。
それを見て、正直おれはチャンスだと思った。
――始めるとは、言うまでもなく男女のアレのことだ。
おれは衝動に突き動かされるままイザベラに跳びつく。
カプッ!
気づけば自分の気持ちとは裏腹に、イザベラの首根に牙をあてがっていた。
すぐに口を離したが、イザベラは身をよじって
イザベラが申し訳なさそうに目を伏せる。
彼女の悲しげな表情を見ると、胸が苦しくなってくる……。
夫婦、身を寄せ合って眠りにつく。
――こんなことではイザベラに負担もかかるし、おなかの子にもよくない。
おれの欲求が収まらんばかりに、イザベラに負担をかけてしまっている。
だが、本能に
シャドーは、これまでにない喜びをあらわすかのように、顔を歪めて笑う。
ニタァと薄気味悪く、意地悪そうに――。
(ログインが必要です)