番外 小さな恋の物語
文字数 1,591文字
わしは小型犬のヒカリ。みんなからはヒカリ
隣にいるのは同じ小型犬のアカリ。わしの最愛の
長い年月を共に暮らし、固い絆で結ばれておる。
わしらのあいだに子はないが、『マジカル・ニャワンダ』には多くの子どもたちがやって来るので不自由に感じたことはない。
それにこの家には手伝いとして、人もちょくちょくやって来る。
手伝いのうちの一人、
この者はたいそうな猫好きじゃ。前世もきっと猫の忠実な
彼は猫のみならず動物全般が好きで、気の優しい人間のようじゃ。
そして、どうやらそういう一面を
婆さんと夜の散歩中、わしは井伏と桃寧の話題に触れる。
道路を歩きながら視線をチラッと上へ向ければ……
わしらを挟むようにして、右に桃寧、左に井伏がそれぞれリードを手に歩いている。
わしは婆さんと示し合わせて、その足が公園の入り口にさしかかると、
「ワンワン」と人にも聞こえる声でハッキリと鳴いた。
リードをグイッと引っ張り、二人に意思表示を送る。
わしのリードを手にしていた桃寧が、反動でやや前のめりになった。
井伏と桃寧は、わしらに連れられて園内へ入っていく。
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