第40話:夜の海とミラノ観光

文字数 2,893文字

 見学時間は洞窟内をボートがぐるりと一周する間と時間は短くシャッターチャンスは、さほど多くない。一番奥に到着したタイミングで、洞窟の入り口に向けて撮影するのがベストショットを撮影するコツとインターネットに書いてあったので、その指示に従って、良い写真が、数多く撮れた。これには、小山田夫妻も、満足できた。そこで、手こぎ舟を降りる時に、サンキューというと、船頭さんが笑ってくれた。

 その後、11時過ぎたので、美味しいレストランはと、青の洞窟と同じアナカプリ地区で、観光業者に聞くと、「リストランテ ジョルジョ・アル・クッチョロ」と教えられ、電話番号も聞いて、電話すると、迎えに行くと言われ、真っ赤なワゴン車が10分程で到着し、レストランへ向かった。まだ、混んでいなくて、海が一望できるテラス席に案内してくれた。

 おすすめ料理を聞くと、カンパニア州のモッツァレラチーズや魚介を使った郷土料理の写真入りのメニューで、これと指さすので2人前、注文した、ワインはと聞くので、船酔いが怖いから、やめておくと言うと、笑いながOKと言い、食後にデザートと珈琲がつくと教えてくれた。食事終わる頃になると、夕日で海が赤くなり、その光景をゆっくりと見ているとなんとも言えない感傷的な気持ちになった。

 日が落ちるので、港まで送ってもらい、高速船で夕闇の海を飛ばしてると、何か、暗黒の宇宙とロケットで飛んでるような、不思議な感じと、心地よい振動で夢の中へ落ちた。ナポリ港に到着し、周りがざわつき、下船し始めると、目が覚めた。忘れ物のないように荷物を確認して、奥さんと、高速船から下りて、港で待っているタクシーに乗り込んで、ホテルへ帰った。シャワーを浴びて、今日の旅の話をして床についた。

 翌、5月17日、朝6時にホテルをチェックアウトしてナポリ空港へ行き、ミラノ行きのLCCの飛行機の登場手続きを取り乗り込み、9時前にと飛び立ち10時過ぎにミラノから少し離れたベルガモのオーリオ・アル・セーリオ空港に到着。オーリオ・シャトルと言う電車で70分でミラノ中央駅に到着。タクシーでホテルに入り、荷物を置いて、ミラノ観光に出かけた。最初、メトロに乗って、ミラノ大聖堂「ドゥオモ」へ向かった。

 ミラノ大聖堂「ドゥオモ」は高さが100メートル以上・奥行150メートルメートル以上・幅は100メートル弱あり、大きさや広さでは世界で2番目。1300年代から着工がはじまり、完成まで約500年の傑作。世界最大級のゴシック建築、135本ある尖塔は圧巻。ファサード「正面入り口」、多数の彫刻、屋上からの眺め、ステンドグラスも最高。聖堂に使われている石柱や天井の高さなども驚嘆。

 青銅でできている入り口の5つの各扉には、細かな彫刻があり重厚。有名な中央の最大の扉は、キリストと聖母マリアのストーリーが描かれてる。中央扉の右側は、生まれたばかりのキリストを抱く聖母マリアの姿。中央扉の左側はキリストが処刑された時の聖母マリアの悲しむ姿。キリスト教徒でなくても感動させられることは、間違いない。次に内部
に入ると、何十枚ものステンドグラスで飾られる。

 ステンドグラスのほとんどが14から15世紀につくられたものが多い様だ。また、ここには、多くの彫刻があった。中でも有名なのは、聖バルトロメオの彫刻。聖バルトロメオは、聖書にも登場する人物でキリストの十二使徒の1人と伝えられています。逮捕され、生きたまま生皮をはがされて亡くなったようです。その姿が彫刻にも表現されており、彼の肩には自分の生皮をかけているとされている。

 屋上に行くには、階段をとエレベーターで行く方法がある。できれば、階段を風景を眺めながら登ると良い。屋上は、ミラノが一望でき、彫刻の細部まで見ることができ、尖塔の素晴らしさを感じられる。その他、地下の考古学エリアもすごい、そこへは階段を下りといける。かつての教会や洗礼堂の遺跡など、ミラノ大聖堂広場の地下で発見されたものが展示されている。荘厳さ

 当時の流行であるゴシック建築で建てられたミラノ大聖堂には、135本の尖塔がある。天に向かって真っすぐ伸びている尖塔の先には、それぞれ別の聖人が立ってる。一番高い尖塔には、黄金のマリア様が立っており、屋上からもマリア様を眺められる。見学して疲れると地区のカフェで休み、その後も探検を続けると、夕暮れとなった。やがて暗くなるとライトアップも素晴らしい。大理石の美しさがより際立ち、圧倒される。

 夜の時間の観光も素敵、夜景も十分楽しんで、近くのレストランへ行き、ホテルで聞いた「コトレッタ・アラ・ミラネーゼ『ミラノ風カツレツ』」の美味しい店・アントニオに入った。周りを見ると、巨大な「ナタ『骨付き・ミラノ風カツレツの別称』」ばかりだったので、ハーフサイズと言うと自分で、ジェスチャー交え、自分でナイフで切れと言われ、驚いた。ちなみにナタとは薪を割る、あのナタの事。

 その本場のナタは、少し堅いが、カリカリで、衣とお肉が程よくマッチして美味しい。意外としつこくなく、あっという間にたいらげた。パンも、食後もイタリアンコーヒーも素晴らしい味だった。その後、タクシーでホテルに戻った。そしてホテルのフロントで明日の観光のための情報を聞いた。何日間ミラノに、滞在するのかと聞かれ、明日1日と答えた。

 すると、スフォルツェスコ城、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会、ポルディ・ペッツオーリ美術館と教えてくれた。その後、部屋でシャワーを浴びると、かなり歩いたので、すぐに床に入り、眠りについた。翌5月18日、朝7時に起きて、朝食後8時に、ホテルを出た。メトロで移動し駅を降りて5分でスフォルツェスコ城に到着した。ここは、かつて城塞だったが現在は美術館になっていた。

 ミケランジェロの未完の作品であるロダンニーニのピエタで有名。美しい自然に囲まれた環境のセンピオーネ公園にあった。周りの環境も良かった。5ユーロの入場券を買い入場。一番のお目当ては、ロダンニーニのピエタ。一般に、ピエタ像とは、十字架に張り付けになって亡くなったキリストを母であるマリア様が抱いている姿をモチーフとした像の総称らしい。

 ミケランジェロは、いくつかのピエタ像を作った一番有名なピエタ像は、バチカンのサン・ピエトロ寺院の中にあるピエタ像。「ロダンニーニのピエタ」は、ミケランジェロが亡くなる3日前まで作っていたが、残念ながら未完成で、亡くなった。そのため荒削りの状態。この「ロンダニーニのピエタ」はミケランジェロ最後の作品。彼は視力を失いながらも倒れる直前まで制作にとり組んだと言われてる。

 当時としては異例の89歳と長寿で亡くなった。このピエタはスフォルツェスコ博物館に収蔵されるまで、ローマのロンダニーニ邸にあったため、「ロンダニーニのピエタ」と呼ばれる。我が子を抱き上げ、嘆き悲しんでいると言うより、母の慈愛を感じられ、素晴らしい芸術作品だった。もし完成していたら、一体どのような表情を浮かべていたの興味は尽きない。
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