第42話:ペッツオーリ美術館とミラノで買い物

文字数 2,922文字

 ポッライウォーロの「貴婦人の肖像」は「第4章 黄金の間コレクション」で登場します。横顔の肖像画の表現は、ルネサンス期に広く用いられましたが、この作品はその中でも最高傑作と評され、ポルディ・ペッツォーリ美術館のシンボル的存在。緻密に描きこまれた衣服や髪飾りなどゆっくり見た。 その他、武器甲冑から始まったコレクションは、次第に金工品や絨毯、宝石などへ広がった。

 そして、コレクション開始から約5年後には古画の購入を開始。ルネサンスから近代まで300点を超えるコレクションに成長しました。ジャン・ジャコモが、1879年に亡くなる数日前に購入した絵がボッティチェッリの「死せるキリストへの哀悼」。ボッティチェリの代表作である「春」や「ヴィーナスの誕生」などとは異なる鮮やかな衣服の色使い。

 狭い画面にひしめく人物の絶妙な構図にはキリストの死を悼む劇的なシーンを強調する、視覚的効果が盛り込まれています。ジャン・ジャコモの死から3年後、彼の遺言に従いコレクションを一般公開するポルディ・ペッツォーリ美術館が開館した。ミラノ市民やゆかりの人々からの寄贈も受けてコレクションは現在も拡充しています。

「フランチェスコ会派聖人たちが描かれた宗教行列用十字架」も美術館開館後に収蔵されたもの。おそらくラファエロの若いころの作と考えられています。十字架の中央にはキリストの磔刑図、4つの端には聖人が描かれ、表面は聖母マリア、聖ヨハネ、聖ペテロ、マグダラのマリアが、裏面はフランチェスコ会派の諸聖人が描かれています。

ジャン・ジャコモの依頼により室内装飾家がコレクションにあわせて。しつらえた美しい展示室は1943年に第2次世界大戦で大きな被害を被った。本展では在りし日の様子が、写真で紹介されている。戦後、ミラノ美術保護局からの支援で美術館は再建され、その豊富なコレクションを展示する新たな展示室を追加しながら、現在も多くの人々に愛されている。

 ポルディ・ペッツオーリ美術館の見学を終えて、少し疲れたので、カフェで一休みした。その後、奥さんの良江さんが楽しみにしていたミラノでの買い物に小山田聡がついていく番になった。モードの聖地・ミラノはセレクトショップの激戦区でもあり、センスあふれるブティックが目白押しだ。 最初に入った店はイル・カメオ。ここはレトロかわいいアイテムの宝庫。

 1970年代の空気が漂う店内。ブレラ地区のファッションピープルのお目当ては、ゴージャスな服。 クロコダイル「ワニ皮」のバッグ。カラフルなサングラスなど、レトロテイストなモード。アクセサリーも掘り出し物が多く、見ているだけでも楽しい。その中の素敵なデザインのサングラスを鏡を見ながら数点かけてみて、良江さんが気に入ったサングラスを購入。

 次は、ヴィンテージ・洋服の老舗、カヴァッリ・エ・ナストリ。かつてのヴィンテージブームの火付け役は、今やこの業界の老舗的存在。センスの良さとクオリティの高さは群を抜く。1950から70年代ものを中心に服、バッグ、靴、アクセサリーが揃う。ヴィンテージ生地を使ったオリジナル・クローズも人気。そこでも素敵なアクセサリーが気に入り、1点購入。

 その次にウンゲルと言う宝石・装身具の老舗が展開するアクセサリーの店に入った。1875年の創業でビーズやレースを使った宝石・装身具の老舗が母体のアクセサリーショップ。伝統の技術とノウハウを生かした、ちょっとレトロでカラフルなネックレスやブレスレット、ピアスが揃う。普段使いからドレスアップ用までラインナップは多彩。手頃で比較的安い装身具をじっくり見て数点購入。

 その次、サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会の前にある、トラーヴィと言う皮革製品の工房兼ショップトオーダーメイドも可能な皮革工房に入った。バッグや財布、ベルト、小物入れ、ジュエリーボックスなど、すべて手作り。オーダーメイドも可能で、簡単なイメージ画を持参すればそれをもとに製作してくれる。やわらかく上質な革を贅沢に使ったバッグや小物が並んでいた。

 その次、パルマが本拠地の革バッグ、財布、キーホルダーの店「コチレナ」若手デザイナーを起用し、斬新さと機能性を追求した新作を次々と発表している。普段使いのショッピングバッグ、ドレスアップ用のアクセサリーバッグなど豊富なバリエーションと手ごろな価格が魅力だった。ここでも、良江さんがじっくりと商品を見て回り、素敵な財布、キーホルダーを買った。

 もう夜19時になるので、次の店が最後にしてと、小山田聡が奥さんに、お願いした。彼女はわかったわと言い、小さな工房ならではの手作りの技が光る「エンメ・ピ・ボッテガ・アルティジャーナ」という小さな店に入った。店内にはバッグ、ブリーフケース、財布やキーホルダー、手袋などさまざまな皮革製品が所狭しと並んでいた。全品が奥の工房で作られたオリジナル。

 革だけでなく、麻などの布を使ったものや、シルバーのアクセサリーも多彩に揃う。しっかりとした確かな作りのショルダーバッグが人気の様だった。その中でも可愛い、小さめの赤いショルダーバッグが気に入って、奥さんが購入。これで、買い物は終了よと、奥さんが言い、今夜は、近くの、レストランに入り、ピザとパスタ、ワインを飲みながら、ゆっくり夕食を取り、ホテルに帰った。

 いよいよ明日、2015年5月19日、ベネチアへ移動。翌朝、6時に起きて、7時にホテルをチェックアウトして、タクシーでミラノ中央駅で高速列車のチケットを買い8時過ぎの特急列車で、約2時間半でベネチアへ。ちなみに料金は30ユーロ、約4500円で、日本の新幹線の半分以下だ。早期割引で、購入すると10ユーロ、1500円で買えることもあると聞くと驚いた。

 列車では、食堂車へ行ったがテーブル席ではなく、カウンター形式で注文したら、さっさと食べて交代する形式だった。それでもパスタ、ピザは、旨い。ゆっくり、朝食を食べて、座席に戻り車掌からの景色を眺めていると、20分後にベネチアに到着するとアナウンス。降りる支度をすると、やがて、ベネチアのサンタ・ルチーア駅に滑るようにして特急列車が到着。駅からタクシーでホテルに行く途中、大きなクルーズ船が、岸壁に横付けしていた。

 その巨大な船体から多くの、お客さんが、巣から出てくる蟻のようにぞろぞろと出てくるのは、壮観だった。岸壁には、多くのバスが待っていた。そして、ホテルまで、多くの端が見えて、ベネチアが海に浮かぶ島だと実感させられた。ホテルに着くと荷物を置いて、ホテルを出て、11時過ぎ。早前の昼食をとった。食後、「ヴァポレット・水上バス」という、大きな乗り合いゴンドラに乗船した。

「ヴァポレット・水上バス」は、時間制で、最初に読み取り機にタッチしてから有効時間内でありば乗り放題。ベネチア市内のどの観光スポットも網羅されている市内唯一の公共交通機関。歩いてもいいですが、ヴァポレットを使えば、また違った景色を楽しめる・最初に向かったのが、サン・マルコ寺院。ここは大きな荷物とまた短パンやノースリーブなどの肌を露出した服装も禁止。
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