第32話:マディラ旅行2

文字数 2,816文字

 翌4月29日、8時半に起きて、ホテルで、ゆっくりと朝食をとった。その後10時にタクシーを呼んでもらい、それに乗り、最初に「ボターニコ・ダ・マデイラ庭園」へ向かった。10時半に到着し庭園を回り始めた。マデイラ島、最大の都市フンシャル市街が、一望できる絶好の場所にある「ボターニコ・ダ・マデイラ植物園」では、2千株を超える植物を鑑賞することができる。

 かつては裕福なスコットランド人によって所有されていたという広大な敷地内には、世界中のありとあらゆる植物が集められています。ランをはじめ、マデイラ島のシンボルともなっている、極楽鳥花「ストレチア」、ゼラニウム、キンポウゲなど、色とりどりの花々が美しく咲き誇る園内は、どの角度をとってもインスタ映えすること間違いなし。特に入り口付近にある幾何学模様のカラフルな花壇は絶好の撮影ポイントとなっていた。

 プライド・オブ・マデイラ、マデイラ・ゼラニウム・マクロリズム など、都市名を冠したマデイラ原産の植物が多く見られるのも特色のひとつ。花だけではなく、マンゴーやバナナなどの果樹、サツマイモにヤムイモ、サトウキビなどの、マデイラを代表する作物も栽培されています。亜熱帯気候に属するマデイラ島は、適度な湿度があり植物を育てるには適した場所。そのため、園内にはさまざまな種類の草木が見られます。

 ヤシの木やシダ植物が生い茂る一画は、南国情緒満開。ヤシやシダにもこんなにも多くの亜種があるものかと感心させられるほどです。多肉植物のコーナーには、驚くほど大きく生長したアロエやサボテン、日本ではなかなかお目にかかることのできない肉厚な葉っぱの数々がひしめき合います。南米由来の砂漠の植物も数多く栽培され、多肉植物ファンには垂涎の場所。

 丘の中腹にある植物園から眺める風景は息をのむほどの美しさ。遠くに見える山並みと、青い海がどこまでも広がります。時折、上ったり下りたりするケーブルカーとよばれるロープウェイも行き交い、シャッターチャンスは何度でも訪れるでしょう。「ボターニコ・ダ・マデイラ植物園」を1時間程、見て回り11時半近くなったので、次に、近くにあるトロピカル・モンテ・パーラセ庭園へ向かった

 モンテ宮殿熱帯庭園は、フンシャル湾を見渡す丘にあります。見晴らしのよいケーブル カーで丘の上へ。多様な生物やオリエンタルなアジア風庭園、見事なタイル アート、そして美術館の興味深いコレクションが訪れる人の目を楽しませてくれる。庭園は、18 世紀に美しい荘園として建設され、後に豪華なホテルに改装された。1980 年代になり、マデイラの実業家ホセ・ベラルドがホテルを買収。

 彼の夢だった熱帯庭園として公開されるようになりました。マデイラの気候のおかげで、この庭園では在来種も外来種も一度に見ることができます。熱帯植物に囲まれた芝生の道の脇には、タイル画が点在しています。タイル画の多くは 15 世紀から 20 世紀のもの。教会や宮殿、私邸からこの地に移された。ポルトガルの史実を描いた 40 枚のパネルは特に興味深く、じっくり眺める価値ありです。

 テラコッタでできた 166 枚のタイルも要チェック。ポルトガルと日本の数百年に及ぶ交流が描かれています。日本と中国を訪れ、アジアの文化に魅了されたというホセ ベラルド。庭園の随所に、そうした趣味が色濃く感じられます。池にはコイが泳ぎ、オリエンタルな雰囲気。大理石の犬は、アジア各地の神社でよく目にするこま犬を模したものです。 庭園中央の湖は、この場所がホテルだった 20 世紀初頭に作られたものだ。

 大きな滝のある池では、かつてホテル客が舟遊びを楽しんでいた。庭園内の美術館には、アフリカ美術に特化した収蔵品、世界各地から集められた鉱物などが展示されています。1000 点を超えるジンバブエの彫刻や、700 種類もの鉱物のコレクションが目を引きます。広い花畑を見て写真を撮り林の方へ行くと行けと滝が気持ちよかった。更に進むと、鎌倉、奈良の大仏を小さくした大仏が台座の上に鎮座し周りが日本庭園になっていた。

「トロピカル・モンテ・パーラセ庭園」を出ると、12時半を過ぎていたので、ジオラン岬へ送ってもらった。ジオラン岬に行くと、既に、かなりのお客さん達で混んでいた。入場すると、一番先まで行くのに別に料金が必要だったが、折角、来たので入って見ると、足元が硝子張りになっていて、とんでもない高さだと言うことが良くわかった。高い所が苦手の小山田聡が、奥さんに帰ろうと言った。

 そこで昨日聞いていたヨットでイルカ、クジラを見るツアーに連絡して見ると、15時出港ので18時終了のクルーズに空きがあると聞き、出かける事にした。そのため待ってもらっていたタクシーの運転手にマリーナ・ド・フンシャルに行ってもらい、13時過ぎに、近くのレストランで下ろしてもらった。その後、ゆっくりと海を眺めながら昼食を食べて、14時過ぎに、マリーナのツアーの事務所に行きツアーのパンフレットと支払いをした。

 その後マリーナのカフェでお茶をして、14時40分にマリーナのツアーの事務所に行き、カラマランクルーズヨットに大人子供合わせて、10数人程が、乗り込んだ。そして、イルカ、クジラ、カメを船上から、さがし始めた。すると最初に、イルカがヨットの近くを競う合うように、泳ぎはじめた。それをお客さんが見つけると歓声があがった。その後、多くのイルカが集まってきて船と競争するかのように泳いだ。

 イルカの数が増えると共に、お客さん達がカメラを取り出して、撮り始めた。間近でみる、きれいな灰色の魚体が真っ青な海に映えて、実に美しい光景となっていた、そのイルカが10頭以上、船の横を同じくらいの速度で、泳ぎ続けているのだ。アベックは、肩寄せ合って、仲よさそうに、イルカの泳ぐ姿を、眺めていた。子供達は、歓声をあげて、スペイン語、ポルトガル語でなにか歓声をあげていた。

 17時を過ぎると、徐々に日が落ちて、夕暮れになって来た。そして18時近くになると、雲と波間の間に太陽が来て、幻想的な景色になると一斉に、フラッシュとシャッターの音がなり始めた。何と、ロマンチックな景色だろうか、小山田夫妻も来て良かったと、感動した。名残を惜しむように、太陽が沈んでいき、やがて日が落ちて、静寂の空気が流れると、船が岸に向けて、帰途についた。

 そして15分後、マリーナにカラマランヨットがついて、次々と観光客がカタマランヨットから降りていった。中には、クルーと握手したり、写真を取り合ったりしているお客さんもいた。クルーが、何か面白いことを言ったのか、歓声があがり、笑い声となった。その後、マリーナから車に乗り込んだり、歩いて近くのホテルに帰る人、待っているタクシーに乗る人が、次々と去って行き、クルーズが終了した。
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