第49話:プラド、ボルネミッサ美術館とレアル・スタジアム観光

文字数 3,049文字

 その次もディエゴ・ベラケスの作、「バッカスの勝利」でバロック期のスペインを代表する画家です。タイトルが「バッカスの勝利『酔っ払いたち』」となっている通りバッカスと農民の酔っ払いたちが描かれている作品。バッカスはローマ神話のワインの神様で、この絵の中ではぶどうの葉の王冠をつけているのがバッカスになる。ディエゴ・ベラスケスにしては陽気な珍しい絵画です。

 その次は着衣のマハ・裸のマハ。18世紀の宮廷画家ゴヤの作品。マハとはスペイン語で「小粋な女『小粋なマドリード娘』」という意味。このモデルの女性は誰なのかははっきりしないが、この絵の注文主はスペインの宰相マヌエル・ゴドイ。着衣のマハと裸のマハはセットになっているが裸のマハの方が先に描かれた。当時スペインはフルヌードの絵画を持つ宗教上の理由でタブーだった。そのため裸のマハを覆い隠すために着衣のマハを発注したとも言われている。

 最後は「イエスの復活」ギリシャ出身のエル・グレコの作品。「イエスの復活」は磔刑「はりつけのけい」に書されたキリストが復活した様子を描く宗教画。空中を歩くキリストは画面のこちら側に向け指針と尊厳に満ちた表情を見せている。エル・グレコは彼のニックネームでグレコはギリシャ人という意味。本名はドメニコス・テオトコプーロス。エル・グレコ。

 彼はスペインのトレド大聖堂からの注文作「聖衣剥奪」から有名になった。グレコの作品は宗教画が多く、この作品はその中の代表作の1つ。新約聖書の「キリスト復活」が描かれています。作品の筋肉の描き方は巨匠ミケランジェロの影響のらしい。「受胎告知」も展示されてる。この作品は聖処女マリアが受胎した様子を描いた祭壇画の一部。ここの作品は大天使ガブリエルが聖処女マリアに受胎告知する場面ではなくマリアが受胎した瞬間が描かれている。

 プラド美術館を出て、近くのカフェで軽く食事をして、次の国立ソフィア王妃芸術センターへ向かった。王妃ソフィアの名前を冠した20世紀の近現代美術を所蔵する美術館。もちろん目玉はニューヨークの美術館から返還されたピカソの「ゲルニカ」ですが、他にも20世紀の現代アートにおいて代表的な画家の作品が多く所蔵されていて、ピカソ、ダリ、ミロの三大巨匠の名画は必見。

 国立ソフィア王妃芸術センターの有名作品の展示されているサバティーニ館へ向かった。ここの2階に三大巨匠のピカソ、ダリ、ミロの有名作品が展示されていた。最初にゲルニカの展示コーナに向かったが混雑していたのと写真及び撮影禁止と書いてあった、間近で見ると想像以上の迫力感動した。ピカソの「ゲルニカ」は縦3.5メートル、横7.8メートルもある巨大な作品。バスク地方にあるゲルニカという町が空爆を受けた時の様子が描かれている。

 その他、ピカソの「青衣の女」「静物『死んだ小鳥』」「フルーツボウル」その他、サルバドールダリ「偉大なる手淫者」「透明人間」「ヒトラーの謎」「窓辺の少女」「後ろ向きに座る女」などを見て出て来た。その他、ジョアン・ミロ、フアン・グリスの作品をサバティーニ館で見学して出て来た。

 マドリードのティッセン・ボルネミッサ美術館は個人のコレクションにも関わらず豊富な量と素晴らしい質を備えた美術館。ドイツの鉄鋼財閥ハインリッヒ・ティッセン・ボルネミッサ男爵とその息子のハンス・ハインリッヒ・ティッセン・ボルネミッサ男爵の2代にわたる個人のコレクションでプライベート・コレクションとしてはイギリスのエリザベス女王の物に次ぐ世界第2位の収蔵数を誇る。

 古典絵画から近代絵画にいたる幅広いコレクションが特徴で13世紀から21世紀の8世紀にわたる西洋美術史をここで堪能することが出来る世界でも数少ない美術館。しかし小山田夫妻は美術品に詳しくないこともあり知ってる画家や作品がなく、案内板に書いてあるように2階から1階そして0階と順番に見ていくと13世紀から現代にいたるヨーロッパの美術史を時代を追って鑑賞できる。

 最初の部屋はイタリアのプリミティブ絵画、13世紀の聖母像や未だ遠近法を知らなかった時代の素朴な作品が展示されている。中世の世界は全て神様によって支配されていた頃の教会の祭壇画など宗教色がある絵画が多く、あまり足を止めて見るような作品はなかった。しかしヤン・ファン・アイクの受胎告知では足を止めた。小さな作品だがティッセンボルネミッサ美術館のコレクションの最高の物のひとつ。

 グリザイユで丁寧に描かれた彫刻の影と布地の量感等が素晴らしい。ヤン・ファン・アイクは顔料に少し油を混ぜた最初の画家で色に透明感を手に入れた初めての画家。質感もあり素敵な作品だった。見終わると奥さんが入り口にあった美術館のショップに行きたいというので戻った。ミュージアム・ショップとしてはレベルが高く素敵なスカーフやネクタイ、文房具品や食器、アクセサリーなどが多く。

 奥さんは気に入ったスカーフを友人に数枚と気に入った文房具、食器を買った。そして、十分見学したので、近くの地元で評判の美味しいレストランに行き、ゆっくり夕食をとった。今晩はサングリアとつまみのタパス「小皿料理」で有名と紹介された店はピンチョス「スライスしたパン『バゲット』の上に色々な具を乗せた。つまみ」の種類がとても多く充実していった。魚、ハム、オリーブの身、ムール貝、エビ、カニと十分に満足できた。

 その晩、ホテルに帰って、今日、見た絵の話をして、床についた。翌朝、3月15日、8時過ぎ、ゆっくり起き、ホテルのモーニングセットを食べて、ホテルの近くの公園を散歩して、10時過ぎにホテルの部屋に戻りシャワーを浴びて着替えた。その後、レアルマドリードのホームスタジアム「サンティアゴ、ベルナベウ」見学ツアーに参加した。地下鉄の最寄り駅からでて、スタジアム近くのカフェで昼食をとった。

 昼過ぎにスタジアムのチケットオフィスで25ユーロで日本円で3500円程だった。小山田聡がクリスティアーノ・ロナウドのファンだったので、決して高いとは小間なかったようだ。見学ツアーの券を買って入場し、最初に案内されたのが最上階からのパノラマビュー。81044人を収容する巨大なサッカー専用スタジアムの全景は大迫力。しかし上階席は傾斜がきつくなっていた。スタジアムを一望した後は、百年以上のレアル・マドリード栄光の軌跡を、獲得した数々のトロフィーや選手達が身に着けたユニフォーム,スパイク、映像などで紹介するミュージアムの見学。

 中でも人だかりができていたのは、チャンピオンズリーグのトロフィー「ビッグイヤー」のブース。誇らしげに鎮座する光り輝くトロフィーの多さには脱帽するばかりです。なお、レアル・マドリードはチャンピオンズリーク優勝回数12回という圧倒的な最多記録を誇る。21世紀初頭、フロレンティーノ・ペレスが陣頭に立つと、その豊富な資金力を背景に「ロナウド」,「ジダン」,「フィーゴ」,「ベッカム」など有名選手を次々に買収。

 その敏腕ぶりを発揮「ラウール・ゴンザレス」,「イケル・カシージャス」,「グティ」などの生え抜きと共に「銀河系軍団」の一時代を築いた。近年のレアル・マドリードのスーパースターと言えばこの人。「クリスティアーノ・ロナウド」が2008年に獲得した「バロンドール」と「ヨーロッパ・ゴールデンシュー」。ホームのロッカールームも見学できた。上段に選手のユニフォーム。
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