012.お母さん3
文字数 759文字
そんなことないよ、お母さん。
私は失うことが怖い人間ではなくなったから…
鈍感?不器用?達観?
でも、人の死だけは慣れないけど…
姉さん、姉さんは傷ついた心のままだから、無意識に傷つくかもしれないことから離れようとしているんですよ。
そのことに気づけなくて、すみませんでした。
何かを得るということは、得た何かを失うことでもありますからね。
どうだろう?
他人を傷つけることは得意になっただけかもしれないよ。
そんな私を一生懸命受け止めてくれるのは、田所君だけだけど。
まさか、私って田所君とも兄妹とか言わないよね?
うん………可能性はかなり低いと思うけど100%違うとは言えないかなぁ〜
母親違いの兄妹って可能性がなくもないかも…
まさか父親が一緒で、母親違いの…ってことですか?
愛歌の育ての父親がまさか????
調べる方法は、DNA鑑定ということになるわね。
やっと頼れる人に出会えたのに…
兄妹かどうかなんて知らない方がいい真実なのに………
オレが言うのもなんですが、普段はオレに家事を任せてる放任主義の両親ですが、そういうことをするような人達ではないです。
だったら、DNA鑑定でも何でもしてもらって構いません。
田所さん、落ち着いて下さい。
2人が兄妹なんてある訳ないですよ!!!!
大丈夫。田所君とは兄妹なんてあり得ませんよ、、、
あの〜すみませんが、インフルエンザなので個室で寝てていいですか?
お母さん、来てくれてありがとうございました。
ただ、見た目以上に気持ちの中で許せない感情が大きいんです。
インフルエンザでなければ家出していたかもしれないです。
それでも、私を娘と認めてくれてありがとうございます。
雪南君、ボクと愛歌のことを気にせずに、お母さんと楽しいひと時を過ごしてきてな。