映像作品 外国テレビ ・フランス 

文字数 1,214文字


題名
『ANIMA(アニマ) « L’esprit des marionnettes » (マリオネットのエスプリ)』
 フランス・2005年 





監督
Marc Huraux マルク・ユロー

出演
Nicole Mossoux    ニコル・モソー
Hoichi Okamoto   岡本芳一(日本)
Rezo Gabriadze    レゾ・ガブリアッツェ(ジョージア)
Liz &Gavin Glover  リズ・アンド・ギャヴァン・グローヴァー(イギリス)
Frank Soehnle     フランク・ソンル(ドイツ)
Ilka Schönbein     イリカ・ショーンベイン(ドイツ)

岡本芳一(ほういち)・ Hoichi Okamoto の紹介。
                    ナレーション翻訳 国津洋子
日本には、昔、静けさのコンサートがあったということだ。
楽器は各々、いつも通りに、楽譜通り演奏している。
私は目を閉じ、マスクをかぶったミュージシャンたちのコンサートを想像する。マリオネットの静けさのせりふをじっと聴いている。マリオネットにはマスクしかないのだから。

 岡本芳一は、原爆投下翌日に広島で生まれた。
芳一は、目が見えない琵琶法師からとった名前だ。墓地で霊をなぐさめるため琵琶を演奏していた芳一は幽霊に見えないように魔法の文字、お経を全身に書いていたのだが、耳まで書くのを忘れていた。幽霊は、見える耳だけををちぎってもっていったが、芳一は無事だった。耳なし芳一だ。





 私たちは長野県にある岡本の家に、マリオネットを見せてもらうために訪ねた。
 冬の休暇中、霊を迎える神事の時期だった。
 霊たちを祭るために、白い紙の旗の飾りを製作中だ。
 月の光が透けるくらい、すきとおっている。それを神社の境内にまつり、魂の救済を祈願する。

 Hoichi Okamoto 「無題」
「私だけが人形に命を与えることができる。これが終われば、ただの人形。ただのもの。だから、長い間さわっていない人形には、生気がない。」
 岡本がこう言う。
 日本語ではマリオネットは人形という。
」マリオネットで、何よりも惹かれたのは、その動きではなく、動かないことだ。それが人形つかいの仕事のきっかけだ。」





*監督について。
 Marc Huraux マルク・ユロー
 ドキュメンタリー作家。

 他の監督作品『チェック・ザ・チェンジ』(Check the Changes)
 フランス/1990/フランス語・英語/35ミリ/85分。

 サン・ラ、ティト・プエンテ、ディジー・ガレスピー、ジョン・ゾーンなどアメリカのジャズシーンを即興的にのびやかに辿る。「変化に注意しろ」の題は米国の現実を示唆する。
 この作品は「山形国際ドキュメンタリー映画祭2009」で上映され、その後、東京・渋谷で開催した音楽にまつわる作品を集めた「ドキュメンタリードリームショー2010」でも上映をした。





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