◆ 忘備録(二十五) 八月七日(木) 6 

文字数 718文字


 スナック・夢寂(むび)に挨拶に行った時、子どもたちが「青山様です」と言ってお金を集めていた。

 提灯に青山神社と書いてあるので、ママさんに場所を訊くと「あの辺り」と深志神社の方向を指したので、近くにそんな神社あったかなと疑問として残った。

 江戸時代、本町・中町・東町を中心に始まった行事で現在は松本地方全域で行われ夏の風物詩となっているとのことだった。

 神社に戻ったとき、子どもたちと父母が集まっていたので、ひとりのお母さんに青山神社のの場所を訊くと、「青山神社は無いです」との答え。
 風習として残っているものを実践している様子。

 今度はおじいさんに訊いてみる。
 子どもたちが担いでいる神輿(みこし)が「青山神社」とのこと。
 神輿は各町内会で管理し、集めたお金も町内会の維持費になるみたいだ。

 神輿には山から杉の葉を切ってきて載せるとのこと。
 小学生の子どもたちが参加、小さな子どもは親がついて来る。

 半村良の「戸隠伝説」を思い出す。

 いま、ネットで調べると次の解説があった。
 男の子は「青山神社」とよばれる杉葉で葺いた神輿を担いで「青山さまだ~いわっしょいこらしょ~っ」と町内を練り歩き祖先の霊を迎えます。
 掛け声は町内によって異なります。

 女の子はうす色紙で作った髪飾りの花をつけ、浴衣姿で下駄を履きほおずき提灯をさげ盆唄を唄いながら町内を歩きます。
 盆唄は哀調を帯びたメロディーで、先祖の霊をしずめると言われていますが現在ではしっかり最後まで歌える児童は少なく保護者も又しかりです。
 なので町内によってはテープを流しながらという地域が多くなってしまいました。
 我町内もご多分にもれずテープの歌だけが大きく鳴り響いています。

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