◆ 忘備録(七十) 八月十九日(火) 2  

文字数 245文字


公演に30人ぐらいが集まった。
 マスターはカウンターの内側にも客をいれて、なんとか全員を収容した。
 急いで「満員御礼 入場できません」と書いて、店のドアに貼った。

 部隊のスペースが極端に狭くなったが、岡本さんは動じることなくいつものように身体を跳躍させていた。

 観客も、すぐ目の前で人形が動くものだから驚いたと思う。

 不思議なことに、岡本さんが客を脅かす場面でも拍手が起こった。
 距離が近いと客観的に見ることができないで、同化してしまうみたいだ。
 野外では味わうことができない経験をした。



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