〇一一 下諏訪・青年会館 3
文字数 246文字
*
静かに始まる。
せっかく客が入ったのに、その写真が一枚もない。
客を撮影していないのは、ぼくにカメラを向ける勇気がなかったからだ。
人形と人。
人形を操る人間の存在を黒子として消していた黒子。
見えないものとしてしか意識していなかった黒子の肉体が、突如として出現するだけで衝撃なのだ。
人と人形。
それは、恐怖でもある。
子どもは泣き出し、席を立った女性もいた。
ひとかたち。
座長は「ヒトガタ」といった。
彷徨うのは……。
演じるモノか観るモノか。
どちらもなのか。
ひとかたち。
静かに始まる。
せっかく客が入ったのに、その写真が一枚もない。
客を撮影していないのは、ぼくにカメラを向ける勇気がなかったからだ。
人形と人。
人形を操る人間の存在を黒子として消していた黒子。
見えないものとしてしか意識していなかった黒子の肉体が、突如として出現するだけで衝撃なのだ。
人と人形。
それは、恐怖でもある。
子どもは泣き出し、席を立った女性もいた。
ひとかたち。
座長は「ヒトガタ」といった。
彷徨うのは……。
演じるモノか観るモノか。
どちらもなのか。
ひとかたち。