開演に先立ちまして観客の皆様に御案内申し上げます

文字数 427文字







茨城県、常陸国(ひたちのくに)を舞台に、〈百瀬探偵結社〉の探偵である破魔矢式猫魔(はまやしきびょうま)萩月山茶花(はぎつきさざんか)小鳥遊(たかなし)ふぐりたちが遭遇する怪奇事件の数々を、あなたもこの作品を観劇して、一緒に巡ってみませんか。

果たしてこの事件が渦巻く常陸国という国の迷宮に終わりはあるのか。常闇は深く、その保証はできませんけどね。

もっとも、1716年に成立した、新井白石が著した古代史解釈の書『古史通(こしつう)』では、言葉の音訓から日神が立たれた土地は日立国で常陸という表記になり、高天原の高は旧事紀で高国と記述あり、即ち常陸国多珂郡である、という説が展開されています。

()の地は光が立ち上る国なのか、それとも常闇の冥府なのか。これより始まるこの怪奇探偵劇にて、明らかにもなりましょう。是非ともお確かめくださいますようお願い申し上げます。


注意事項
*この作品はフィクションです。実在の人物、団体などとは関係ありません。





〈開幕鈴〉が鳴り始めました。
これより本公演が始まります。席にお座りになりまして、どうぞご観覧ください。



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登場人物紹介

破魔矢式猫魔(はまやしきびょうま):探偵

小鳥遊ふぐり(たかなしふぐり):探偵見習い

萩月山茶花(はぎつきさざんか):語り手

百瀬珠(ももせたま):百瀬探偵結社の総長

枢木くるる(くるるぎくるる):百瀬探偵結社の事務員

舞鶴めると(まいつるめると):天狗少女。法術使い。

更科美弥子(さらしなみやこ):萩月山茶花の隣人。不良なお姉さん。

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