6-2

文字数 7,632文字

 教室は、五界にいたころに見た学校の姿と大差なかった。片開きの木製ドアを開けて、右側に教卓と壁一面のホワイトボードがある。教壇から左にかけては生徒用の机で、一段ごとに段差があり、後ろにいくにつれて高い位置に座ることになる。中央で座席は左右に分けられている。生徒の数は非常に多く、百人前後はいるだろうか。
 机は黒色をした長方形で、大理石のようになっている。座席は自由のようで、各々が談笑をしながら好き勝手に座っていた。椅子は肘掛椅子で、背もたれも備わっていて車輪もついているから、快適さは欠けないだろう。
 一番後ろの座席の背後にはロッカーがあり、真四角の穴の中には不規則にカバンが詰め込まれている。静流は荷物を持っていないから、ロッカーを使う必要はなく、クラッセルが段差を下りていく間に空いている座席を探した。ほとんど席は埋まっていたから、九つある中の、最前部から四つ目の位置、右側の座席に腰かけた。
 左右にはそれぞれ眼鏡をかけたインテリ系の男と、禿げ頭で真面目そうな表情をした男が座っている。
 教室の中は静かだった。小さな声で誰かが話していることが分かるだけで、大体が一人で暇を潰していた。タバコを吸う者や、読書に耽る者。ギターを小さな音で演奏する者。全員が初対面なのだろう。そのはずだ。人間同士の接点は滅多にないだろうからだ。
「はい、皆静かですね。大体そうなんです。最初にこの学校で授業を行う時は、大体しめやかな空気なんですよ。今日から担任のクラッセルです、どうぞよろしく」
 教壇の前に立っていたクラッセルが話すと雑音は止み、様々な感情が視線に乗って交差する中、彼はこう続けた。
「そりゃ、そうですよね。左を見ても右を見ても、知らない顔ばかり。ましてや、ここにいる大体の人達がこの世界にきて長くはないですから。まあ、中には、かなりウキウキとされてる方もいますけど」
 風変りな人間が本当にいるか周りを見渡せば、隣に座っていた禿げ頭の男が愉快そうな顔を浮かべていた。
「僕は、もう何十年もここに立ってますから、色々なことを教えられるはずですよ。何か質問とかがあれば、遠慮なく僕のところに」
 生徒は全員知っているだろう。戦いで負ければ、教室から一人一人消えていく。今では多い生徒の数も、一年もしたら半減するのだろう。
「さて、僕の自己紹介は後回しにして。最初の授業は、皆さんの技能を計ります。生徒の能力を知っておかなければ、まともな授業もできませんからね。僕の後に続いてきてください。これから道場に移動しますから」
 戦いの世界らしく、学校の一番最初の授業も闘技という話なら退屈の加減も半ば問題なさそうだから、静流は特に重くもない腰を持ち上げて席を立ちあがった。眼鏡をかけた男の後ろに続き、流れるように歩く生徒達を目で追った。列を作る様子はなく、ギターを持っていた男はギターケースに楽器をしまっている。ケースは教室に置いていく様子だ。
 クラスメイトの後を歩いていると、隣に黒い髪をしたサイドテールの女性が並んだ。彼女は手を軽くあげると、静流にこう言った。
「お前、なんか弱そうだな」
 尻尾のような髪は首まで伸びていて、彼女は吊り目だった。春用の学生服を着ていて、いかにも今時の若い女性といった風貌だ。場違いといった印象を受ける。
「良い挨拶だな。今後の参考にする」
「冗談だと思ったか。いや、マジで弱そう。そんなんじゃ明日にはいなくなっちまうんじゃないか」
 嫌味なのだろうが、静流は気を悪くするでもなく、ただ面倒だから足を速めた。だが、彼女も同じ速度で歩き出した。
「あたしでよければ特訓してやるよ。悪い誘いじゃないだろ」
「気持ちだけ受け取っとく」
「それだけ受け取られても特訓にはならねぇだろ。ははあ、分かったぞ。あたしのこと弱いと思ってるだろ。大したことないって」
「分かってるじゃねぇか」
 彼女は笑みを浮かべながらこめかみに皴を寄せていた。
「そうかそうか。じゃあ、この授業終わったらあたしとタイマンだ。どっちが強いか、思い知らせてやるよ」
「そこまで暇じゃないんだが」
「うるせー。その身体じゃろくすっぽ鍛えてないこと丸わかりだ。あたしと勝負しろ」
 この類の面倒な人間は断わり続けても何度も勝負を挑んできて、果てには大きな面倒事が控えているものだ。有限の時間の中、一時間を彼女に費やすことすら勿体ないと思えたが、二時間三時間と増えていくよりははるかにマシだろう。
 不承不承といった感情を表にだし、静流は頷いた。
「言っとくが、あたしはお前みたいな男が嫌いだ。その全てを悟ったような感じ。気に食わねえ」
「だったら戦わなくてもいいんだが」
 気づけば、彼女を基点として周囲でも話し声があがり始めた。全員が初対面の中、何とか友人を作ろうと考えている連中が多いということだ。
 そのうち消える相手を友人として招き入れる、じつに愚かだった。
「お前に分かりやすく教えてやるよ。あたしは、嫌いな人間をボコボコにするのが好きなんだよ」
「自己紹介どうも。だが普通、自己紹介をする前に名前を言うもんだぜ」
「お前なあ」
 呆れた様子で両手を乱雑に振った後、彼女は溜息交じりに正式な自己紹介を述べた。
「あたしは、リーン・ネミサン。お前はどうなんだよ」
 死んでからというもの、静流は自分の名前を名乗る機会に多く恵まれる。生きている頃はむしろ、自分の名前を人に教えるべきではなく、六龍と名乗るだけだった。今度も同じように、黒川静流と名乗った。気安く名乗れるのは、二十六年間生きたご褒美といったところだろうか。
「だと思った。日本人ってヒヨコみたいな体つきしてるからな。むしろよくこの世界に来れたな。その腰にぶら下がってる日本刀がなけりゃ、何もできないんだろ」
「お前、もう喋るな」
「なんだ、悔しいのか。言い返してみろよ日本人。ママがいないと喋れないってか」
「なんでもかんでも喋る奴が戦場では負ける。言葉尻一つで、お前がどう戦うのかバレるんだぜ」
 沈黙ほどの強さはない。言葉は相手の感情さえ現すものだ。戦場では、刹那で相手にいかに情報を与えないかも重要になってくるのだ。ポーカーと同じ原理である。表情一つで、戦況は大きく左右されるのだ。この理論だともし相手がゾンビだった場合は強いことになるが、あれは例外である。
「じゃあ言ってみろよ、私がどんな戦い方をして、どんな武器を使って、どうお前をぶちのめすのか」
 いつになったら目的地につくのか。いい加減にリーンの相手をすることに疲れ、静流は返しが乱雑なり始める。
「戦えば分かる」
「お前さっき自分が言ったこと覚えてるか?」
「忘れた」
 人間の基本的な機能として備わっている忘却という現象は、不思議なものだ。そもそも記憶とはなんなのだろう。子供の頃から人間は、誰に教わるでもなく記憶する。目で見た、耳で聞いた情報を脳の中に取り込むというのが記憶だ。だが、それに形はない。紙を机にしまったり、ペンを筆箱にしまったりすることと物事を覚えるとに大差がないとするならば、一体人間は何を脳にしまっているというのか。
 形のない考え事がシャボン玉のように浮いていて、静流は上の空だった。リーンが何か声を荒げながら喋っているが、シャボン玉を弾けさせることはできなかった。
 だが後頭部に走った衝撃が静流を現実に引き戻した。
「なんだよ」
 じんわり痛みが広がっている。殴られたに違いない。
「無視すんなバーカ」
 ごく一般的に、人間は静流の握っているこの感情を「ウザったい」と表現する。確かに静流はイライラしていた。登校初日から、なぜこんな面倒な女に目を付けられたのか。不運なのか、いや、不運なのだろう。
 クラッセルは階段を下り、道場までの道を歩いていた。列はずっと続いていて、吹き抜けの廊下を歩いていると、前方に二つの分かれ道が現れた。左右に道があり、Y字型になっている。奥を見ると二つの道の先は一つの大きな建造物に繋がっている。卵を横にしたような形の建物で、天井はない。代わりに四つの方角の頂点に大きな木があり、建造物の中心に向かって頭を伸ばしている。建物自体はコンクリートブロックの、鉄男のような頑丈さを持つ造りだ。
「すげえな。私が今まで見てきた中で一番でかいよ」
「まだいたのか、お前。静かだから気付かなかった」
「いちいち癪に障る奴だな!」
 悪びれる様子はまったくなく、静流は列を歩き続ける。クラッセルは道を左側の通路に歩き、奥までつくとスライド式の金属ドアをあけた。銀色の取っ手が太陽に照らされて光っている。重々しい音を立てながらドアは開き、ゆっくりと列は続く。
 中に入ると右手側に着替え室と書かれた扉があり、着替え室を通り過ぎるとすぐに競技場のようなトラックが全面に広がっていた。芝生は青々としていて、他のクラスの生徒達が運動に精を出している。コースを走ったり、棒高跳びをしていたり。多種多様だが人の数はそこまで多くなく、むさ苦しい掛け声もなかった。
 内部で見ると、木は非常に太かった。横に十二メートルはあるだろうか。縦の大きさは測定不能だ。アメリカの戦闘機を縦向きにして、何台積み重ねれば辿りつくだろう。
 競技場に入り込んだクラッセルはすぐに左に曲がり、道を直進した。その先には木製の両開きドアがあり、開くと向こう側は道場になっていた。天井があり、地面は畳でできている。
 順番に生徒達は中に入り、いよいよ静流も敷居を跨いで中に入ると、和室のような香りが鼻腔を揺らした。畳と線香の香りが交互に寄せ合っている。
 道場には掛け軸もあり、静流の見たことのない文字で筆書きされている。形はアルファベットに似ているが、解読できるほどの知識は持ち合わせていない。
 全員が道場に収まった頃合いを見て、クラッセルは扉を閉めて畳の中央に歩き出した。
 百人を収容しても広さはまだ保っていて、よくみれば畳は三つに分割されている。というのも、一辺が赤くなった畳が組み合わさって正方形になり、三つ並んでいるのだ。戦うスペースが三つあるのだろう。広さとしては直径二十メートルはあり、少し余裕がありすぎるくらいだ。ボクシングのリングでさえ、ロープの長さはおおよそ七メートルだというのに。
「さて、皆さん。ここだとよく声が通って、ちょっと喋りやすいですね――さて、さっきは皆さんの技能を計るといいましたが、まず一番最初に、皆さんにはそれぞれペアを作ってもらって、ここで戦ってもらいます」
 闘技用の人間を育てる学校として、入学初日で行うには適当が過ぎるスケジュールだ。情報収集のために通うとはいえ、多少は楽しめそうだと静流は密かに喜んでいた。
「自由にペアは組んでもらって構わないですよ。人数は偶数なので、余すことなくできるはずです。ああ、ペアが中々組めないなんてお約束はナシですよ。サイコロもあるので、ペアが組めなくて困った方は僕のところに来てくださいね」
 生徒達はクラッセルの言葉一つで、いかようにも表情を変えていた。目に星を浮かべてもおかしくない顔をした男や、隣同士で笑い合う男女。中には面倒くさそうに頭をかく男の姿もあったが、様々な感情が流れ星のように泳いでいく中で、静流は不満気に目を細めた。
 隣を見れば、勝ち誇ったような顔をしてリーンが立っている。静流を見ながら。
 生徒達は既に、次々とペアを組み始めている。
「おーい、クラッセル! あたし達はもう決まったぜ」
「おい、早まるな」
「いいだろ。他にお前、ペアを組みたい友達とかいるのかよ」
「あそこの麻薬キメた後みたいな筋肉マンと組むから、お前も好きにしろ」
「お前、そういう趣味だったのか」
「あーいう類の奴はまだマシだ。一期一会の大切さを知ってるからな」
 筋肉マンはベンチプレスを持っていて、狂喜乱舞しながら上げたり下げたりを繰り返していた。絶妙な膝の曲がり方だ。近寄りがたいオーラができているせいか、誰も彼とペアを組もうとしない。
「あたしと組めよ。別に一生ペアってわけじゃないだろ。今回限りだろうが、付き合えよ」
 断固拒否、その意志は曲げないつもりでいたが、静流は彼女とここで組むメリットに咄嗟に気付いた。ここで戦えば、放課後の決闘は無くなるに違いないし、何より力を見せつければ絡んでくることも無くなるだろう。執拗に師匠を気取る姿も見ずに済む。
 いやいや、静流は彼女の誘いを受けることにした。
「フン、お前みたいな男は簡単にボコって終わらせてやるからな」
 軽くいなすだけの返事をした後、リーンは走ってクラッセルに報告をしにいった。サイコロを振りたい生徒で列ができていて、報告には時間がかかっているようだ。
 時間ができたからと、静流はイメージトレーニングを開始した。目の前にサングラスをかけたイカつい顔の男を登場させる。彼は逆手で右にナイフを持っていて、手始めに後ろに引いていた左足を前に移動させ、静流の耳目掛け横からナイフを突く。静流はその手を右手で打って軌道を強制的に変更させ、竜の型を構える。
 一通りイメージトレーニングで三人の相手を終えたところで、クラッセルが手を叩いた。
「よし、皆ペアができたみたいですね。じゃあこれから、早速それぞれの技能を計ります。持ち時間は一つのペアで三分。特に勝敗はありません。ルールもない。とりあえず、自分の好きなスタイルで戦ってください。道場には三つ赤枠のステージがありますが、私は一人しかいないので、一ペアずつの試合になります。後、分かっていると思いますが、人が戦っている時に余計な茶々は入れないこと。入れたものは即、学校から追放します」
「マジかよ、煽るのもナシなのか?」
 どこからか男の声が鳴った。若い声だ。
「もちろん。いいですか、君たちは常に死と隣り合わせです。不真面目な態度は、はっきり申し上げますとご自身の死期を早めているだけに過ぎません。戦っていない時にすべきは、選手を観察すること。選手の目を見て、手の動きや細かい動作を見る。努力なしでは、この世界では生きていけませんよ」
 厳しさが含む意見の後に、クラッセルはこう付け加えた。
「長いこと教師をやってると、たくさんの生徒が七界に行ってしまうことを体験する。僕はまだ慣れないんです。ここにいる皆を一人でも多く、僕は救いたい。優しさだけで簡単に人が救えるなら、戦いなんていらない。このルールはどこの世界でも同じです」
 口を挟むものはいなかった。三界での死は、五界での死より重いのだ。前の世界にいた頃は、死んだ後の話はどこか他人事のように感じられた。死後の世界があるかどうかも分からなかったからだ。今度は違う。倒されれば確実に七界に送られ、ほとんどの確率で苦しみを背負うからだ。死んで無になることを恐れる人間もいるが、はたして無になることが間違いかどうかは不明だ。
 クラッセルは簡単な挨拶の後、まずは最初のペアを呼び出した。ペアは柔道着を着た男性とウェスタン風西洋の男で、武器は手にしていなかった。二人は揃って拳を打ち付けると、中央の赤枠の中で対峙した。静流は自分の出番が来るまで、授業風景を俯瞰していた。

「次はリーン、シズル。ステージへ」
 二十五番目に呼ばれた二人は、前回のペアとすれ違うように赤枠の中に入り込んだ。
 試合は比較的静かな空間で行われる。熱狂する人間はおらず、全員が勝負の行く末を黙って見ていた。中には目を瞑っている者もいるが、退屈な気持ちは静流にもよく分かった。想像通り、周囲の者達のレベルは高くない。このレベルならば、学校に通って戦法を学ぶのは合理的だった。
 二人は一定の間隔を置いて舞台に立ち、静流は虎の構えで彼女の視線を出迎えた。
「あたしはドン・フライが好きでね。お子様の頃よくテレビで見ててな。アイツはすごいよ。世の中には色んな男がいるが、紛れもなくフライは最高の戦士だ」
「戦士に最高も最低もあるかよ。その男がどんな奴だったのかは知らねえが」
「じゃあ、あたしが戦い方で教えてやるよ、どんな男だったのか。おいクラッセル、もういいぜ、始めてくれ」
 リーンは左足を前に出し、右足は踵をあげている。両膝は曲げる基本的なスタイルで、左手は首の位置で前に出し、右手は顎の横に置いている。リズムに乗るように身体を前後に動かし、既に勝ち誇ったような笑みを浮かべている。
 クラッセルは角笛を吹き、戦いの開始を告げると同時に、リーンは勢いよく前に左足を踏み出し、足の動きと連動して左手でジャブを放った。静流は右手でジャブを払い、次いでくる右ストレートを身体を回転させてリーンに背中を向けながらしゃがんで右肘を上に突きだし、相手の拳にダメージを与えながら瞬時に立ち上がり、その手を掴んで、空いた左手で裏拳を彼女の腹に叩きこんだ。
 怯んだリーンは掴まれた右腕を解こうと力を入れた時に静流は手を離し、バランスを崩したリーンの首に手刀を叩きこみ咳きこませ、左回転しながら右足を彼女の胸を蹴り飛ばした。
「そこまでです、静流」
 静流の動きを止めるようにクラッセルが言った。
 あまりにも早い展開に、生徒達のほとんどが眼を瞠っていた。十秒も経っていない。川の流れのような静流の連撃がリーンに反撃の時間を与えず、的確な弱点への攻撃が静流の強さを示していた。静流は目の前で倒れるリーンに手を伸ばした。彼女はその手を受け取り、何とか上半身を起こしてこう言った。
「マジかよ」
 心の底から驚いている様子だが、試合開始前の笑みはまだ消えていなかった。
「俺に師匠は必要ない。これで分かっただろ」
「認めるしかねえよな。だが、じゃあせめて友達になってくれよ。一度、日本人と友達になってみたかったんだ。皆いい奴って聞くからさ」
 会場内は人々の声でどよめきあっていた。誰が何を喋っているのかは分からないが、静流には興味のないことだ。
「最初から友達になりたいって言えよ。まぁ、それでも俺は頷かなかったがな」
「なんだよ、コイツ」
 片方の口角を吊り上げて静流は笑った。彼は呑気な足取りで傍観席に戻り、クルッセルが次のペアの名前を呼ぶ声が聞こえた。後は、暇つぶしに最適かどうか生徒達の試合を見定めながら時間を過ごすか、もしくはこれからの作戦を立てながら暇を潰すか、はたまた器用にどっちも行うかだ。
 時に、自分よりも弱い者同士の試合は多くのことを教えてくれる。例えば素人のボクサーはストレートを繰り出す時に腰に力を入れることを忘れ、胸から上だけの力だけを使う。見方を変えれば、相手にダメージは与えられなくなるが腰を使わない分次の攻撃まで早くなるし、疲労を蓄積しない。
 戦いにおいて、疲労は他にない重要な要素だった。
 静流が地面に座ろうとした時、ふと視線を感じて右を見た。すると、靴箱の前に立っていた黒いトレーニングウェアの少女と目が合った。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み