2020年3月31日

文字数 1,225文字

2020年3月31日
 朝の咳は相変わらず出る。

 先進国の政府は、新型コロナウイルスにより活動や生活に困窮する芸術家の支援策を実施している。中でもドイツの事業は最大500億ユーロと大規模で、対象範囲もフリーランサーや芸術家、個人業者、メディアと幅広い。米メトロポリタン美術館が政府に求めている国内美術館への救済額は40億ドルで、ドイツの10分の1以下である。

 モーゲスタン陽子の『ニューズウィーク日本版』、2020年3月30日18時30分更新「ドイツ政府『アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ』大規模支援」によると、モニカ・グリュッタース文化相はこの支援事業について次のように述べている。

「助成金は一度取得すれば返済する必要はない」とグリュッタースは強調。連邦政府の援助パッケージにより、音楽家も画家も作家も、映画・音楽関係者や書店・ギャラリー・出版社も、誰もが生き残ることを望んでいると述べた。
「非常に多くの人が今や文化の重要性を理解している」とするグリュッタースは「私たちの民主主義社会は、少し前までは想像も及ばなかったこの歴史的な状況の中で、独特で多様な文化的およびメディア媒体を必要としている。クリエイティブな人々のクリエイティブな勇気は危機を克服するのに役立つ。私たちは未来のために良いものを創造するあらゆる機会をつかむべきだ。そのため、次のことが言える。アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ。特に今は」と述べ、文化機関や文化施設を維持し、芸術や文化から生計を立てる人々の存在を確保することは、現在ドイツ政府の文化的政治的最優先事項であるとした。

 芸術は自分を含めた誰かと分かち合うことを前提にした実用以上のQOLのためのものだ。その歴史は国家のそれより長い。人類史から見ると、芸術は共同体における美意識の交歓として機能し、絆を強めたり、広げたりする、すなわち社会関係資本を蓄積する。だからこそ、日本史でも為政者は和歌を詠み、仏像を拝み、能を楽しみ、舞を踊り、茶の湯を立てるなど芸術を愛好し、保護している。また、近代は、政教分離、すなわち公私分離に伴い、価値観の選択を個人に委ねている。表現の自由はこの近代の最も基本的原理から保障される。その否定は近代体制の持続に対する挑戦だ。芸術は、前近代であっても近代であっても、社会にとって不可欠である。

 夕食は野菜入り麻婆豆腐、ワカメのキムチスープ、野菜サラダ、食後に玄米茶。屋内ウォーキングは10204歩。都内の新規陽性者数は78人。

参照文献
モーゲスタン陽子、「ドイツ政府『アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ』大規模支援、」『ニューズウィーク日本版』、2020年3月30日18時30分更新
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/03/post-92928.php
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