2020年4月16日

文字数 919文字

2020年4月16日
 左の脇腹に軽い痛みがある。筋肉痛とも思えない。ただ、1日もすれば、この痛みは消えるだろう。

 優れた研究者は枝葉末節を切り落とし、幹を残して本質的思考を提示するものだ。細部に囚われ、議論のための議論に決して陥らない。凡庸な研究者ほど細部に固執する。新型コロナウイルスをめぐってメディアに登場する日本の専門家は概して細部に入り込んだ議論を始める。一方、CNNなど海外メディアで話す専門家の説明は大枠を示し、細かな琴には拘泥しない。

 専門的知識は体系に位置付けられ、抽象的である。しかし、非専門家にはそれが乏しい。門外漢に理解してもらうには、隠喩が効果的である。この修辞法は、異なった対象であるけれども、ある観点から見れば、その本質が共通しているとする。抽象的・専門的な議論であっても、隠喩を利用すれば、具体的・日常的に説明できる。ただ、それには本質をつかんでいなければならない。細部に拘泥する専門家が説明下手なのはこうした理由を挙げることができる。もっとも、議論や理解を混乱させ、自分たちに都合よくするための世論誘導の思惑を感じる場合もある。

 感染拡大のイメージはネズミ算から把握することができる。1人から始まり、1日ごとに感染者数が倍になると仮定しよう。日数をnとすると、感染者数は2^n-1(2のn-1乗)となる。1日で感染者数が1024人と4桁に達する。感染者数が1桁上がるのに、3.3日かかるので、2週間でおよそ5桁に増える。1日に1万人以上増加する事態は感染爆発と呼ぶほかない。最もシンプルなモデルでも、半月もすれば、感染者が1日に1万人以上増えることになる。

 言うまでもなく、実際に用いられている感染症数理モデルはもっと複雑である。実行再生産数も干渉の有無を含めてさまざまな条件に応じて設定される。そもそも時間の経過と共に回復や死亡によって感染者の元の数も減少する。しかし、非専門家が感染爆発のイメージを把握するには素朴なマルサス・モデルで十分だ。

 夕食には、親子丼、サバと豆腐の味噌汁、野菜サラダ、キュウリとちくわの梅和え、食後は紅茶、干し柿。屋内ウォーキングは10316歩。都内の新規陽性者数は149人。
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