2020年5月5日

文字数 1,352文字

2020年5月5日
 いわゆる大航海時代、アメリカ大陸の先住民族は、ヨーロッパ人の持ち込んだ天然痘などの感染症により多数が亡くなり、彼らに侵略される一因となっている。この歴史が繰り返されようとしている。

 『AFP』は2020年5月4日13時32更新「ブラジル・アマゾンの先住民、新型コロナで「絶滅」危機 著名写真家が大統領に公開書簡」においてそうした状況を次のように伝えている。

 ブラジルのアマゾン(Amazon)熱帯雨林地帯に暮らす先住民族が新型コロナウイルスの感染拡大により存続を脅かされているとして、同国の著名写真家セバスチャン・サルガド(Sebastiao Salgado)氏(76)は4日までに、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領に早急な保護対策を取るよう求める公開書簡を送った。感染症に対抗できる手段がないため、対策を急がなければ先住民族が「絶滅」する恐れもあるとサルガド氏は警告している。
 サルガド氏は書簡で「5世紀前、欧州からの移民により持ち込まれた疾病によってアマゾン先住民族の多くが死んだ」と指摘し、「今日、ブラジル全土で新たな災いが急拡大している」「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対抗するすべがないため、先住民たちが絶滅してしまう恐れもある」と訴えている。
 書簡には5万人分近くのオンライン署名が集まっているほか、ブラッド・ピット(Brad Pitt)さん、マドンナ(Madonna)さん、ポール・マッカートニー(Paul McCartney)さん、リチャード・ギア(Richard Gere)さん、メリル・ストリープ(Meryl Streep)さんといった有名人も署名を寄せている。
 サルガド氏は貧困に苦しむ人々を世界各地で撮影し、これまでに国際的な賞を数多く受賞している写真家。近年はアマゾン熱帯雨林地域に暮らす人々を題材とした写真を撮り続けている。
 アマゾン先住民族の多くが暮らすアマゾナス(Amazonas)州は新型コロナウイルス流行による被害を最も受けた州の一つで、保健省によるとこれまでに500人以上が死亡している。

 ボルソナロ大統領は「ブラジルのトランプ」と呼ばれ、世界的に2010年代に登場した非自由主義的民主主義の政治指導者の一人である。彼らは合理性を欠く判断をしばしば取り、現代的課題に向き合わず、社会の保守層に支持を得るような言動を繰り返し、高度経済成長流の経済政策を猛進している。それを要約すると、パターナリズムだろう。19世紀英国のベンジャミン・ディズレーリ首相の現代版だ。東西冷戦終結後、国際社会は近代主義の負の遺産の解消に取り組んでいる。しかし、彼らはその負債をさらに増やしている。

 夕食は和風ポークカレー、野菜サラダ、食後はアイスコーヒー、干し柿。端午の節句なので、伝統的ではないけれど、子どもの好きな料理の代表のカレー。ウォーキングは10154歩。都内の新規陽性者数は58人で、計4712人。

参照文献
「ブラジル・アマゾンの先住民、新型コロナで「絶滅」危機 著名写真家が大統領に公開書簡」『AFP』、2020年5月4日13時32更新
https://www.afpbb.com/articles/-/3281583
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