2020年5月10日

文字数 1,650文字

2020年5月10日
 安倍晋三政権誕生以来、世論調査や選挙の結果を見ると、”meek”という印象をしばしば抱く。もっとも、大半の人は日々の暮らしに追われ、政治は政治家や官僚に任せて、ニューサイトを含めたメディアの報道でその情報をチェックするだけとしても、無理からぬところだ。政治についてもっと知ろうと手間暇をかけても、そのコストに見合うだけの変化を自分が起こせるわけがないと思えば、そういう態度になるものだ。

 しかs、パンデミックによる巣ごもりはその事情を変えている。政治情報を調べる時間は十分にある。しかも、政策判断が巣ごもりの自身の生活に直結する。関心を持って情報収集してみると、政府は社会のためにあるという近代の前提を軽視して、自分たちのために権力を行使していることがわかってくる。もう黙ってはいられないとサイレントマジョリティがSNSで意見発信を始める。その代表が「#検察庁法改正案に抗議します」である。

 NHKは、2020年5月10日 16時59分更新「『#検察庁法改正案に抗議します』投稿広がる 380万超に」において、次のように伝えている。

検察官の定年延長を可能にする検察庁法の改正案について、ツイッター上では、9日夜から10日にかけて、俳優や演出家などの著名人による抗議の投稿が相次ぎ、同じハッシュタグをつけた投稿が10日午後の時点で380万件を超えるなど、広がりを見せています。
検察官の定年を段階的に65歳に引き上げ、内閣が認めれば定年延長を最長で3年まで可能にする、検察庁法の改正案は、今月8日から衆議院内閣委員会で審議されています。
これについて、ツイッター上では、9日夜から10日にかけて、俳優や演出家、漫画家などの著名人による抗議の投稿が相次ぎ、「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグをつけた投稿は10日午後3時半の時点で380万件を超えるなど、広がりを見せています。
このうち演出家の宮本亞門さんは「このコロナ禍の混乱の中、集中すべきは人の命。どうみても民主主義とはかけ離れた法案を強引に決めることは、日本にとって悲劇です」と投稿しているほか、俳優の井浦新さんは「もうこれ以上、保身のために都合良く法律も政治もねじ曲げないで下さい。この国を壊さないで下さい」と訴えています。
検察官の定年延長をめぐっては、政府がことし1月、これまでの法解釈を変更して東京高等検察庁の黒川検事長の定年を延長し、野党側や日弁連=日本弁護士連合会などから批判が相次いでいて、今後の法案の審議の行方が注目されています。

 静養政治理論において最も伝統的な課題は独裁者の防止である。近ではその方法の一つとして三権分立を制度化している。これまで安倍政権は人事介入によってこの制度をないがしろにしてきたのであり、今回もその流れの一環である。

 近代は完成主義をとらない。有徳者ではなく、邪悪な輩が権力の座に就いても、暴走を防ぐように制度設計が求められる。しかし、それはモタル・ハザードを招く危険性ある。制度が抑止してくれるのだから、誰が権力を握っても同じと人々が政治に無関心になる恐れがある。そうした無関心は権力者にとって従順に見え、制度を徐々に壊していく。政治的無冠詞は政治的モラル・ハザードである。

 夕食には、茶豆のチリコンカン、サツマイモのヨーグルトサラダ、野菜サラダ、キャベツと魚肉ソーセージのトマトスープ、三つ葉のコチジャン和え、食後にはウコン茶。屋内ウォーキングは10141歩。都内の新規陽性者数は22人。

参照文献
「『#検察庁法改正案に抗議します』投稿広がる 380万超に」、『NHK』、2020年5月10日 16時59分更新
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200510/k10012424081000.html?fbclid=IwAR03bcoyvPnVQuOYGBHyDFVag-aJKELW-3fze6c4QOskP1nFBv67MTmhNp8
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