2020年3月29日
文字数 2,127文字
2020年3月29日
明け方から雪が降り続き、積もっている。3月の雪と言うと、『ドラえもん』の「三月の雪」を思い出す。のび太がドラえもんの「お天気ボックス」を使って3月に雪を降らせる。ところが、ボックスが壊れ、雪が止まらなくなり、社会が混乱、のび太は責任を感じてしょげてしまう。しかし、ドラえもんが調べると、ボックスはその前から故障していて、人為的ではなく自然に降った3月の雪だと知りのび太は元気を取り戻す。だから、東京は3月に雪が降ってもおかしくない地域だ。
朝、いつものように咳が出る。湿度が高いはずなのに、眼も痛い。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界的に経済停滞が起きている。日本も例外ではない。その最大の原因は移動の制限である。最も基本となる拡大予防策の一つは、今のところ、社会的距離をとることだ。中央・地方政府による場合もあれば、市民の自発的選択の場合もあるが、人の自由な移動が世界的に抑制されていることは確かである。
今回のショックでは総需要と総供給のいずれも縮小し、物価が一定のまま、総生産量の減少として均衡点が形成される。これは失業率の増加を意味する。しかし、需給の縮小は人の移動の制限という外的要因によってもたらされている。景気刺激策による需要の創出は移動制限のままでは効果がない。それどころか、移動を促すことになれば、感染拡大につながりかねない。
また、同じ外的要因であっても、自然災害の場合とも今回は異なっている。災害が生産や流通などの供給能力を奪い、需要に応えられず、ショックをもたらすことがある。だが、これは能力が復活すれば、事態は収束する。一方、今回は供給も需要も移動制限によって抑制されているだけで、いずれも喪失はしていない。需要が抑えられているのだから、供給能力を発揮することもできない。
石油危機は同じく供給ショックに属するが、今回とは異なり、物価が上昇している。石油価格の高騰により需要に供給能力が答えられず、総生産量が減少する。これは失業率の増加を意味するが、今回と違い、需要があまり抑制されていないので、物価も上昇してしまう。従来失業率と物価はトレードオフの関係にあるとされてきたけれども、こうした条件の供給ショックではそれが共存する。
とるべき政策は均衡点を動かして総生産量を増やすことではない。外的要因が改善され、抑制された需要が解放されるまで、供給能力を維持することである。今回のショックに関する対策の主眼は需要側ではなく、供給側にある。企業がその時まで存続し、失業者が暮らせるようにすることが重要だ。そのために、彼らに必要なのはキャッシュである。活動を停止あるいは縮小したまま、言わば冬眠したまま、生き続けるには現金という栄養が不可欠だ。自然災害と違い、インフラや生産設備の破壊はないので、冬眠から目覚めた際には、比較的速く、総生産量は増加するだろう。
そこで税や保険料、公共料金のモラトリアムという政策が求められる。また、移動制限は感染拡大予防のためなのだから、そのインセンティブとして補償や給付など必が要になる。世界各国がこうした政策を実施するのは当然である。
失業者は非正規など低賃金労働者に偏って増加する。テレワークへの代替が困難な仕事であったり、雇用の調整弁と見なされていたりするため、解雇されやすい。彼らは資産の余裕がないので、失業は生活難に直結する。支援は急を要する。
個人への現金給付に条件を付けることは望ましくない。それ以前から失業していたとしても、移動制限がなければ、職を得られていたかもしれない。失業率を下げるわけにもいかないという前提を忘れてはいけない。また、条件は行政コストを増やし、タイムラグも生じやすくなる。しかも、手続きのために、社会的距離を取れない状況を招くとしたら、移動制限のそもそもの目的にも反してしまう。
のんびりしている政府もあるが、すでに政策を実施している国も少なくない。新自由主義の隆盛により企業や個人の間の格差が拡大し、冬眠するための蓄えの余裕がない層が少なくないからだ。格差は全体としてカネの循環が悪くなっている状態だ。冬眠すれば、これがさらに悪化し格差が拡大する可能性がある。躊躇していては供給能力が損なわれる。外的要因が改善した際、抑えられていた需要に供給が答えられなければ、別のショックを招きかねない。だから、財政・金融政策によるその備えも必要だ。こういういざという時のために、政府は財政を健全化し、中央銀行は緩和政策に禁欲的でなければならない。ただ、冬眠政策は財政規模の小さい途上国には難しさもある。世界全体に関連する問題として、国際社会による支援も用意すべきだ。
付け加えると、移動が減るのだから、今のうちに老朽化したインフラ等の改修をしたらよいだろう。経済の下支えにもなるし、できることはやっておくのが賢明だ。
夕食はコチジャンの野菜炒め、肉じゃが汁、野菜サラダ。屋内ウォーキングは10209歩。都内の新規陽性者数は68人。
参照文献
『TV&アニメ | ドラえもんチャンネル』
https://dora-world.com/tv_anime
明け方から雪が降り続き、積もっている。3月の雪と言うと、『ドラえもん』の「三月の雪」を思い出す。のび太がドラえもんの「お天気ボックス」を使って3月に雪を降らせる。ところが、ボックスが壊れ、雪が止まらなくなり、社会が混乱、のび太は責任を感じてしょげてしまう。しかし、ドラえもんが調べると、ボックスはその前から故障していて、人為的ではなく自然に降った3月の雪だと知りのび太は元気を取り戻す。だから、東京は3月に雪が降ってもおかしくない地域だ。
朝、いつものように咳が出る。湿度が高いはずなのに、眼も痛い。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界的に経済停滞が起きている。日本も例外ではない。その最大の原因は移動の制限である。最も基本となる拡大予防策の一つは、今のところ、社会的距離をとることだ。中央・地方政府による場合もあれば、市民の自発的選択の場合もあるが、人の自由な移動が世界的に抑制されていることは確かである。
今回のショックでは総需要と総供給のいずれも縮小し、物価が一定のまま、総生産量の減少として均衡点が形成される。これは失業率の増加を意味する。しかし、需給の縮小は人の移動の制限という外的要因によってもたらされている。景気刺激策による需要の創出は移動制限のままでは効果がない。それどころか、移動を促すことになれば、感染拡大につながりかねない。
また、同じ外的要因であっても、自然災害の場合とも今回は異なっている。災害が生産や流通などの供給能力を奪い、需要に応えられず、ショックをもたらすことがある。だが、これは能力が復活すれば、事態は収束する。一方、今回は供給も需要も移動制限によって抑制されているだけで、いずれも喪失はしていない。需要が抑えられているのだから、供給能力を発揮することもできない。
石油危機は同じく供給ショックに属するが、今回とは異なり、物価が上昇している。石油価格の高騰により需要に供給能力が答えられず、総生産量が減少する。これは失業率の増加を意味するが、今回と違い、需要があまり抑制されていないので、物価も上昇してしまう。従来失業率と物価はトレードオフの関係にあるとされてきたけれども、こうした条件の供給ショックではそれが共存する。
とるべき政策は均衡点を動かして総生産量を増やすことではない。外的要因が改善され、抑制された需要が解放されるまで、供給能力を維持することである。今回のショックに関する対策の主眼は需要側ではなく、供給側にある。企業がその時まで存続し、失業者が暮らせるようにすることが重要だ。そのために、彼らに必要なのはキャッシュである。活動を停止あるいは縮小したまま、言わば冬眠したまま、生き続けるには現金という栄養が不可欠だ。自然災害と違い、インフラや生産設備の破壊はないので、冬眠から目覚めた際には、比較的速く、総生産量は増加するだろう。
そこで税や保険料、公共料金のモラトリアムという政策が求められる。また、移動制限は感染拡大予防のためなのだから、そのインセンティブとして補償や給付など必が要になる。世界各国がこうした政策を実施するのは当然である。
失業者は非正規など低賃金労働者に偏って増加する。テレワークへの代替が困難な仕事であったり、雇用の調整弁と見なされていたりするため、解雇されやすい。彼らは資産の余裕がないので、失業は生活難に直結する。支援は急を要する。
個人への現金給付に条件を付けることは望ましくない。それ以前から失業していたとしても、移動制限がなければ、職を得られていたかもしれない。失業率を下げるわけにもいかないという前提を忘れてはいけない。また、条件は行政コストを増やし、タイムラグも生じやすくなる。しかも、手続きのために、社会的距離を取れない状況を招くとしたら、移動制限のそもそもの目的にも反してしまう。
のんびりしている政府もあるが、すでに政策を実施している国も少なくない。新自由主義の隆盛により企業や個人の間の格差が拡大し、冬眠するための蓄えの余裕がない層が少なくないからだ。格差は全体としてカネの循環が悪くなっている状態だ。冬眠すれば、これがさらに悪化し格差が拡大する可能性がある。躊躇していては供給能力が損なわれる。外的要因が改善した際、抑えられていた需要に供給が答えられなければ、別のショックを招きかねない。だから、財政・金融政策によるその備えも必要だ。こういういざという時のために、政府は財政を健全化し、中央銀行は緩和政策に禁欲的でなければならない。ただ、冬眠政策は財政規模の小さい途上国には難しさもある。世界全体に関連する問題として、国際社会による支援も用意すべきだ。
付け加えると、移動が減るのだから、今のうちに老朽化したインフラ等の改修をしたらよいだろう。経済の下支えにもなるし、できることはやっておくのが賢明だ。
夕食はコチジャンの野菜炒め、肉じゃが汁、野菜サラダ。屋内ウォーキングは10209歩。都内の新規陽性者数は68人。
参照文献
『TV&アニメ | ドラえもんチャンネル』
https://dora-world.com/tv_anime