街角のデザイン③

文字数 675文字

漢字のタイポグラフィには、あまり多様性が無いような気がする、のは何故か。

一つには、アルファベットよりも漢字のほうが構成要素が多いからだと思います。トメ、ハネ、ハライが正確でなければならず、自由に変えてはいけないような気がする。

例えばアルファベットデザインの基本類型としてサリフ(sarif) とサン=サリフ(sans sarif) という区別がございます(デザインを学んでいらっしゃる方には『そこからか!』な話題なのでしょうが……)。“サン“という仏語の前置詞は「〜が無い / without」という意味でして、サリフが有るものと無いものの違いです。サリフというのは、ハネ・ハライのように線から突出して(ひょろんと、ザクっと、ガタッと、まるっと)している部分です。

このアルファベットにサリフが有る場合と無い場合にどのような効果の違いが現れるか、という話は置いておいて、アルファベットフォントのデザインは“まずそこから大分自由“なのですが、漢字はトメ・ハネ・ハライが必須構成要素みたいになっていて、いじるのに勇気がいる感じ……なのかな、と思いました。

このように仮定すると、漢字よりもひらがな・カタカナのほうが、デザインの幅も広そうです。

二つめには、そのような経緯で英語圏よりもタイポグラフィ市場があまり大きくない。新しい漢字フォントの需要があまり無い。タイポグラフィはこちらのデザイン業界で大きな一角を占めていますが、台湾や日本ではどうなのでしょう。

勝手な考察はまだ続きます。


タイポグラフィという枠組みで括らなくても、漢字は芸術です……!かっこいい!!



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