じっと手を見る

文字数 1,010文字

 日が短くなり始めました。6時前に起きるとまだ薄暗い。

 気付いてみると、今年は勤めに出て20年です。その間、留学生で3年、無職で半年、産休を半年取得して働いていないので、実働は16年くらい。子供が産まれてからはフルタイムでもありません。留学生であったときと、シドニーで働いていたころ、キャンベラに戻って暫くは、飲食店でアルバイトをしていました。

 今の職場ではもう9年、採用面接をしてくれたマネージャー(部長に当たるのでしょうか)も同じ期間だけ一緒に働いていることになります。グループ企業の経営方針については、内側にいるとどうなの……と感じることもありますが、日々一緒に働いている人たちの役には立ちたいなあ、と思える職場です。こちらが忙しければ積極的に手伝ってくれるし、他チームとは揉めることもありますが、とにかく時間(と顧客からの難題)に追われるので、何とか合意し妥協し助け合わないといけません。それ大事ですよね、というより、それありき。

 だって稼がなくてはならないもの…… ファイナンス・マネジメントが苦手なタイプですが、過去に一、二度『来月どうしよう』状況に陥ってから、とにかく継続収入が大事だという観念に囚われています。一発当てるよりは、そこそここつこつ働きたい。子供のことはできるだけ優先したい。あまりできていないけど。

 要するに、“出稼ぎ”なのですかね…… 日本の過酷な労働環境から脱落し、海外放浪に出かけて、運良くその地で雇ってもらえたということです。これまで出会ったマネージャーたち、同僚たち、(と夫氏)が素晴らしいのであって、私はあくせくしているだけです。体験したことや学んだことは多いですけど、キャリアに活かされているのやら! 文章のネタにはなっていますが……

 結局あの地でもこの地でも、失敗も後悔もあれど、概して働くのは楽しかったです。日本のニュースを見ていると、所謂ブラック企業に勤めるよりは、外国語を最低限習得して海外で働いたほうが、よほどストレスが少ないのではないかという気がするのですが、どうなのでしょうか?? 勿論ビザ取得条件や、家族が日本にいる気掛かりも有りますが、立身出世や大志のために海を渡るという話ではなくて、“海外出稼ぎ“もライフスタイルの、又は生存戦略の一つくらいに考えてみたらよいのではないかと思います。

 でもまだあと20年は働くということですか……

水の戻ったレイク・ジョージ

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