年の功より、こうしたい

文字数 753文字

 キャンベラではロック・ダウンが終わり、カフェもジムもまだまだ人数制限付きですが、開業できるようになりました。

 週末午前中にジムへ行った帰り、近くのショッピングモールを通りかかると、あるオープン・カフェの一角にいつも、白髪の渋い男性たちが集まっているのが見えます。カフェのバリスタ店主も同い年くらいで、あのダンディさからすると恐らく東欧系であろうかと勝手に想像しているのですが、母国の同じ者たちが各々定年後定期的に集まって、コーヒー片手にお喋りに花を咲かせている様子は、なんかこう、微笑ましいというか、羨ましいというか、なごみます……

 私の通っているジムは女性専用ジムで、いろいろな女性を見かけます。ご存知かもしれませんが、オーストラリアの肥満人口率はアメリカに並びます。いろいろな体型の女性がいますし、いろいろな年齢の女性もいます。私は日本にいた頃スポーツが苦手で、自分のような“のろま”ぽっちゃりにジム通いなど恐れ多いと思っていたのですが、ここでは皆、自分の年齢や体型を憚って運動をためらうようなことはありません。無理せず楽しく続けて、健康を維持することが目的なのであって、お母さんたちもダンスするし、ボディ・コンバットするし、銀髪を靡かせた妙齢の女性も走り込むし、スカーフにきっちりスポーツ・ウェアを纏ったムスリマのパーソナル・トレーナーもいます。みんなカッコいい!

 二十四時間営業のファースト・フード店は、キャンベラには少ないのですが、早朝立ち寄ると、高齢の紳士淑女がコーヒーを啜りながら友達同士でお喋りしたり、のんびり新聞を開いている姿に遭遇します。ご夫婦でパンケーキを分けていたり、ファースト・フード店とは思えない(失礼!)優雅さです。

 いいなあ、ああやって慎ましく楽しく歳を取りたいものです。




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