定量と定性

文字数 594文字

 社会科学のリサーチ・メソッドには大きく分けて二つの方法があります。(と、習った……はず)定量分析 quantitative analysis と定性分析 qualitative analysis です。

 定量分析は統計など数値データを用いる手法で、定性分析はインタビューやフィールドワークを通じて、ケース・スタディを行うことが一般的です。

 定量分析はデータ数が大きいほど誤差が小さくなり、普遍性が高まると言われています。(実は他にも問題が有るのですが、その話は別の機会に。)

 定性分析は、インタビューされた対象者や、リサーチャーの解釈によって、結論が多様に導かれることがあります。

 相互補完的に用いるのが理想ですね、とDr. Hは言います。私は数学的思考を全く持ち合わせていないのですが、Dr. Hがスーパーバイザーになってから、定量分析がとても好きです。できることと、好きなことは異なりますからね……仕方ありません。

 数字を使うと、何か非人間的/純粋科学的な見方になってしまう気がしますが(私もそういうイメージでした)、論文を書きながら何度もそのデータを眺めていると、なんだか、数字一つひとつが一人の人間に見えてきます。

 ケース・スタディで出会うことのできる人たちは限られてしまいますが、統計の数字は一人一人が生きている(とても断片的ですが)記録だと思うと、定量分析ってすごく面白い。
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