こんなお話いかがでしょう⑧*転載分(R15くらいです注意)

文字数 790文字

 NSW州とキャンベラでは、10月1日午前3時から夏時間が始まりました。一つの国の中で時差があるだけでもややこしいのに、更に同一時間帯で夏時間と冬時間があるという……
 短編を書きたいのですが、なかなか形にできません。某氏が学生時代“すいか番”をしたことがあると聞いて。コメディが書けたら楽しいのだろうになあ。

*プロット
注:明るく楽しい性春ファンタジー小説(BL?)です。いいのかな……

 額田(ぬかた)は大学の夏休みに祖父の西瓜畑でアルバイトをすることになった。毎日畑に通っているうちに、遠市(トオチ)という不思議な青年と知り合う。
 濡れたような長い前髪のトオチは、額田がまだこの土地に住んでいた小学校の頃の友達らしいが、額田は思い出すことができない。
 民話の研究をしているというトオチは、真夏の西瓜畑を見ながら、額田の隣りでおかしなことを吹聴するのだ。狐の嫁入りだの、蛇神への生け贄だの、人を誘う人魚だの、天狗の子を産むだのと。
「まあ現実問題として、胡瓜とか茄子とか都合がいいよね」
「食いモンを粗末にすんな」
「してないでしょ、比較的衛生的だし、誰かに迷惑もかけないじゃない。使い終わったら食べちゃうんだし。あと西瓜……男にとっては西瓜よねえ」
 茹った頭のせいか、西瓜畑のせいか、どういう訳かそんな話になってしまった。“民俗史における相手がいない旺盛な若者のほにゃららトイ“である。ああ、瑞々しさといい、柔らかさといいなあ、と額田は相槌を打ちそうになり我に返った。
「その気になった? なったでしょ? いい加減尻子玉ちょうだい、額田くん!!」
 村を流れる小川に住むナマズが、月夜の晩に笑った如く-トオチは河童であり、河童が成人するには、人から尻子玉を取らねばならぬ。シャイで草食系のトオチにはこの歳までそんな機会が有るはずもなく、焦っていたところに、幼馴染みの額田が帰郷したのだった。
「西瓜に失礼だろ!」
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