第33話:ステファニーの実家、教会を修理

文字数 1,570文字

 このヤフーの情報が、どうやって漏れたのか気になったので証券会社の道下さんに聞くと、証券会社で個人の投資情報は絶対秘密で口外することは、ありえませんと言った。S銀行時代の親しかった友人に聞くと、証券会社、新規公開株の割り当てが、誰にどれ位、渡ったとか言う情報は、商工会議所と税理士仲間が、会合などで漏れる場合があると言った。

  そしてヤフー株を4株買ったら、いくら儲かったか直ぐわかると教えてくれた。それを確かめるため久しぶりに以前、顔を出していた沼津商工会議所の副会頭の武田さんに電話を入れて、面会を求めると。直ぐに、今日の15時に来てくれと言われ行くと武田さんが、君はできる男だと思っていたが、まさか、ヤフー株で大儲けするとは、すごいねと言った。

 そこで、なんで、その情報をお知りになったのですかと聞くと、詳しいことは教えられない。しかし注目の新規公開株が、誰が、どれ位買ったという情報は、沼津のような地方都市では調べればわかるんだと言った。その後、ステファニーが、実家の教会が古くなって修理が必要なのですが、父には、修理するお金がないし融資してくれる所もないと言った。

 そこで一度相談に乗ってあげられないかと聞くのOKと答えて、長男が中学校に行っている時に、2人でステファニーの実家の教会をたずねた。そこで、義理の父が、教会の修理箇所を見せると言い、内部を見て回った。既に、築50年近く経ち修理が必要だと語った。修理費用は、どの位かかるのかと聞くと、5千万円以上かかると言った。

 屋根の吹き替えと、コンクリートの一部を修理するのに、時間と経費がかかると言った。
「至急、見積もりをとって下さいと話し1億円までは、何とかしましょうと答えた」
そうしてくれればありがたいと言った。2週間後、修理業者2社の方が面会して打ち合わせしたいと言うので悦郎は牧師と一緒に聞くことにした。

 それによると1社が洗浄が得意な業者A社で高圧専業で汚れを落とし、もう1社がコンクリートのひび割れ修理の専門業者、S社だった。これから長期にわたって利用するにはコンクリートのひび割れ修理が不可欠だとS社の社長が言い時間とコストがかかるが、やっておけば、数十年は、もちますと真剣な顔で言った。

 梅雨明けから始めて5人がかりで高圧洗浄に1週間、乾燥に2週間、コンクリートのひび割れ修理に2週間、乾燥に4週間、塗装に2週間、塗装の乾燥に4週間、4ヶ月から6ヶ月の工事期間となりますと言い、両社で基本料金が4千万円。更に、追加工事が必要な場合は、別途追加費用がかかるが最大1億円で、建て替えなら5億円と話した。

 ついでに内装工事もやるなら全部込みで8千万円で追加料金なし引き受ける。だた工期は同じで職人があと5人追加して10人で行いますと言った。そこまでやるなら1千万円で教会内部の机、椅子なども新品同様のものを備え付け、新築した感じの教会に生まれ変わりますと言った。その新築の教会という言葉に牧師さんとステファニーは、驚きと共に感動した。

 牧師さんが、私が物心ついた時に見た素晴らしい教会に生まれ変わるのかと、つぶやいた。続けて、ステファニーが、写真で見た新築当時の教会になるなら協力してあげましょうよと、旦那の峯崎悦郎に、せがんだ。どうせ、神様に、もらった情報で株投資の利益を得たのだから、神への恩返しのつもりで1億円融資しますと言った。

 それを聞き、業者は、笑顔になり日程は、特殊洗浄機、洗剤、補修材料、職人の手配などを調整して、お知らせしますと言った。準備完了になったら入金いただくと言う事で良いですかと、2人の棟梁が言うので、峯崎悦郎が、それでお願いしますと言った。牧師さんとステファニーが、悦郎に、お礼を言い、来年は新しい教会に生まれ変わると、感慨深げに語った。
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