第27話:大震災の初動記録3

文字数 1,354文字

 7時20分、北消防署の消防隊2隊を兵庫管内へ命令出動。本部指揮所では24階からの情報を元に市内の炎上火災状況を把握するとともに、それ迄に入手した同時多発火災を確認した。7時27分、監視カメラの機能が復旧し、赤外線カメラにて市街地の炎上火災25件を確認。

 7時30分、本部長「消防局長」は市長へ災害状況、災害防御活動の状況を報告。報告を行った後、災害活動について次の通り指示。参集職員の状況に応じて臨時部隊編成を行い現場出動する事。災害の少ない北・垂水・西・水上消防署及び特別消防隊「音楽隊等」は現場出動する事。

 空からの情報収集の為、消防機動隊「現・航空機動隊」に出動命令を出そうとした。しかし、ポートアイランド等の液状化現象等で参集職員の到着が遅れ消防機動隊は離陸体制をとれず。8時00分、神戸市災害対策本部を市役所1号館1階から1号館8階へ移設。垂水消防署の消防隊1隊を長田管内へ命令出動。

 8時30分、北消防署の消防隊1隊を長田管内へ命令出動。9時05分、7時10分から何度も掛け続けた電話がようやく繋がり副本部長「警防部長」から兵庫県に対して被害状況の報告を行う。9時20分、消防機動隊「現・航空機動隊「ヘリコプター「神消ヘリ1」に対し、上空からの市内全体の被害情報の収集を指示。

 9時30分、京都市及び大阪市の消防局長から応援可能の申し出が入る。兵庫県に自衛隊の応援可否を打診。9時40分、神消ヘリ1から火災は市内全域で20数件炎上中。家屋等の倒壊は、市内全域にわたるも東部方面が広範囲との状況報告を受理。9時50分、消防局長が市長に消防広域応援及び、自衛隊の応援要請を進言。

 主に消火活動は消防が、救助活動は警察及び自衛隊が担当する様に進言。市長は兵庫県知事に対して消防広域応援を要請。10時、市長は兵庫県知事に対し自衛隊の応援を要請。自治省「当時」消防庁長官が、消防広域応援要請を受諾、関係知事に応援を支持した旨の連絡を兵庫県知事から受理。東京消防庁、名古屋市消防局、広島市消防局から応援の連絡が本部指揮所に入る。

 横浜市消防局、川崎市消防局、京都市消防局からヘリコプター各1機が出動した旨の連絡が入る。これ以降、県内外を問わず、全国の消防本部から神戸へ応援に向かう旨の連絡が次々と入った。11時10分、神戸市北部に隣接する三田市消防本部の消防隊「水槽付ポンプ車・三消1」が、応援隊の第1先着として長田区の火災現場に到着した。

 三田隊は神戸市からの正式な応援要請を受ける以前「8時49分」に、三田市消防本部長の独自判断で出動していた。午後10時過ぎに神戸消防から電話で応援要請あった際には、「既に1隊向かっている。県内共通波で現場指示願う」との返信をしている。11時20分、生田消防署専任救助隊長の進言により、兵庫県消防学校の救助工作車を手配。
 
 13時15分、自衛隊第3師団姫路特科連隊の216人が到着。13時40分、大阪市消防局から消防隊10隊が到着。14時30分、生田消防署に対し大阪市浪速区の中林建設から重機の派遣申し出があり生田署がこれを要請。その後続々と消防隊が神戸に駆けつけ17日24時時点でポンプ車隊群が182個小隊860人、ヘリコプター9機52人、自衛隊2562人となる。
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